※今回は少し趣を変えています(Perfumeネタは少なめです)が、お目通しいただけましたら幸いです。
※まずないと思いますが、万一関係者の方がご覧になる場合「あー、Ultra行かないからってひがんでるんだなー」と思って下さい。
Ultra Japan 2015、全券種ソールドアウト! 関係各位、おめでとうございます!
ついに日本でもEDMが大ブレイクですね!
ヨーロッパでのEDM人気から7~8年、アメリカからも4~5年は遅れてしまっ……うんそんなの関係ないですよね!!! しかもBeatportのチャートとか見てると、いま日本で持て囃されてるような王道のビッグルーム・ハウスは曲がり角に入ってる気もしますけど、関係ないですよね!
あれ……?
Ultra Japanの3日券って39,000円もするんだ……? 僕が2014年に行ったアトランタのTomorrowWorldは、円換算して3日券で37,000円くらいでした(まあ手数料が恐ろしく高いですが)。
↑TomorrowWorldのチケット購入明細
うーーーん、TomorrowWorldはステージが8つあって出演者もわんさかいたけど、Ultra Japanはステージたった3つでこの値段はおかし……いやいやいや! 日本は極東アジア圏なのだから、はるばる欧米からたくさんのDJが来日するんだし、ステージセットとかの輸送費も高くつくだろうし……
あれ、極東アジアといえば2013年にUltra Koreaも行ったな……
↑Ultra Koreaのチケット購入明細
当時はいまより円高ウォン安のため、2日券で11,000円(1日あたり5,500円)ってところでしょうか。なお早割ならもっと安く、翌年のUltra Korea 2014は、2日券の早割で6,500円(1日あたり3,250円!)でした
2013年のUltra KoreaはAvicii、Armin Van Buuren、Afrojack、Kaskade……結構豪華です! Ultra Japanと見劣りしません。
この年は日本よりPerfumeも参加しており、
まあなかなか悔しい結果に終わったのですが、何もかもが懐かしいですね…
◇Ultra Japanのチケットは割高?
さておき、これらの海外EDMフェスと比べて、このUltra Japanのチケット価格設定はどういうことだろう?と思うと、2つの要因が考えられます。
<1:DJのギャラ高騰>
日本になかなかEDMブームが来ないうちに、
海外のEDMマーケットが異様に巨大化。中規模のものから数十万人規模までEDMフェスも多発&大盛況し、
人気DJの取り合いで出演料が高騰。
DJ1本のギャラで何百万円、何千万円と、完全にバブル化しています。
さらに日本の為替は
アベノミクスによる金融緩和を行ったことで一
気に円安に振れましたので、
海外のDJを招聘する場合はダブルパンチです。
とはいえ、Ultra Korea 2015でも1日あたり6,000~8,000円とかなので、Ultra Japanの1日で13,000円は韓国のほぼ2倍……。
<2:Ultra側が決めている>
開催国の物価や、ポピュラーなフェスティバル~
イベントのチケット料金を元に、
本国のUltra側が料金を設定している可能性もあります。
だから
フジロックや
サマーソニックよりちょっと安い、と。
その2つと比べて出演者かなり少ないのに。
もっとも最初から高い価格にすることで、
〈いまいちばんイケてる、価値の高いフェス〉として、
参加することがステータス!な位置づけにする
ブランディング(むしろ
マーケティング)
効果もあるかもしれませんね。
そのうえほとんどの日本人はEDMフェスの経験が乏しいため、これくらいのメンツなら大体いくらくらいだろ、という相場がわからな……いやいやいや邪推ですね!
僕はこの出演者数で、1日8500円程度なら行きたいです。
◇個人的にもっとも奇妙な点
Ultra Japanホームページの「ABOUT」をご覧下さい。
はて、それではULTRA JAPAN 2015 実行委員会って誰なの? このラインナップは誰がどう決めているの?という話になってきます。開催の主体や規模がさっぱり見えません。これは何か表沙汰にできない理由でもあるのか?と勘ぐってしまいます。というか実はどういう会社が積極的に関わっているか耳にしていますが、それは書けません。
ですので、〈ULTRA JAPAN 2015の推定経済効果は約95億円〉みたいなニュースが、2015年の6月(まだ開催してない)時点で発表されていて、なんか妙だな?と思ったのですが、そこも「ああ、あの業種だから……」と合点がいきました。
◇まとめ的なもの
以上、いろいろ
文句気になる点を書き連ねてきましたが、
いいんですよ! チケットがいくらだろうと、開催の主体が謎だろうと。
Ultra Japan実現に向けて、
日々大変な業務をなさっているスタッフの方々のご苦労は重々お察しし
ております。海外の超人気フェスの
フランチャイズなので、
どうしても向こうの意向が強い部分、
なかなか
日本サイドの思うようにいかない部分も多いと思います。
それでもこのイベントが無事に開催されて、お客さんやスタッフの方々に怪我も事故もなく大成功してくれれば、それがいちばんです。
そしてその先に、EDM……だけじゃなくてダンス・ミュージックそのもののファン、DJやクリエイター、スタッフ、そして評論(重要)が増えて、クラブ・カルチャーを含む日本の音楽マーケットの裾野が広がり、豊かな音楽文化に繋がってくれることを心から願っています。
EDMブームを仕掛けて〈売れるうちに売っちまえ!〉的な、一部の人たちだけが潤って、あとはEDMが単なる流行モノとして(まあ残念ながら流行モノなんですが……)短時間で安直に消費し尽くされることのないようにとも、心から願っています。
まあ9月21日のUltra Japan最終日、
僕はPerfumeのO-WEST公演に行ってますけどね!!!