第43回 Perfume FES!! 2014 Perfume/ライムスター その3
前回に続き、石川・本多の森ホール公演のレポート第3弾です(第1弾はこちら)。
Perfumeのライヴが終わり、場内は暗転。舞台の転換が終わると、Perfumeからライムスターに宛てたビデオレターがスクリーンに映されます。
3人「宇多丸さん、おひさしぶりです!」
あ「今回のPerfume FES!!、出演をオッケーして下さって本当にありがとうございます! 私たちを最初からずっと応援してくれていた宇多丸さんに出ていただけるのは、ホントに嬉しいです! ……でも、世間的には(恩人は)木村カエラさんばっかりになっちゃって……ごめんなさい!(頭を下げる) でも、忘れてません。カエラさんよりも先に、ライムスターさんと対バンしたくて、今回お願いさせていただきました」
「このライヴに来てくれるお客さんにとって、特別な日にしたいです。最初からずっと私たちを見て下さっている宇多丸さんだから、私たちの曲で好きな曲があれば本編でやったり……あと、もしいまもまだ聴いて下さっているなら、最近の曲とかでも、コラボレーションなんかできたらって思ってます。ライムスターさんの、ブンチキバンチキって感じの音に私たちが合わせたり……」
おお、これは物議を醸しそうな表現……
ビデオが終わると、ステージにPerfume3人が登場。
かしゆか「ライムスター凄かった! あたしたちが出たら、お客さんが完全にアガってた」
あ~ちゃん「さあ、いよいよコラボです! 何やると思う?」
のっち「(ステージ上に用意されたDJ JINのブースを見て)これがあるってことは、掟さんは来ない気がします」
そうだ、Perfumeのライヴ本編で、掟ポルシェさんの話もたくさん出ました。イベントで掟さんにケーキやラーメンを売らされた話(あ~ちゃん「これで500円は高い、でも300円なら!」)、掟さんはライヴ前にいつもトイレに籠って、長い巻物みたいな台本を暗記してる、と暴露したり。
あ~ちゃん「掟さんの話ばっかりになっちゃったけど、今日はライムスターさんとの対バンだから! それではお呼びします! ……どうやって呼ぼう? ひとりずつ?」
のっち「みんなで〈ラ〉〈イ〉〈ム〉〈スター!〉がいいんじゃない?」
のっち、今日はちょいちょい良いこと言います。てなわけで、みんなで〈ラ〉〈イ〉〈ム〉〈スター!(※裏声)〉
◆ライムスター曰く、
宇多丸さん、Mummy-Dさん、DJ JINさんがふたたびステージに登場。ついにステージに6人が勢揃いしました! 感慨深いなー。さあ、宇多丸さんが口火を切ります!
宇多丸「さっきのビデオさ、最初見たとき〈すごい! 俺たちとのライヴのために、わざわざ作ってくれたんだ!〉って思ったけど、聞いたら全部でやってんじゃん。しかも、なんであそこでもカエラさんの名前出すの? 宇多丸さんありがとう、で良いじゃん……」
宇「」
宇「あとさ、何だろう、全体にある〈半笑い感〉みたいな」
Dさんも「絶対バカにしてるでしょー」
宇「〈ブンチキバンチキ〉ってさあ、俺たちそういう認識なの?」
Perfumeを前に、いきなり愚痴(※半分冗談)全開!!
宇「俺たちのライヴ見たことあるんだっけ?」→Perfume、誰も見ていない
のっち「映像では観たことあります」
宇「初めてライヴ観て、どうだった?」
3人「カッコ良かったー! 凄い人だったんだって思った」
もしもっと早く、3人がライムスターのライヴを観ていたら、また違った関係があったのかもしれませんが、それはさておき、また宇多丸師匠の独演会が始まります!
