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Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第65回 NHKのPerfumeドキュメンタリーが描いてきたもの その2

前回の続きです。

MJ presents Perfumeドキュメント 今世界へ(放送:2012年12月31日)

Perfume初の東京ドームライヴを「ドーム5万人ライブへの挑戦」として、そのクリエイティヴィティに迫るドキュメンタリー作品に仕上げたNHKチーム。彼らが次に追いかけたのは、〈WORLD TOUR 1st〉でまさに世界へ飛び立とうとするPerfume……なのですが、ここでもかなり思い切った工夫がなされています。

 

結論から書きますと、この「MJ presents Perfumeドキュメント 今世界へ」映画「WE ARE Perfume」のプロトタイプと言えますが、特徴として、ほとんど海外のPerfumeファン(とその想い)しか追っていません。ファンが主役で、メンバーはあんまり出ません。民放ではまず不可能そうな構成ですが、そんな無茶な番組の制作統括は我らが監督・佐渡岳利さんです!!!

 

番組は2010年の東京ドーム公演の映像(つまり「ドーム5万人ライブへの挑戦」の続きですよ、という演出)で始まり、LAでの「カーズ2」プレミア上映でのブラックカーペット、海外でのCDリリース、ソウルでの「ABUソングフェスティバル」など、2010年~2012年までの【海外展開】をざっと採り上げます。

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なお、ABUソングフェスティバルが終わり、会場の建物を出た3人がたちまち韓国のPerfumeファンに囲まれる→握手→ファンの「ギャアアァァア!!!(嬉しい悲鳴)」という歓待を受けるシーン(※まだ番組開始2分)が、早くも今回の切り口を物語っています。

 

韓国より戻ったPerfume。2012年10月22日には横浜BLITZで、初のアジア・ツアーにむけてリハーサルに臨みました横浜BLITZは「GAME TOUR」フィナーレの地であり、そしていまは無き会場です)。3人がそれぞれ、初の海外ワンマンについて語っています。

 

あ~ちゃん「ライヴハウスでできることなので、ドーン!と来る迫力はあると思う」

のっち「いつもどおりにライヴできたらいいんですけど……3人でステージに立てば、どんなところでも3人のライヴにはなるので」

かしゆか「どれくらいみんなが日本語を知っているのかもわからないから、どうなるんだろう……という感じですね」

三者三様の心持。初の東京ドームでもそうでしたが、あ~ちゃんはいつも前向きです(不安がないわけはないと思うんですが)。のっちのコメントは、踏んできた場数を感じさせますね。

◇NIGHT FLIGHT

10月25日の夜、台北松山空港。ロビーには、Perfumeの到着を今や遅しと待ち受ける200人以上の現地ファン。これ、どうも〈いつ、どの飛行機でPerfumeが到着するか〉がメディアで大々的に発表されていたと聞くのですが、大らかですねー。

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空港ロビーに姿を現した3人。あ~ちゃんが代表して挨拶した後、空港を出ようとしますが、プレゼントを渡そうと多数のファンが押し寄せ、大混乱! 3人は手に持てるだけのプレゼントや花束を抱えて、車に乗り込みます。車中でも「凄く嬉しいね!」「みんな日本語わかるんだね」「本当にファンの人なんだって感じ」と、想像以上の歓迎に興奮気味。あ~ちゃんは現地ファンと無事にコミュニケーションを取れたことが嬉しそうです。

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そして実はこの空港のシーンだけで、のべ6組ものファンがインタヴューに答えて、Perfumeが台湾に来てくれた喜びを語っています。

 

翌日。カメラは現地の進学塾へ……って?と思ったのですが、講師の若い女性がPerfumeファンだそうで、生徒にPerfumeへの想いを熱く語り、パソコンでlove the worldのライヴ映像を見せたりしています。微笑ましいですね。

 

続いて、白バイに乗った若い男性警察官が颯爽と登場。彼のバイクのキーホルダーは、なんとのっちの写真です。「毎日、大好きなのっちを見ていると元気がもらえます」。ほほう、濃さそうなのが来た!!

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そしてポリリズムからPerfumeを応援しているという彼の自宅を、カメラが尋ねるのですが……

壁一面Perfumeのポスター

・CDや写真集、掲載された雑誌などの膨大なコレクション

・グッズもTシャツ(PTA限定も)、パンフレット、カレンダーなど多数所持

・2012年の時点で9度来日し、Perfumeのライヴは13回観た

・大好きだという「コンピューターシティ」カメラの前で歌唱

・その歌詞を中国語に訳したうえ、「この歌詞は意味深ですね、Perfumeがブレイクする前の彼女たちの心境に近いと思います」と分析

 

負けたよ、その熱心さには……

 

