第95回 Perfume 7th TOUR 2018「FUTURE POP」
Perfume 7th TOUR 2018「FUTURE POP」、ツアー初日となる9月21日の長野ビッグハット公演を観に行きました。
結論から言いますと、今回も新たな挑戦を経て前進した姿を見せてくれますし、鉄板のハイパー盛り上げスタイルもあります。
しかしこれまでとは少し異なるテンションも随所に感じさせて、加速しながら最後まで駆け抜ける様は、これまでのPerfumeとはどこか一味違うようです。
終盤、場内が無音になるとメンバーの荒い呼吸がマイクを通して聞こえてきたりと、体力的にはいままで以上にしんどそうですが、それでもパフォーマンスの質は下げない、アスリートのような立ち居振る舞いは圧巻でした。(単に体力が落ちているとか、そういうわけでもなさそうですし)
アルバム『Future Pop』に関しては前回のエントリーのとおり、どこか不完全燃焼に感じてしまいましたが、ライヴはある意味、それとは対照的なものでした。
選曲もなかなか予想外の展開。おそらくここから多少の入れ替えがあるでしょうし、また流れも変わって来そうです。ネタバレにならないと思うので書きますが、私が「特にこの曲はぜひライヴでやってほしいなぁ!」と希望している曲が今回ことごとく入ってなかったのですが、それでも十分見応えがありました。
『Future Pop』で「この曲は……パワーダウンしてしまっているのでは?」と感じた部分も、アルバムの一部ではなくライヴの一部になると不思議と目立たなくなったり、楽曲がテクノロジー演出とダンスと一体化することで、一段高みに上った感もありました。
ライヴ演出に使用される映像は、かなりハイファイというか複雑になった印象で、演出そのものの情報量も多いため、そのぶんPerfume3人の存在感が薄れてしまう危険もあります。うまく行っている曲もあればバランスが危うい曲もあるように感じましたが、そういった試行錯誤を続けて、常に改善を図ってきたのがPerfumeでもあります。
もちろんツアー初日ということもあり、映像とメンバーの行動が食い違ったり、音響も最初ぼんやりして聞こえたり(これは場所にも依りますが)といった部分もありましたが、それこそすぐに立て直し、改善されていくことでしょう。
あと、ある曲での〈電通っぽさ溢れた演出〉は……。感動する人も多いと思うのですが、別に3人から生まれた言葉ではなさそうなので、そこまでやってしまうのは情緒過多というか、説明しすぎというか、オーバー・プロデュースかもしれません。
◇Darkness On The Edge Of Town
あと、これも書いておきます。
のっちのグッズ販促MCの最中に「お誕生日おめでとう!」と声を上げるなど(念のため、ライヴ前日がのっち30歳の誕生日でした)、一部ファンの言動に否定的な意見がツイッターで散見されます。MCでは、メンバー個人のアンチが激しく反応しそうな表現もありました。
とはいえ〈ぐるんぐるんツアー〉2014年9月20日の代々木第一体育館でも、ファンが先走ってのっちのお誕生日を祝う展開はありましたし、Perfumeファンのほとんどは善良な方々だと思いますので、ここではそれ以上書くことを控えます。
ライヴを観ながら思ったのは、アーティスト人気の拡がりは、概してそういう困った層の流入と表裏一体です。いろいろなことが起きますが、それでも大きな流れは誰にも止められません。その中で、PerfumeはPerfumeであり続けて、Perfumeという存在をこれまでの人生で背負ってきたわけですよね。
その重みがいかほどか、私には想像もつきませんが、それをこれからも続けようとする3人の、現在進行形を感じるライヴでした。
◇Spirit In The Night
以下、なんとなくのMC集です。
かしゆか、初めての長野公演で「初めてPerfume観る人!」調査、1割もいないくらいでしたが初参加陣はスタンド席に多め。
のっち、新作グッズのプレゼン。その場ではタオルしか持っていなかったものの、「可愛いグッズをたくさん作りました」と。新作Tシャツの売れ行きも市場調査(調査方法:購入者による挙手)。「大体3分3分3分……良い感じ」と(本来は3割3割3割?でも五分五分とも言うから3分で正しい?)
のっちが「それと、パン…」と言いかけたところでファンが「お誕生日おめでとう!」と声を上げる。それに続いて何人もが「Happy Birthday!」などと声を上げるが「何ー? そう、パンフレットね!」と華麗にスルー。あ~ちゃんがステージに戻ってきて販促トークに参加、「このパンフレットは関さんが制作に関わって下さってて、もう作品なんですよ……さて、みんなの言いたかったこと、のっちお誕生日おめでとう!」
今回、のっち誕生日のカウントダウンで初めて3人一緒に過ごしたそう。これまでお誕生日の当日は、友人や祝ってくれる人と過ごすのでは……と遠慮していたものの、今回はリハーサルで必然的に長野におり、9月20日は東京に帰る?とのっちに聞いても「帰らない」と即答したため、あ~ちゃん「オッケー帰らない」。19日の夜遅くからリッチなコース料理を食べて、シャンパンタワー(赤や青など色が変わる、やらしい感じの)も立て、日付が変わる0時をカウントダウンしたそうです(コーディネートしたであろうエフ・オー・ビー企画の皆さん、本当にお疲れ様です)
のっちは、あ~ちゃんとかしゆかの合同プレゼントで凄いものをもらったらしく……何だろう、長野の原野かな?と思いましたが、「それが何かはファンクラブサイトで発表しますのでよろしく!」と、しっかりファンクラブの宣伝をしていました。
のっちのお誕生日だけでなく、この日はメジャーデビュー記念日。あ~ちゃん曰く、「リニアモーターガール」の衣装(変なスリットが入って、耳に何かを付けて)はいつ思い出しても本当に恥ずかしいけれど、いま思えばあの曲がデビュー曲で良かったと思う。もうあまりライヴでやらないけれど。
1年に1日の特別な日を、こうして一緒に過ごせるのは(長野の)皆さんだけ!……よしもう十分じゃろ→次の曲へ
最後のスピーチ、かしゆか「あっという間でした」
のっち「皆さんの表情から、私の誕生日をすごく祝ってくれていることが伝わりました。アルバムの曲をこれから育てていけるのが楽しみだし、こうして初日に笑顔で皆さんの前に立てていることが自信につながります。この気持ちをもって全国を回ります」
あ~ちゃん「のっちはこんな人だけど、誕生日のスピーチが過去最高に素晴らしかった。30歳になるってことは本当に大きいんだ、自分はまだあと半年あるけど、それが凄く楽しみになりました」