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Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第87回 Perfume FES!! 2017 Perfume×電気グルーヴ

Perfume恒例となった対バンイベント、2017年の第1弾は電気グルーヴ

 

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今回は前置きなしでライヴの感想から。私が電気を観るのは2015年のSONICMANIA以来でしたが、今回は新作『TROPICAL LOVE』からの曲をガンガンやっていて、古い曲もアレンジや繋ぎ方を変えており、常に更新され続けるバンドである姿を見せてくれました(彼らはインタヴューで自分たちをユニットやグループではなく、〈バンド〉と名乗っています)。

電気のお客さんばかりではないイベントなので、わかりやすいおもしろ路線で来るのかなーと予想していましたがMCほとんどなし(ときどき二人が不条理なアジテーションをするくらい)、ほぼノンストップで演奏し続けるストイックでぶっ飛んだ1時間でした。中盤あたりの、強靭なビートのインストで会場を制圧していく展開がマジでカッコよかったです! そしてPerfumeが初めての東京ドームで披露した〈10人のかしゆか〉へのオマージュである〈10人の瀧〉も炸裂(アニメの瀧が例のフォーメーションで10人踊るという)! ラスト、映画「未知との遭遇」のメロディーで終わるのもイカしてました。ゲストで登場したトミタ栞ちゃんに、瀧が股間の下に通したマイクスタンドで歌わせたのは、あれ一瞬とはいえトミタちゃんの親が見たら泣くぞと思いましたが……

 

テクノだけでなく、アシッド・ハウスやエレクトロ、ブレイクビーツ、エキゾチカなどなどを混ぜながら一貫して電気印なサウンドに、ユーモラスで不条理な歌詞。いきなりですが、ここで近田春夫さんが「考えるヒット」で「Missing Beatz」(2013年)を評したものから引用します。

〈こういう音を作れる人にこういうコトバの書ける人はなかなかいない。こういうコトバを書く人にこういう音楽をきわめた人はほとんどいない。電気グルーヴの凄味とは、一種不可能とも思えることをやり抜いてきたにもかかわらず、存在を決して重くしていない。そのことに尽きるような気がするのである〉。

 

そして卓球はインタヴューで「電気ではテクノをやっているつもりはない、あくまでJ-Popの一種」のような発言をしていますが、〈世間ではテクノとイメージされがちだが、実のところは決してテクノではない〉といえば、そうです、あの3人組も……!!

 

 

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電気グルーヴPerfumeは、先述の点(というか立ち位置)で、数少ない同類だと思います。そしてPerfumeのライヴ、これがまたオープニングから「うおっ、こういうのが観たかった!」というやり方を、こちらの想像の200倍くらいは凄くやってくれるのでたまりません。詳しくはまた明日、ですかね……

 

Perfume MC

電気グルーヴがあこがれの存在だったという3人。そのきっかけは、状況直後のPerfumeについていた、頭がぶっ飛んだ当時のマネージャー(自転車で現場に来て現地解散など)が「テクノと言ったらライヴっしょ!」的な発言(with 変なハンドサイン)で連れられて行った〈WIRE04〉。そこで中学生だった3人は電気グルーヴと初遭遇しますが、当時はその音楽の良さがまったく理解できず、しかも客はステージもろくに見ず踊り狂っており、ぽかーんとしていたら、さらにステージの上ではおじさんがふざけていたのが衝撃だったと(ちなみにそのとき、瀧はスキンヘッドに白いスーツ姿でセグウェイを乗り回していました。余談ですが私も会場にいました)

それから2~3年して、ようやく良さがわかり、大ファンになったと……しかしPerfumeの周りで「電気とやるの、アツいっすね!」と言ってくるのは少し上の世代ばかり。ということで場内の年代チェックをしました。私の見たところ

10代……15%

20代……25%

30代……30%

40代……25%

50代以上……5% といったところでしょうか。そして40代以上のリアクションのイキの良さに、あ~ちゃん「おじさまステキー!おじさまステキー!

かしゆか疲れたら係の者へ!!

のっち「いや、50代以上をなめるな!って言われるよ!」(あ~ちゃんの発言だったかも?)

 

瀧もだけど、君たちも大概ふざけてるよ!(もちろんそれが魅力のひとつですが)

 

ほか、のっちが電気グルーヴ「孤高の存在」と評していて、まあそうといえばそうなのですが、その表現は初めて聴いたので何かウケました。あ~ちゃんが瀧のステップを再現したら、かしゆかが卓球のアクション(何か〈こまわりくん〉みたいなの)を真似したり、賑やかでしたね。この日のチーム分けは〈セ〉〈グ〉〈ウェイ〉でした。

 

ちなみにこの日、22:30終演予定と聞いていましたが、電気が終わった時点で21時を結構回っており、あれ?この時間配分だと、なんかおかしいぞ……と思ったのですが……

 

P.T.A.のコーナー

ひとしきりコーナーが進むと、あ~ちゃんが「いつもPerfume FES!!では、対バンの相手とコラボレーションして、お互いの歌をカヴァーしたり、いっしょに何かやったりしています……ですが、今回はできませんでした! ごめんなさい!(お辞儀)」

