第11回 Perfumeがサマーソニックで見せたもの
8月19日のサマーソニック東京会場では、メインステージのQVCマリンフィールドに登場したPerfume(写真はこちらからどうぞ)。初出演の2007年サマソニ大阪会場のオープニング・アクトから、たった5年でメインステージをほぼ満員に。快挙といって良いでしょう。
でも今回書きたいのは、いまPerfumeの動員力がどれだけ凄いのか、ではありません。リアーナやピットブル、ケシャといった海外のトップアクトと並べてみて、いまのPerfumeはどう映ったのか?です。
この日のセットリストは以下の通り。
1. GLITTER
2. Spending all my time
3. ポリリズム
MC
4. Baby clusing Love
5. ねえ
PTAのコーナー(MC)
6. チョコレイト・ディスコ
7. MY COLOR
最新曲に定番も織り交ぜた、そつのないセットリスト(リリース直後の「Hurly Burly」「ポイント」がなくて残念)。鮮やかなピンクの衣装の3人は、真夏の日差しが容赦なく照りつけるスタジアムに爽やかな風を吹かせてくれました。「Spending all my time」でのEDM直系の派手なシンセは大会場によく映えていたし、スタジアムを埋め尽くした大観衆による「チョコレイト・ディスコ」「MY COLOR」のリアクションはさぞ壮観だったことでしょう(自分はアリーナにいたのでよくわからない)。
いまや大舞台すらものともしない、堂々たるパフォーマンス。それでも初見のお客さんがまだ半分近くはいた模様で(ソース:のっちのMCでの調査)、まだPerfumeファンが増える伸びしろがあるのか…と、改めて恐れ入った次第です。
◆PITBULL
Perfumeに続いて、雨のスタジアムに現れたのがマイアミのお祭り番長ことピットブル。ドラムスやベース、キーボード、サックスにターンテーブルといったバンド編成でした。
で、これが想像を絶する盛り上がり! スタンドから観ると、大群衆がひとつの大きな塊となって飛び跳ねているかのよう。その音楽はヒップホップにエレクトロやハウス(つまりEDM)、ラテンなどをミックスした超高性能のパーティー・チューン。アゲること最優先、ひたすら享楽的、そして恐ろしくポップで、あえてPerfumeで例えるなら〈全曲が「FAKE IT」〉みたいな感じかもしれません。
洗練された音作りだけでなく、プリミティヴ(原始的)なノリがもうとにかく強力で、セクシャルな歌詞も含めて〈2012年のパーティー・サウンド〉としてこれほどハマる音楽もないでしょう。雨が降り続く中でも、雨具など着用する人は皆無。そしてPerfumeのときには全然見かけなかったマッチョな男性と、ビキニトップ&ショートパンツのイケイケな姉ちゃんが大量にいらして、もうくんずほぐれつで(ややウソ)踊りまくり。〈同じサマソニの客でも、これほどまでに違うのか……!〉が率直な感想です。
◆KE$HA
ピットブルがアゲ尽くした直後という、割とやりづらいであろうステージに登場したのがケシャ。エキセントリックなイメージもあって、〈ガガ以降〉のシアトリカルでド派手な演出を予想したものの(そして実際にダンサーがたくさんいたり、ハイレグ着用のケシャがつくりものの心臓を噛みちぎったりしてましたが)、やはりシンガー・ソングライター、歌をしっかり聴かせるライヴで、自身でギターを弾いたりもしていました。とはいえ、こちらもそのサウンドは現行のトレンド=EDMを通過したものであり、「Tik Tok」はスタジアムすら余裕で揺るがす名曲であることを再認識。彼女のアンチ・ポップ・スター然としたキャラと音楽的個性の合わせ技という感じでしたね。
(ジャミロクワイも当然良かったのですが、今回の原稿の主旨とは異なるので割愛します。そして、長くなったので続きます)