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R.E.P

Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第26回 Perfume inspired by Rhizomatiks

Perfume

2013年9月21日より10月20日まで、初台のICCで開催されている「Rhizomatiks inspired by  Perfume」(通称:ライゾマ展)。クリエイター集団・Rhizomatiksが、これまでにPerfumeの映像作品やライヴの演出に用いたテクノロジーの展覧会です。

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 その一環として9月28日、Rhizomatiksプログラマー・真鍋大度さんPerfumeの振付と演出担当のMIKIKO先生、アート・ディレクターの関和亮さんによる鼎談Perfume inspired by Rhizomatiksが行われました(司会はICCの畠中実さん)。Perfumeチームの主力クリエイターであり、ブレインでもあるお三方が、オープンな場でPerfumeについて語るのは初めてです。

非常に貴重な機会であり、クリエイター・チームとしてのPerfumeの魅力に注目してきた当ブログとしても徹底的にレポートしたい!のですが〈中継なし〉〈アーカイヴなし〉〈Twitterの中継はOK〉という状況のため、はたしてどこまで書いていいやら?

◆主旨説明

まず冒頭に、司会の畠中さんから主旨説明がありました。「Perfumeの演出やアイデア、イメージを一手に担うチームPerfumeの3人をお招きしました。アイドル……と言っていいかわからないけど、これまでのICCのイベントとして(扱うの)は珍しいタイプと思われるかもしれません。でも3人とも前から知っているし、Perfumeの活動がメディア・アート的な展開を見せているいま、メディア・アートとエンターテイメントを区別していても意味がない。

この展覧会は〈Rhizomatiks inspired by  Perfume〉、つまりRhizomatiksが主体ですが、今回はそこをひっくり返してPerfume inspired by RhizomatiksRhizomatiksの影響を受けて、Perfumeがどう変わったか?をお話いただきます」

◆関さんとメディア・アート

まず最初の話題は「3人はどうやって出会ったか」。口火を切った関さん「えー、アクターズスクールに通ってて、」といきなりのジョークで観客大ウケ! と思ったら緊張のあまり〈Perfumeの3人がどう出会ったか〉の質問と間違えた模様(確かに大真面目だった)。「俺なんでこんなこと言ったんだろう?」と、若干うろたえておられました(でもこれで会場の雰囲気が一気に良くなったと思います)

MIKIKO先生(当時NY在住)と関さんは、Perfumeの振付ビデオ(チョコレイト・ディスコとか)をやりとりしていた。MIKIKO先生の帰国後はいつも現場で顔を合わせるようになった

・関さんと真鍋さんは、2007年か2008年頃にクラブで共演した。関さんがVJ、真鍋さんがVJ。その後2008年に、関さんがアンカーズラボ(真鍋さんの活動拠点)に遊びに行って、そこで正式に知り合う。そのときの関さんが感じた真鍋さんの印象は〈顔に電気を流している人〉にして〈メディア・アートの超新星

・そのころ関さんはメディア・アートに興味があり、「コンピューターシティ」のビデオではプログラミングによるエフェクトを採り入れた。プログラミングを生で生成して、そのランダム係数で(※私がよくわかっていません、すみません)画像解析をリアルタイムで行うことができる。これは編集でやろうとするとものすごく大変だが、プログラミングなら簡単。楽曲の世界観に合った、表示エラーっぽい効果を狙った

・関さんの話を聴きながら、真鍋さんがその場で素早くプログラムを作成。真鍋さんの映像に次々いろいろなエフェクトが掛かっていく

・関さんは真鍋さんに出会って、「これからそういうのは全部この人にやってもらえばいい」と思った

◆真鍋さんはいかにPerfumeを愛するようになったか

・真鍋さんがプログラミングを学んでいたIAMAS(イアマス、情報科学芸術大学院大学)では、2003年ごろからPerfumeが盛り上がっていた。しかし「ビタミンドロップ」を聴いた真鍋さんは「ピンとこなかった」という。そして時は経って「コンピューターシティ」のビデオを観た真鍋さん、「新しくておもしろいことやってる!」と好感を持つ

MIKIKO先生と真鍋さんが初めて対面したのは、2009年の代々木第一体育館ライヴの楽屋。MIKIKO先生いわく「開場中とかに流す音楽を神秘的なものにしたかった」そうで、真鍋さんの盟友・澤井さんに音楽制作の依頼が来た。でも真壁さんはどうしてもその仕事をやりたくて、澤井さんに泣いて頼んだ(で、楽屋にもついてきた)

・でも真鍋さんは代々木のライヴに遅刻して、1曲目が見られなかった

MIKIKO先生と真鍋さんの接点

・代々木での対面以降、真鍋さんの公演にMIKIKO先生が遊びにくるように。真鍋さんの公演では、人体の動きに合わせて音や映像を変化させる(変換する)センサーなどを採り入れていて、「これはPerfumeがやるべきだ!」という強い信念と確信を持っていたが、MIKIKO先生は〈顔に電気を流している人〉から、なんで声が掛かったんだろう?と思っていた

・真鍋さん「あの映像躊躇するのはわかります。でも軽い気持ちで上げたのに、あれよあれよで100万回再生行って、僕の名前で検索するとあれしか出なくなった

・それでもMIKIKO先生は2010年に東京ドーム公演を控えたPerfumeで、新しくておもしろいことをやりたかった。そこへちょうど、関さんやマニピュレーターのケイスケさんから真鍋さんを推薦されて、「あの顔に電気を流している……」と思いつつ真鍋さんに電話。「何か新しいことをやりたいんです。アイデアはありませんか?

・すると真鍋さんから大量のアイデアが出てきた。そしてドームで実現したのが、あ~ちゃんがレーザーガンで風船を撃つ演出、そしてZachary Liebermanといっしょに作ったPerfumeの掟」(光る衣装はドームでは実現できず、「Spring of Life」のビデオでようやく実現した)

 ・なお、トークの合間に、次々と真鍋さんが秘蔵映像や関連YouTube、関係者用のPicasaページのアイデア映像、打ち合わせ資料(!)などを見せてくれる

Perfumeとメディア・アート

MIKIKO先生がライブ・スタッフに真鍋さんの案をプレゼンするが、どれも前例がなくリスキーに思われてしまい、GOまで時間がかかる。それがいかに凄いアイデアなのか、うまく伝える術をMIKIKO先生もまだ持っていなかった

・短時間で、絶対に成功するものを、いかに作るか。ライヴ前の仕込み時間も短いし、制約が多かった

・まったく新しいシステムを持ちこむことで、既存のやり方と上手く合わない場合もあった(照明や映像など)

MIKIKO先生「それでも3年経って、Perfumeのブランドが確立したことで、近未来的なアプローチもやっとできるようになっ……(しかし真鍋さんがプログラミングに夢中で聴いていない)せっかく良いこと言おうとしてたのに」

・いまではELEVEN PLAYMIKIKO先生主宰のダンス・カンパニー)で、新しいアイデアに基づく素材を作ってからプレゼンに臨むことができるので、やりやすくなった。お互い良い形で歩み寄りができている

第2弾につづきます