◆宇多丸曰く、
宇「『パーフェクトスター・パーフェクトスタイル』をやってくれてありがとう。〈あの曲をここでやる意味〉のわかる人たちが〈おおおーーー!〉って言ってくれてたけど、おっさんの声しか聴こえねえ!!」
宇「俺が司会役でビデオに出演した『シークレットシークレット』もリクエストしたんだけど……それは入らないって言われたんだよね」
Perfume3人「流れと合わなかったので」
宇「〈パーフェクトスター〉もね、ベスト盤で唯一の新曲で、でもやっぱり当時と今では聞こえ方が違うよ。あの頃は、なんかPerfumeが終わっちゃうみたいな感じもあったし」
3人「そうですかね~」
宇「〈手を伸ばしても/もう届かない〉……まぁ、それは今も、この距離(宇多丸さんとPerfumeメンバーの、わりと離れた立ち位置)としてあるんですけど」
3人「そんなことないですよー!」
か「なんで卑屈さが出るんですか」
宇「俺たち、別れようって言ったこともあるし」
あ「そんなの言われてませんよ!」
宇「そもそも俺たちそんなに回数は会ってないからね……あ、そうだ〈申し訳ないと〉、去年で終わりました」
3人「ええーーーー!!?」(※案の定知らなかった模様)
宇「(代官山UNITの〈申し訳〉で、Perfumeに午前5時からライヴさせた話をして)もうフロアにはベロンベロンのおじさんしかいなかったんだけど(※宇多丸さんの実演付き)そこにPerfumeが出てきて、〈天使が降りてきた……!!〉みたいになってた。あのあと、打ち上げで中華料理屋さん行ったでしょ」
あ「覚えてるー!」(あとの二人は「そうだっけ???」)
宇「クラブイベントが終わって、ひどい連中しかいない打ち上げに、ちゃんと来てくれるPerfumeはエラい! まぁ、俺はお酒飲みすぎでずっと寝てたんだけど」
あ「宇多丸さんずっと寝てて、結局何をやってる人かずっとわからなかった」
その他、〈申し訳〉でPerfumeにケーキ(1ホールの32分割)やラーメンを売らせた話、そして宇多丸さんが「Perfumeに何させてんだよ!!!」と怒った話など、積もる話はたくさんあります。
※文字ばっかりになってしまったので、金沢・兼六園の風景でもご覧下さい
宇「さっき『マカロニ』のトラックで『POP LIFE』やったんだけど、全然違う曲に聞こえたでしょ。スピード感とか」
あ「声が違うと、違って聞こえるんですかね~」
宇・D「いや、そりゃ声は全然違うよ! そんなあたりまえのこと、キョトンとした顔で言われても」
宇「Perfumeも、ラップしてる曲あるじゃん。『575』とか(ここであ~ちゃん〈ゥフハァ!!〉みたいな反応)。でもあれはPerfumeの3人が歌うから良いんで、おじさんが歌っても何の意味もない。歌詞も〈電話する?しない?〉みたいな感じでしょ。もう内容的にも不可能って判断して、結局あれになった」ご明察だと思います。
宇多丸さんが司会となって、話は進んでいきます。
宇「じゃあ今回、コラボレーションとして……Perfumeに、ラップをしてもらいます!!」
3人「ええーーーー!!!?」
宇「しかもいわゆる〈フリースタイル〉、その場で詞を考えて、即興で歌ってもらいます!」
3人「えー! そんなのできなーい!!」
JINさんがレコードを2枚掲げます。宇多丸さん「これはヒップホップのスタンダード中のスタンダード、『Impeach The President』のレコード! これに乗せてPerfumeにラップしてもらいます」
あ「えーー! ホントにやるんですか?」
宇「さっきリハでやったでしょ!? なんでそんなこと言うの! しかもあなたノリノリだったじゃないですか!!」
あ「えーそんなのできない~」
宇「あの、大変失礼な言い方になるけど……いっつもテキトーに喋ってんじゃん? フリースタイルとか向いてると思うよ」
あ「(超高音で)テキトーじゃないよー!!」
宇「でもさ……いきなり言われても難しいでしょ? 何歌ってもいいと言われるのがいちばん難しい! 何かテーマがあった方がいいよね?」
3人「テーマがあった方がいいです!」
宇「(自分の胸に手を当てて)……
俺への〈感謝の気持ち〉を、ラップして下さい」
こ、この男…………とんでもない暴挙に出おった!!!!!!!!
