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R.E.P

Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第55回 PAとは

いつもはPerfumeの楽曲やライヴについて、あーでもないこーでもないと言ってるブログですが、今回はPerfumeのライヴにおいて欠かせない要素のひとつ、PAについて書きましょうか。

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PA=?

いきなりですが、PAの正式名称をご存じでしょうか?

 

 

 

〈拡声装置〉を意味する、Public Adress Systemです。

ライヴ会場に設置された、スピーカーなどの音響機材がPAシステム。

その機材を駆使し、会場で鳴らされる音を作り上げるのがPAエンジニアです。

音楽業界ではこれらをいっしょくたにしてPAと呼ばれますね。

 

ではどこまでがPAシステムか。厳密に言えば、ステージ上で出ている音を増幅するための機材……マイク、アンプ、モニター(ステージに立つ人が自分の出して いる音を聴くための)スピーカー、客席用スピーカー、そしてそれらの音を調整するミキサーが含まれるはずです。

が、ここでは〈ステージで鳴っている音を観客に伝えるシステム〉。という大まかな認識で書いて行きます。恥ずかしながら私はこのへんド素人なので、詳しい方のつっこみを切望しております。

 

ちなみにPAトリビア(懐かしい…)として、以下の2点をお伝えしましょう。

1:日本のコンサートでPAが使用されるきっかけは、The Beatles

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1966630日~7月2日のビートルズ日本武道館公演では、なんと日本にまだPAシステムが存在しません。ヴォーカル・マイクと、アンプ/ドラムスに立てたマイクだけで大観衆と向き合っています(なお、この時のビートルズの機材はUKから持ち込まれたVoxで、当時の日本製スピーカーとは桁違いの出力だったそう)。

モニタースピーカーもないため、そのころのビートルズ「アメリカでは観客の絶叫で自分たちの演奏が聞こえなかった」そう。それと比べると日本の観客は静かだったとか。

さておき、日本で初めての1万人超の大規模公演ビートルズ日本武道館であり、それ以降は大型体育館や球場などでのコンサートが一般化。音響や照明の機材、舞台美術、演出等が進化していき、現在に至るのです。ビートルズが日本の興行史を変えたわけですね。

 

2:日本で初めてPAシステムの会社を作ったのは加藤和彦さん

69~70年ごろ、サディスティック・ミカ・バンドUKレコーディング(すげえな)でロンドンを訪れたトノヴァンさん(加藤さんの愛称)が、「その頃日本には機材とか今でいうローディーとかPAがなかったため、PA機材を大量に購入、日本に持ち込みライヴで使えるPAシステムを構築。しかも初めてモニター系統を(場内に流す音と)別に作ったのもトノヴァンさんたちだそう!

そしてトノヴァンさんが日本で最初のPA会社・ギンガムを設立されました。その当時、まだ22~23歳だったそうで、空恐ろしい話です。

こちらはMusicman-NETの加藤和彦さんインタヴュー(超おもしろい)から引用させていただきました。

 

PA エンジニアの役割

PAシステムの話はこれくらいで(逃げて)、ここからが本題。

PAエンジニアとは、音響機材のセッティングによるPAシステムの構築、そしてステージ上で鳴らされたサウンド(そして歌や演奏の信号)が送られてくるPAミキサーを操作し、音を増幅して、スピーカーから出力する仕事です。

 

え? ステージ上の音をただデカくするだけでしょって? いえいえ、それだったら無能で知られる私にもできてしまいます。

 

 

PAエンジニアの役割は、ステージ上で鳴らされた音を、その会場の隅々まで、バランスの取れた良い音で届けること。そのためのシステム構築とミックスだと思います。

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その音はあくまでナチュラルかつクリアで、しかもミュージシャンの持ち味を最大限に引き出し、最高の状態でお客さんに届けられます。

 

書くのは簡単ですが、これは高い技術と豊かな経験、優れた音楽的センスに裏打ちされた職人技です。音響工学の知識、楽器の特性や、そのミュージシャンの音楽性についても熟知していなければなりません。

PAエンジニアはそれらのスキルを元に音を作り出す、クリエイティヴな仕事と認識しています。

 

バンドなら一人くらいいなくてもライヴはできますが(ホントかよ)PAがいなければ音を増幅できず、規模の大きなライヴは不可能です。

 

Sound Of Music

ステージ上で、ミュージシャンの出す音は毎日違います。

そもそも会場ごとで、空間の広さや構造、残響などの環境がまったく異なります。

しかも、人間は音を吸収するので、無人の会場での音と、大観衆が詰めかけた会場での音はまったく変わってきます

 

これらの状況を踏まえつつ、その日のミュージシャンと観客にとって、どんなサウンドがベストか。どういう音を作れば、演者は最高の気分でパフォーマンスし、お客さんは心から音楽を楽しんでくれるか。

 

それを追求するために、理想的なPAシステムを構築し、ライヴ中にはステージ上で鳴っているありとあらゆる音を、その音量・音質・音域を整え、バランス良くミックスする。状況が変われば即座に対応、常に良い音をキープし、すべての人に届ける。それがPAエンジニアの仕事です。

 

ちなみにPerfumeのライヴでは、進行に伴って音量が段階的に上がっていきます。それによって観客のテンションをコントロールするわけですが、これもPAならではの演出です。

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このように、ライヴに絶対欠かせないPAエンジニアですが、大抵のお客さんは「会場の全員」が「良い音」で聴けるのがあたりまえと思っているはず。

できてあたりまえなこと、しかしその裏でPAエンジニアはこんなお仕事をされている……そう考えると、ライヴでの楽しみ方もちょっぴり変わってくるのではないでしょうか。

 

ただ「透明人間」……じゃないや、Too Many Gain〉な、爆音なら良いってもんじゃありません。

そして最高のサウンドを鳴らそうとして下さる方々の志があるからこそ、ライヴはおもしろいし、かけがえのない体験になるのだと思います。

 

 

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