なおこの時点で番組開始から10分が経過していますが、ファンの映像だけで半分を割いています。ここまで一般人がガンガン出てくるとは……「ドキュメント72時間」か!!(のっちもあの番組は大好きらしいです)

 

警察官が強烈でしたが、続いては17歳の可愛らしい女の子が登場。この動画にも登場している方です。

台北の町中でPerfumeの振りコピをする現地ファンの皆さん。たとえ日本語はわからなくても、ダンスならまったく同じものを共有できます。これがPerfumeノン・ヴァーバル(非言語的)な強みです。

 

その女の子は定時制高校の2年生。定時制高校を選んだのは、昼間は働いて、自分でお金を稼いでPerfumeを追いかけたいから……

って、意外とさっきの警察官ばりに振り切れてるよ!!! この女の子が、お母さんにもPerfumeを知ってもらおうと、いっしょにCDショップを訪れます。店内モニターに映るポリリズムのMVを見て「あっポリリズム!お気に入りの曲なの」と言うと、お母さんが苦笑しながら「(Perfumeの曲は)何でも好きなのねぇ」と返すシーンが、僕はとても好きです。

 

CDショップを出ると、女の子が所属するダンス・サークルの練習を、お母さんも見学に行きます。娘さんのダンス(曲は「Hurly Burly」)を微笑みながら見守るお母さん。しかし、お母さんは最初Perfumeが理解できなかったこと、女の子がどうしてもPerfumeのライヴを見に日本へ行きたがり、当然お母さんに反対されたため2~3日家に帰ってこなかったこと、初めて知る娘さんの熱心な一面に触れて、ついに根負けしたことが、お母さんの口から語られます。こらこら、あんまりお母さんを困らせちゃいけないよ!(※自戒を込めて)

 

また、先ほどの警察官が、ファン仲間たち(なんと30人くらいいる!)とのPerfumeライヴDVD上映会で、「GLITTER」を聴きながら狂喜乱舞しているシーンもありますが、彼に関しては、この先どんなシーンがあっても驚きません。そしてこの上映会(というか台湾公演記念パーティー)でも、ファンへのインタヴューが続きます。みんな思い思いに、Perfumeへの愛を語っています。

◇初の海外ワンマン

ライヴ当日の10月26日。警察官、高校生、塾の先生と、これまで登場した人が次々と会場であるNeo Studioに現れます。なんだか群像劇みたい! そして本当に久々に、Perfumeの3人も画面に登場、会場入りします。あ~ちゃんがミキサー卓を見て「ちょっと近代的ヴァージョン」と評しますが、意味はよくわかりません。

 

リハーサルが始まります。会場の広さに反してステージそのものは小さく、見え方を知ろうとあ~ちゃんがステージを降り、客席からかしゆかとのっちのパフォーマンスをチェック。次々と修正を入れていきます。(この辺から、画像はDVD「WORLD TOUR 1st」のものを拝借しています)

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あ~ちゃんが問題点に気づけば、舞台上の2人はすぐに「じゃあこうしようか」と案を出す。このやり取りにはMIKIKO先生も内山監督も基本ノータッチ。ナレーションが入ります。

 

〈3人は、衣装を替えたりマイクを置いたりといった、ステージでの動きやタイミングを自分たちで話し合い、決めるようになりました。デビューから12年、観客の目線に立って自ら演出するまでに成長しています〉。

 

もちろん、「Perfume WORLD TOUR 1st」のDVDでは先生や内山監督ともいろいろ話し合っているシーンがありますが、「ドーム5万人ライブへの挑戦」からの進化も感じさせるくだりです。

 

 

18時、会場がオープンすると高校生と塾の先生は最前列をキープ。警察官はちょっと引いた場所にいますが「ホントに夢みたい!」と嬉しそうです。その頃楽屋では、3人が中国語での挨拶を懸命に覚えています。一通り練習して、のっちが「あ~、言えそう!!」と喜んでいるのが何かウケます(しょっちゅう言い間違えるから)。

 

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開演直前の楽屋で、初の海外ワンマンに臨む3人が気合入れを行います。あ~ちゃんが「お客さんも、超楽しみにして来てくれています。海外の人ですが、思いはきっと伝わる!」と言うのは、前日の空港で現地ファンの皆さんと会って、しっかりコミュニケーションが取れたからでしょうか。緊張も感じさせながら、舞台袖に向かう3人。出る直前まで、1曲目「Enter the Sphereのフリを確認しています。

 

 

場内が暗転、大歓声の中でステージに3人が現れた瞬間、客席の歓声がピークを更新します。これは映画「WE ARE Perfume」でも、多くの会場で幕が振り落とされるあの瞬間を使っていたのと同じですね。

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「コンピューターシティ」のイントロでは、これ以上なくエキサイトする警察官の姿が映し出されます。わざわざカメラの前で歌ってくれた、彼にとっていちばん大切な曲。このシーンの連続性をきっちり押さえる演出と制作力、おそるべし!