場内に落胆の声。私もすごく楽しみにしていました。ただ、電気が終わった時間を見て「これコラボやる時間ないんじゃ?」と危惧していたら……。

 

あ「向こうは大物だし、いろいろ難しかったのかも。連絡先知らんけえ、お互いのマネージャーを通して何度もやり取りしたんだけど〈今回はできません〉って……でもね、本人がそう言っとるとは限らんし

あ~ちゃん、さらっと言っているがそれは相当踏み込んだ発(以下略)

あ「大人の事情もあるかもしれないし、レコード会社も事務所も違うし……だけど、私たちの電気グルーヴさんへの愛は伝えたい!」

そしてあ~ちゃん、かしゆかがそれぞれいかに電気との対バンを楽しみにしていたかを語ります。のっちは「私は楽しみすぎて、昨日の夢に電気グルーヴさんが出てきました!」

客「ワーー!!

の「夢の中で、瀧さんとキスしちゃいました!!」

客「ワーーー!!(一部悲鳴)

の「そしたらね、もう興奮してきて、すごくイイ曲が思い浮かんだの! じゃあ今日はみんなでそれを歌いたいと思います

客「ワーー!!(一部戸惑い)

か「えっ、そんなにすぐ歌えるものなの?」

の「行くよー、〈♪夢でKISS KISS KISS〉

客「♪夢でKISS KISS KISS(そう来たか!!!)

あ、か「なんか聞いたことあるなー? どっかで聞いたなー?」

の「あっ、もう曲までできた! それでは聴いて下さい、Shangri-la』!!

流れ出す流麗なストリングス(念のため、あのストリングスのサンプリングソースはシルヴェッティ「Spring Rain」です)! 湧き上がる爆発的な歓声!! その中でスーッとセグウェイみたいな物体に乗ってステージ中央に滑り込んでくるあ~ちゃん!!! 電気オマージュとしての完成度が高すぎる!!! いやはや感服&脱帽&爆笑でした。

Shangri-la」の音源をほぼそのまま流しながら、あ~ちゃんはセグウェイ風の物体でステージを徘徊し、のっちはあの曲のMVを意識したのか、足を組んだりステージにしなだれかかったりと艶っぽいダンス(?)を披露。映像も電気のVJっぽい仕上がり(むしろ先方に発注した?)で、MVに出てくるような赤い花がCGでくるくる回ったりしてましたね。

〈♪夢でKISS KISS KISS〉のコール&レスポンスを経て、曲が短めの尺で終わると、のっちは「売れそう!」とコメント(もう売れている、という2人からのつっこみあり)。のっちは「あ~ちゃんが乗っていたセグウェイもどきは、2月15日のあ~ちゃんのお誕生日に私がプレゼントしたものです」とドヤ顔でした。

 

あ~ちゃん「今回はコラボできなかったけど、もしかしたら次の機会があるかもしれない。みんなが〈Perfumeはこんなにも電気グルーヴ愛を表現していた〉と呟いてくれたら、電気グルーヴさんがそれを見て、かわいそうに次はコラボしよう、と思ってくれるかもしれないから、みんなつぶやいて!」と客を扇動していました。

 

そして長いP.T.A.のコーナーを終え、その後いろいろあり、時間は22:25くらい。まもなく終演予定時刻です。

 

あ~ちゃん「あのね、最後にもしかするとご本人が出てきて何かいっしょにやってくれるかもしれないから、この時間はふわふわっとさせておいて(内容を決めずに)、ギリギリまで待ったんだけど……(電気グルーヴさんは)次の予定があるということでもう出られました

コラボの可能性がゼロになり、客にまたも落胆の声。しかしこの日、卓球は渋谷のクラブ・WOMBでレギュラーパーティーがあったんですね。

 

むしろよく電気で出てくれたなー。ありがとう!

 

◇Last Supper

あ~ちゃん「さっきの曲で終わりの予定だったけど、最後にもう1曲やろうか?」

かしゆか「自分たちの曲ならできるよね」

あ「みんな、何がいい?

いままで数多くのPerfumeライヴを見てきましたが、この展開(リクエストコーナー)は初めて観ました! お客さんはそれぞれにリクエストを叫び、「Miracle Worker」などが候補になったのですが、そこでのっちが「私、やりたい曲あります! まだ声出し足りないって人もいるだろうし、〈ディスコ!〉な曲がいいなー」

2人もそれはいいね、ということで決まりましたチョコレイト・ディスコ

あ「これ、ホント急に決まった奴だから、照明はお手柔らかに!」とのことで、確かに照明は本当にその場で対応している感じの白色中心のシンプルなものでしたが、盛り上がりには影響なく、見事なフィナーレを迎えました。

 

そんな感じでPerfume FES!! 2017初日は終了しました。これまで意外とダンス系アクトとの対バンはなかったし、そういう意味では電気グルーヴの登場は満を持してと言えるでしょう。そりゃもちろん両者のコラボは観たかった! 観たかったのですが、それを補って余りある、非常に満足度の高いイベントだったと思います。今後もダンス系アクトとの対バンはぜひやってほしいですね。

 

さあ、今日は2日目、迎えるはチャットモンチーです!