前回の続きです。
◆ツアー初日を終えて
1月14日の神戸公演初日が終わり、真っ先に思ったのは「このライヴ、これからどう変化していくのだろう?」ということでした。
今回のツアーでは、中盤に目玉の楽曲が連続で配置されています。
プログレッシヴな転調とミニマルな楽曲構造を伴う新機軸「スパイス」。
プロジェクション・マッピングを採り入れた「JPNスペシャル」。
そして〈3.11〉以降に初めて制作された、寓意を含んだ「GLITTER」。
いずれも〈こんなPerfumeが観たかった〉と思える、フレッシュな演出とパフォーマンス。どの曲も〈2012年のPerfumeはどこへ向かうのか、何を伝えたいのか〉が凝縮されています。
そして(どんなコンサートでもそうですが)今日観たものはひとつの完成形ではあっても、これから先、全編に渡って修正や工夫、改善が行われていくことは間違いありません。
◆最高を求めて
たとえばバンドによるライヴなら、充実した演奏(が生み出すお客さんの喜び)を追求するのが基本だと思いますが、Perfumeの場合は歌とダンスに加えて、舞台演出によるショーアップの要素も大きいです。さらなる演出の洗練と共に、パフォーマンスの精度を高めていく。その積み重ねが、彼女たちの動員力の一因にもなっているはずです。
◆「私たちもJPNの一員です」
神戸での最初のMCでは「初日を迎えられて本当に嬉しい。〈いつまでこのアルバムを(リハーサルや練習で)聴くん?〉って思ってた。ようやく皆さんに会えました」と早速泣いていたあ~ちゃんも、2日目は「いろいろ思うところはありますが、それはパフォーマンスに込めます。私たちもJPN、JAPANの一員です」と意気込んでいました。
神戸でのPerfumeのトークには、やはり〈3.11〉の影が色濃かった。もっとも、彼女たちの発言が特別なわけではありません。あの日以降、エンターテイメント(というより表現全般)に携わる全ての人は、自分の為すこと、為してきたことの意味や役割を、自覚せざるを得なくなったはずです。
そして現在、彼女たちが何を想い、何をやろうとしているのか? そして、その過程でどのような変化が起きて、その先には何があるのか?――それを見届けることができたら、きっとおもしろいだろうな、と思ったのでした。
(つづきます)
◆おまけ:印象に残った神戸のシーン
「ジェニーはご機嫌ななめ」では、ファンがメンバーの愛称をコールします。その時、メンバーの愛称がステージ上の電飾ディスプレイに表示されるのですが、初日のかしゆかへの「ゆかちゃん!」コール時、ディスプレイの表示は〈KASHIYUKA〉でした。
しかしなんと、翌日の公演ではその表示が〈YUKACHAN〉に……!!
おそらく初日の観客アンケートを反映してのことでしょう。些末な変更点ですが、なぜそこまで迅速に対応するのだろう?とも思いました。
なお、私がはるばる神戸まで出かけたのは〈ツアー初日だから〉〈震災以降、とりわけ仙台・神戸・広島へは足を運びたいと思っていたから〉などの言い訳理由があります。