 

中国語でMCする3人、もちろんカンペはガン見ですが、ファンは大喜び!(かしゆかだけは短い挨拶だからか、暗記しています)

 

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塾の先生は、初めてPerfumeを好きになった曲というlove the world(※生徒にも見せていましたね)のコスプレをしていて(というかその衣装を手作りして、寝たのが当日の午前4時)、その曲が始まったときの彼女の喜びようもきっちりカメラは捉えています。さすがです……!

 

ライブは中盤に入り「P.T.Aのコーナー」へ。あ~ちゃんが「やってまいりました、P.T.Aのコーナー! リズムに合わせて声を出したり、身体を動かしたりするコーナーです」と紹介しながら泣いているという、非常におもしろ……もとい珍しい画です。

「みんなといっしょに、楽しい時間を作りたい! みんないっしょにやってくれますか?」への大歓声に「ありがとう」と涙声で答えるあ~ちゃん。「小籠包! 小籠包!」ご当地ネタで煽りながら泣くという、なかなか不思議なシーンですが、これも誰も予想しなかった、ドキュメンタリーならではの画です。

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ライヴ本編のラストは、高校生がお母さんに「これお気に入りなの!」と語ったポリリズム。最前列でこの曲を懸命に歌う、彼女の姿が映し出されます。「コンピューターシティ」「love the world」そして「ポリリズム。番組にフィーチャーされた3人の大切な曲が、それぞれに届けられる様が記録されています。

 

自分の好きな人が、目の前で自分の好きな曲を演奏してくれることがライヴの醍醐味です。台湾のファンの姿は、日本のあなたでもあり、私でもあります。国境も言語も飛び越えて、人が何かを共感できる。それが文化芸術の魅力であって、映画「WE ARE Perfume」からも感じられる普遍的なテーマですね。

 

アンコールを終え、楽屋に戻るPerfumeの3人。ほっとしたのもつかの間、かしゆかが「えっ!?」と短く叫びます。場内に残ったお客さんがDream Fighterを合唱しているのです。「え!?」と驚くあ~ちゃん。のっちは忍者のように出入り口に張り付き、会場の声に耳を澄ませています(画的にはなかなかおもしろい)

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実は、視聴者だけはこの展開を知っています。前日のファン同士のパーティーで、みんな「Dream Fighter」を練習していました。この展開と、驚く3人の姿をどちらも観られるのは視聴者だけです。

 

映画「WE ARE Perfume」でも終演後に観客が合唱するシーンはありますが、3人にとって海外でのこんな反応はこの日が初めて。かしゆかは「Dream Fighter』歌ってる!! どうしたらいい?どうしたらいい!?」と、比較的クールな彼女には珍しい切迫したトーンに(つまり感情の吐露に)グッときます。これもまた、ドキュメンタリーならではの画です(しかし、「WORLD TOUR 1st」のDVDでは、このかしゆかの狼狽ぶりは映っていません……)。

 

異国のファンが、どれだけ自分たちが来るのを楽しみにしていてくれたか、改めて感じた3人。かしゆかとあ~ちゃんは涙をこらえきれず、のっちは何とも言えない良い顔をしています。客席の合唱が終わり、歓声が続く中で舞台袖に準備されたマイクに向かって、

あ~ちゃん「みんなー!」

3人「ありがとーー!!」

このときの3人の表情が、本当に美しいです。これもドキュメンタ(以下略)

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終演後、塾の先生、高校生、警察官がそれぞれライヴの感想を語っています。

塾の先生は「3人のとりこになりました」

高校生は「人生最大の想い出になりました。将来は日本語をがんばって、日本の大学で勉強したいです」と言っています。当時高校2年生、2015年のいまは、どこで何をされているのでしょうか(映画「WE ARE Perfume」の台北会場でも彼女はしっかり映っていましたが)。

警察官はPerfumeはすでに、アイドルの域を越えています」「彼女たちがいるから、すべての仲間の心が繋がっています。このひとときを共有できて、本当に感謝しています」水を差すようですが、そういう魅力がある人こそ、アイドルなんだと僕は思いますよ!

 

その後の香港、韓国はバッサリと省略され、ツアーの最終公演地である11月23日のシンガポール。映画「WE ARE Perfume」でもシンガポールはフィーチャーされましたし、3棟のビルが巨大な船を支えているアレもまた出てます。

 

シンガポールでは、ファンとのミート&グリートの模様が映ります。かしゆかと話す14歳のメガネ男子、Perfumeのことは「YouTubeで知った」とか。その後のワールドツアーすべてに言えることですが、やはりPerfumeのブレイクとYouTubeの世界的メジャー化の時期が重なったのは本当にラッキーだったと思います。なおこの少年、緊張して目の前のかしゆかと目を合わせられず、かしゆかが彼の肩をがっちり掴んで「目を合わせてー!」と言うので、彼の中で何か外れたと思われます。

 

ミート&グリートに来ているのは現地の男性が多いのですが、なぜかみんなこぞって朴訥とした風貌で、ガチガチに緊張 or 照れまくりです。映像を見るだけで手に汗握ります。参加者には相当いかつい野郎もいますが、あ~ちゃんを前にして驚異的に照れまくり、完全に手玉に取られています。絶対にいい奴だな、彼は……!

