全国各地の大型フェスティバル~イベントの出演者が続々と発表されていますね。今年もPerfumeはいろいろなフェスに出演しますが、それぞれの主催者がPerfumeをブッキングした意図や背景は、意外とそれぞれ異なるのではないでしょうか? 今回はそのなかでも大規模な公演を取り上げます。
◆SUMMER SONIC 2012
結論から書きますと、今年のPerfume出演情報でもっともアガったのがSUMMER SONICです。最大規模のマリンステージ(千葉マリンスタジアム、現QVCマリンフィールド)での出演なのですが、Perfume以降の並びがまあ豪華なこと。
Perfume→PITBULL→KE$HA→JAMIROQUAI→RIHANNA
US~UKメインストリームの大物ばかりです。それぞれダンス・ミュージックを独自に解釈したサウンドでトレンドを作り、大成功を収めた人ばかり。この並びにPerfumeが置かれたことは、主催者であるクリエイティブマンはPerfumeを〈世界水準のライヴ・アクト〉〈日本を代表するダンス・ミュージックのグループ〉と捉えている証左でしょう(サマソニは過去にも同じような文脈で、木村カエラさんやRHYMESTERをマリンにブッキングしています)。
こういう面々と競演するPerfumeが観たかった。でも、まさか現行アーバン界のトップスターであるリアーナと同じステージに立つとは!リアーナは会場入り時間が遅いだろうからPerfumeのライヴは観ないでしょうけど。
〈いまのPerfumeって、世界の中で見るとどうなの?〉という切り口・評価を基にブッキングされた初めてのフェスティバルとなったSUMMER SONICは、彼女たちが初めて出演した大型フェスでもあります(2007年のオープニング・アクト)。そう考えると、サマソニはずっとPerfumeを評価してくれていたんですね。
◆RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO 2012
こちらも待ち望んでいた方は多いでしょう、記念すべき初出演です。
ライジングは現在隆盛を誇っている邦楽アクト中心のフェスティバルの草分けであり、毎年そのラインナップはカッティングエッジであり続けています(一見普通のことに見えますが、これと収益を両立させてフェスを続けていくのは至難の技のはず)。
1999年の第1回は、BLANKEY JET CITY~thee michelle gun elephantの各マネージャーと北海道のプロモーター、ウエスによる「北海道の広い野原で、朝まで爆音でロックを聴きたいね」という話し合いから始まったそう。その原点にある理念と伝統を守り続けている、正真正銘のロック・フェスティバルがライジングです。
ここに今年Perfumeがラインナップされたのは、このライジングに初めてアイドル・グループが出演することを意味します。これはなぜか? その理由と思われるものを、主催者メッセージから抜粋させていただきます。
「14年目の今年は会場のレイアウトや駐車場の場所も変わり、そして新しいSTAGEが登場します。新しいDOORを開く、更なる進化の年でもあります。FESTIVALそのものは生き物で、それは参加してくれるファン、会場周辺の地元の方々、RSRが好きなアーティストの皆さんとスタッフで創ってきたからで、それは時代と共に変わるものだと考えています」
ライジングが新しいフェイズに入ろうとする2012年。もちろんラインナップにも変化が生じるでしょう。そこで選ばれたのがPerfumeだったことが、1999年の第1回に参加した私は嬉しく思います。
◆ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2012
現在の日本で最も集客力のある、ロッキング・オン企画制作のイベントです。去年は3日間の参加者がのべ17万人超という、驚きの人気です。
えーと……何度か行ったことはあるのですが、最後に行ったのがいつか思い出せないくらいなので、これに関しては言及を控えます。現状、Perfumeが立つステージとしてはもっとも大きな規模(3~4万人くらい?)なのだろうとは思います。
◆番外編 FUJI ROCK FESTIVAL '12
「Perfumeの出演がなさそうなフェス」 断トツでNo.1です。フジを主催するスマッシュ代表の日高さんは、DVD「FUJIROCKERS」にて〈ブッキングの基準は、オルタナティヴであることと、凄いライヴをやること〉と語っています。そのポリシーに裏打ちされたラインナップは、日本での知名度こそアレな人が結構いたりもしますが、その音楽的な豊かさ・充実度は国内随一…いや、世界トップクラスのフェスティバルです。
確固たる信念に貫かれた硬派なラインナップに、まずアイドル・グループが入る余地はないでしょう。それでも毎年期待してしまうのは「フジの運営は、Perfumeの関東公演を手掛ける(そして初期からずっと彼女たちを支えてきた)ホットスタッフ・プロモーションだから」「当日まで出演者がシークレットの〈前夜祭〉があるから」。
当然ながらこの期待は一度も叶うことなく、毎年「やっぱPerfume出ないかー」と言いながら現地でビールを痛飲しております。おそらく今年もそうなるでしょう。でも、もしかしたら……
◆蛇足
書き忘れていましたが、ブッキングの大前提として〈いまのPerfumeにはものすごい数の動員が見込めるから〉ですね。