前回の続きです。
◆RIHANNA
いやーセッティング中にファラオの立像2体とツタンカーメンのマスクみたいな巨大セット(しかもマスクの目からレーザーが出る)が出てきた時は笑いましたね。ステージコンセプトは古代エジプトで、その女王がリアーナという見立て。これを考えるだけでなくきっちり実現させる、そのいろんな意味での〈パワー〉に脱帽です。
生で観るリアーナはコケティッシュで肉感的、でもやっぱり24歳の女の子だね、という親しみやすさもありました…が、もうとにかく現行覇者の面目躍如なサウンドの凄みに尽きます。アッパーでプログレッシヴな中にダークな妖しさが立ちこめていて、実に美しく凛々しい。
そして数々の輝かしいアンセム。言わずもがなの「Umbrella」も歌いましたが、この日もっとも観客を狂喜乱舞させていたのは「Where Have You Been」そして「We Found Love」!! どちらもカルヴィン・ハリス製のEDM直系ナンバーであり、この2曲での観衆のリアクションを観れば、時代が求めているサウンドが何なのかは一目瞭然です。
ちなみにこのとき、当のカルヴィン・ハリスが幕張メッセでDJ中(=リアーナと出演時間がかぶってる)という意味のよくわからないタイムテーブルも、まあご愛嬌です。私はリアーナ終わりでダッシュしたら最後の5分だけ観られました
◆で、Perfumeはどうだったのか?
USトップ・クラスのアクトとPerfumeを同じステージで観られる、初めての機会。ゆえに僕は一日中このステージにいました。
US勢を観ていて思ったのが、とにかく〈有無を言わせない〉こと。それぞれのサウンドのクオリティーはもう言うまでもなく、ピットブルの驚異のアゲっぷりや、ケシャの刺激的なパフォーマンス、リアーナの自己革新性には、問答無用で聴き手を己の音楽に引きこむ力強さというか強引さがあります。それこそが、彼女たちがシーンのトップにいられる理由なのでしょうか。
Perfumeにそういう強引さは希薄ですから、リアーナたちと同じことをやろうとしても、まず敵わない。でも、今回US勢と並べて観ることで、改めてPerfumeの長所が見えました。
まず、3人のパフォーマンスの奥ゆかしさ、品の良さ。この大和撫子なパーソナリティはいまや〈絶滅寸前の価値観〉かもしれませんが、いやいや世界に誇れるものだと思いますよ。もちろん、セクシャルな匂いをバンバン出した、良い意味で下世話なアクト(例:ピットブル)の方が遥かにキャッチーだし、人気も集まるでしょう。でも、それとはまったく異質な価値観にも、必ず需要はあります(中途半端がいちばんいけません)。
次にダンスの緻密さと独創性。ドール・ライクな3人のヴィジュアルも含めて、あのダンス・パフォーマンスから生じるノン・ヴァーバル(非言語的)なチャームは、それこそピットブルのアゲにもどこか通じるプリミティヴなものであり、言語や人種、国境を越えてアピールできそうです。ユニバーサルが勝機を見い出しているのも、実はここなんじゃないか?という気すらします。やっぱりPerfumeにとってダンス(そしてMIKIKO先生の存在)はホントに大きいです。
そしてヤスタカの作る楽曲は、以前書いたようにEDMのトレンド、つまり同時代性を踏まえた(=トレンドそのままではない)サウンド・プロダクションに3人の声質の絶妙なハーモニーを融合させたユニークなもの。
そして関さんや真鍋さんをはじめとするアート・ディレクション・チームがダンスとサウンドのイメージを加味・拡張し、衣装や照明でステージをショウアップして……考えてみると、これだけクリエイティヴな人材が多方面で揃っているチームもそんなにないのでは?(他にあったらぜひ教えて下さい!!) あれ?もしかして世界に行っても、かなり良いところまで行けるんじゃないか?という気すらしました。Perfumeの長所は、チームとしての総合力にあるのですね。
いまだに〈たった3人だけで、大きなスタジアムをいっぱいに!なんて凄い3人なんだ!〉みたいな論調のメディア(だけじゃないですけどね)もありますが、寝言は寝て言〈己の心身だけを頼りにやるしかない〉わけじゃないから、Perfumeがこれだけ支持されているのではないでしょうか?
◆おまけ
もちろん、そのチームを存続させる動力として、メンバー3人の人柄や努力も大きいとは思います。でも、ここまでそのメンバー名が出ていないので、それを補う意味でもMCレポ投下します。
あ~ちゃん「私たち目が良いので、2階席で盗撮してる人も見えてますよ! 撮影禁止なので、止めてくださーい!」
かしゆか「ライヴはその場に来た人だけの楽しみですから!独り占めしちゃおう」(すみませんブログで割と書きました)
PTAのコーナー、今回のネタは松田聖子「夏の扉」。歌い終わると雨がポツポツ。
のっち「夏の扉が開いたと同時に、雨が降ってきました!」
あ~ちゃん「昨日はここで(雷雨のために)中断しとったね」
状況を聞くところ、雷雨に襲われたサマソニ大阪の中断は本当にギリギリ、間一髪だったようです。参加された方、本当にお疲れ様でした。