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R.E.P

Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第46回 『Cling Cling』は〈普通〉?

Perfume

世間ではやれアリーナ・ツアーだ、やれのっちの26歳のお誕生日だと盛り上がっていますが(今日は2014年9月20日、土曜日)当ブログでは遅れに遅れていた『Cling Cling』評をアップいたします。

 

そもそも『Cling Cling』、リリース情報の解禁はメンバー出演のUstreamによって、以下のような触れ込みでもたらされました。

 

 結局、『Cling Cling』は4曲入りのシングル……というかEP的な体裁でリリースされました。そして〈この4曲を引っ提げてツアーを回る〉ことが、メンバーの言っていた〈らしからぬ挑戦〉の真意だったわけです。

 

それ以降、ラジオとTVで「Cling Cling」と「Hold Your Hand」を数回だけ聞きました。〈なんか……普通かも?〉という印象で、先のライムスターとの対バンで正直燃え尽きていたこともあり、このブログも今後どうしようかな?などと考えていました。

 

◆Cling Cling

そしていよいよリリースされた『Cling Cling』。さっそく購入し、じっくり聴いたところ……

 

やっぱりPerfume中田ヤスタカは、いつも新しくて面白いことをやろうとしていて、それは日本のヒットチャートではなかなか得難いものであり、全然〈普通〉なんかではありませんでした。

そしてこのブログに最終回があるとすれば、それはPerfumeが終わる日だ、と決意を改めた次第でございます。

 


[MV] Perfume 「Cling Cling」 - YouTube

「Cling Cling」は、ペンタトニック(五音階)を基調にしたメロディーと、アジアン・エキゾティックなシンセが演出する、無国籍な情緒が特色です。サウンドは初期YMOの発展形も言えるし、似たような意匠である「VOICE」のアップデート版とも聴けました。

またサブベース(低音を強調したベースのサウンド)の使い方や、複雑なビートのパターンは〈ダブ・ステップ以降〉の時代性があるし、サビの終盤で聴ける、テンポがどんどん倍になるスネアなんて、もろに現行EDMを連想させます(とはいえこの手法自体は新しくないし、2NE1「Crush」f(x)「Led Light」などでも当たり前のように使われていますね)。

 

歌詞はまたしても意味不明ですが、〈Cling Cling〉〈つんつんつん〉〈るんるんるん〉などのオノマトペ(擬音)を繰り返す、いわゆるフック・ソングの手法が(おそらくPerfume史上で初めて)用いられています。

……ただ、〈ペンタトニックを基本にしたフック・ソング〉って、間違いなくヤスタカがきゃりーぱみゅぱみゅの制作を通して確立させた方法論なわけで……これをPerfumeでも導入した意図までは見えてこないのが、ちょっともやもやするところではあります。

 

◆Hold Your Hand


[Lyric Video] Perfume 「Hold Your Hand」 - YouTube

TVドラマの主題歌にもなった、穏やかで優しげな表情の曲ですが、○○○(いちおう伏せておく)で聴くと、イントロのキックが〈ズドン!ズドン!〉といちいちラウドに響く感じや、全体的に低音がかなり出ているなど、〈重さ〉も感じさせてくれるのが凄くおもしろいです。

柔和さとクールネスが絶妙に入り混じったこの空気感は、「Baby cruising Love」にも通じますし、最近聴いたなかではAnushka「Never Can Decide」(お薦めです!)なんかが鳴らそうとするサウンドとリンクする気がします。

 

◆ナチュラルに……

ここで『Cling Cling』全体を通しての、非常に大きな変化にも触れておきます。今回のレコーディングでは、コーラスのパートがすべてメンバーの肉声で録音されています。これまでのように、ヤスタカがメンバーの声の素材を加工・編集し、作成したコーラスではありません。三者三様の息遣いや肉体性を伴うハーモニーは、Perfumeのひとつの評価軸である〈ヴォーカル・グループとしての魅力〉に、新しい光を当てる試みだと思います。

「Hold Your Hand」、私はホントに好きですね。

もっとも友人は〈間奏のシーケンス、まんまTM NETWORKの「C'MON EVERYBODY」じゃん〉と指摘していましたが……

 

◆DISPLAY


PERFUME DISPLAY (Supported by Panasonic 4K UHD TV AX800) - YouTube

ストイックなテクノ~エレクトロへと振り切った「DISPLAY」。間奏のシンセは、ニューウェイヴの一環としてのシンセ・ポップ(つまり、テクノ・ポップ!)を彷彿とさせますが、当然往時のものに比べるとめちゃくちゃハイファイだし、過激なまでに歪んだベースや、緻密に入り組んだキックのパターンは、これまたエレクトロやブロステップを経由した、〈2010年代ならではの作法〉と言えるでしょう。

こういうアプローチをさらっと、超売れっ子のアイドル・グループでできてしまうあたりが、Perfumeの音楽的真骨頂(のひとつ)だと思うし、これが許される状況(=活動におけるさまざまな面での余裕×優秀なクリエイターのバックアップ、という相乗効果)は、つくづく奇跡的なものだと思います。

 

◆いじわるなハロー

掉尾を飾るのは、いかにも王道のPerfume節な、可愛らしいポップ・チューン……なのですが、個人的にはかなりの問題作です。えっ振付のことじゃないですよ。

 

これ、サビのメロディーやコード進行が、あの偉大なバンド、The Clashの「Rock The Casbah」にそっくりじゃないですか?


The Clash - Rock the Casbah - YouTube

もちろん「いじわるなハロー」と「Rock The Casbah」では、キーも違えばコードの和音も違います。でもこのルート音の遷移とか、パクリとは思わないけど、ものすごく近似性がある。

そう感じたので、さっそく〈いじわるなハロー Rock The Casbah〉でググってみました!!

 

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あれ? ……〈一致はありません〉……!!?

 

 

 

ということはこの発見、もしかして世界初!!!?

 

それか、単なる勘違い!!!?

 

この疑問に答えを出すために、それぞれの曲に共通する要素を探すためには、コードの採譜や調性の知識を基にしたアナリーゼ(楽曲解析)が必要です。

 

しかし当然ながら、私にはそのような能力はありません(えらそう)

 

これは詳しい人の助力を仰ぐしかなく、私はある人物の元を訪れました……って続きもあるのですが、もう時間が無い! つづきます!!