◇WORLD TOUR 1st 最終日

11月25日、シンガポール公演の当日。会場前には、東南アジアオセアニア諸国から来たファンが集結。

インドネシアのファン「僕らがPerfumeを好きなのは、情熱的で忍耐もあって、みんな魅力的だからです」

フィリピンのファン「Perfumeのファンクラブがフィリピンにもあります。いつかフィリピンにも来て下さい」

マレーシアのファン「ずっと輝き続けて下さい!(Please shine on, Perfume!)」

またオーストラリアのファンも来ています(映画「WE ARE Perfume」にも!)。

 

そのころ、3人はリハーサルの真っ最中。しかしまだ、ラストの曲を決め切れていません。アジアツアーを締め括るのにふさわしいのは「Puppy love」か「MY COLOR」か……

 

あ~ちゃんは、曲の意味合いも含めて「MY COLOR」をラストにしたいようです(実際、スマートフォンYouTubeを見たりして、Perfumeを知った人も多いはず)。しかしサビの振りがちょっと多いことを心配していて、それは上述のミート&グリートで、ほとんど日本語が通じなかったことが原因です。

 

「今回のツアーでいちばん日本語が通じんくて、厳しい。どうじゃろう………………いや、でもね、信じていいと思う。ファンの人を信じていこう

 

 

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そして迎えた開演時刻。ステージ衣装に着替えた3人が「がんばるぞ、オー!」の気合入れを行います。ちなみに気合入れからの長い沈黙は、映画でおそらく初めて見せていますね(テレビやDVDでは途中カットされています)

 

シンガポール公演はウメさん(映画でも……?)の見事な通訳も挟みつつ、順調に進みます。ライヴのダイジェストを経てアンコールへ。あ~ちゃんのMCが入ります。

「海外進出に踏み切るには勇気が必要だったけど、Perfumeはいま行くしかないよ!と背中を押してくれる人が、深く愛してくれる人が、近くにいてくれました

これはきっと、いや間違いなく、徳間ジャパンのスタッフのことを指しているのでしょう(この件は以前ライヴのMCでも言及していました)。

 

「本当に、ここに立つまでにいろいろあったから……凄く、凄く嬉しいです」

 

海外に行くという夢を叶えるために、Perfumeは長く所属した徳間ジャパンと、そのスタッフの元を離れました。〈新しい場所で、うまくやっていけるかな〉という不安も(※ユニバーサルと海外進出という二つの意味で)あったはずですし、だからこそ、初の海外ツアーに手ごたえを感じられたことが、何よりも彼女たちにとって嬉しかったはずです。

 

そしてその勇気と決断が、3度のワールドツアーと映画「WE ARE Perfumeにまで繋がっているのです。

 

そして、迷いに迷ったアンコール曲「MY COLOR」へ。まあ普通に超盛り上がってましたけどね!!!

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※「WORLD TOUR 1st」のDVDを見ていたら、かしゆかに「目を見て!」と言われた14歳のメガネ男子もしっかり映っていました

 

番組の最後を飾るナレーションは以下の通り。

「広島で誕生したPerfume。より大きな舞台で活躍することをめざした3人の想いが、いつの間にか世界へと広がっていました。彼女たちはその陰に、3人の成功を願う、応援してくれる多くの人々の存在があることを、胸に刻んでいます。

そんな想いを胸にスタートした、今回のアジアツアー。Perfumeの3人はそこで、彼女たちを愛し、国や言葉の違いを越えて繋がり合う多くのファンと出会いました。Perfumeにとって、世界という夢の舞台は、想像を越えて、さらに大きく広がり続けています」。

 

この番組はPerfume海外進出の最初期の記録であり、構造やテーマにおいて、映画「WE ARE Perfume」のプロトタイプ、前日譚としても位置付けられます。海外進出を、ファンの目線を通して描くことで、Perfumeをひとつの〈現象〉として捉えている語り口も映画と重なります。

 

「ドーム5万人ライブへの挑戦」とはまったく異なる切り口で、Perfumeの凄さを描いてみせた、これまた工夫と発想の詰まった名作ドキュメンタリーであり、映画公開を機に、改めて広く見られてほしい作品です。

 

残るはPerfume×Technology」、そしてPerfume LIVE at NHKです。映画の公開中に終わるのか……?