宇「できないとは言わせないから! 俺、恩人だよ? 恩師だよ? 言うなれば尊師だよ!? 尊師への感謝の気持ちくらいラップできるでしょ!?」
さすがにDさんが「宇多さん、これパワハラだよー(笑)」と突っ込みますが、もう誰にも宇多丸さんは止められません!
そのあと、宇多丸さんが〈フリースタイルのお手本〉として、ド低俗なラップをブチかましたりしましたが(というかこれ、事前に作り込んでたらしいので、見本ですらない単なる嫌がらせ)、ここでちょっと時系列を先送り。
宇多丸さん「あ~ちゃんにやってほしい煽り文句があったんだよ。Zeebraというラッパーがいて、彼の煽りが〈殺しに来たぜッッ!!!〉って言うの。これあ~ちゃんに似合うと思うな! 東京ドームなんかで〈東京ドーム! 殺しに来たぜッッ!!!〉」当然イヤがるあ~ちゃん。そりゃそうだろ。
そしてJINさんのターンテーブルから、『Impeach The President』のアタマのビートが繰り返し流れます。宇多丸さん「じゃあ、あ~ちゃんから行ってみよう!」あ~ちゃんも観念して、フリースタイルを始めます。
◆あ~ちゃんの〈宇多丸さんへの感謝〉フリースタイル
うろ覚えですが内容だけでも。
・ずーっと最初から応援してくれたうたまるさん!
・今日の対バンはライムスター、嬉しい! 初めてのライヴ、チョーかっこよかった!
・私たちを支えてくれたうたまるさんに、今日こそ言うよ、(宇多丸さんにグーッと顔を近づけながら)
あ・り・が・とっ!!
あ~ちゃんが宇多丸さんを、殺しに来たぜッッ!!!!
いやホントに、宇多丸さんはサングラスしているので表情が読み取れないのですが、このあ~ちゃんのフリースタイルに大きく心を揺さぶられたのは確実です。確かにあ~ちゃん、向いてるかも……
しかし酸いも甘いも噛み分けたオトナである宇多丸さん、まだ正気を保てているのはさすがです。宇多丸さん「次は誰だ?/次は誰だ?/次はのっち/次はのっち!」完全にMCバトルモードに入ってます。そしてのっち、迷いなくマイクを握る!
◆のっちの〈宇多丸さんへの感謝〉フリースタイル
うろ覚えですが内容だけでも。
・ずーっとずーっと(いつもいつも?)応援してくれたうたまるさん!
・私たちをカッコいいって言ってくれたうたまるさん!
・うたまるさんが、私たちに勇気をくれた
・うたまるさんが、自信を与えてくれた
・うたまるさーん、そん・けー・してまぁーす!!!!
左手でマイクを握り、空いた手のひらを宇多丸さんに向けて精一杯広げながら、歌い切ったのっち。これまた、殺しに来たぜッッ!!!!
宇多丸さんは「いいね~」とか言ってご満悦でしたが、「のっちだったら、こういうラップもどうかな? 〈俺がのっち/お前と俺死ぬのはどっち/生き残るのはこっち〉」不穏すぎるよ!!!!
かしゆか、見るからにイヤそう。宇多丸さん「Perfumeでいちばんギャングといえば……かしゆか! いちばんサグ(Thugというスラング。残忍とか、暴虐とかの意味)なのも……かしゆか! 行ってみよう!」かしゆか、イヤイヤ始めるフリースタイル!
◆かしゆかの〈宇多丸さんへの感謝〉フリースタイル
えー、誠に残念ながら大変な事故だったという記憶しかございません。
ヒップホップは全然詳しくない私ですが「できないよぉー」「はずかしい」という言葉の入ったラップは初めて聴きました。
聴き終わった宇多丸さん「……オッケェェェエーーーッ!!!」
オッケーらしいです。
3人のフリースタイルを聴き終えた宇多丸さん「まぁね、俺だったらこの場でそんなフリースタイルやれって言われたら、できるかそんなもん!!ってキレますけどね」
Dさん「そうだね、俺たちは即興よりも、じっくり作り込んでいく方だから」
うわぁ大人げねぇ……
えっこれで今日終わり?と思ったのですが……最後の最後に、超特大のボムを用意してきたライムスター。つづきます。