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Perfumeに特化した音楽ブログ。深掘りはしても深読みはしません

第49回 佐々木敦規さん×真鍋大度さん対談

雑誌「オリジナルコンフィデンス」2015年新年号の特集として、以下の対談が組まれていました。

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佐々木敦規氏×真鍋大度氏「進化するライヴの感動体験」

佐々木さんは本来テレビ業界の方ですが、いまはももクロのライヴ演出も手掛け、バラエティー番組やプロレスなどの手法を採り入れた、カオス&プライズなライヴ演出で独自性を発揮しておられます。

そして真鍋さんPerfumeを筆頭に、テクノロジーを用いたライヴや映像の演出、プロモーション、インスタレーションなどを行うプログラマーにしてメディア・アーティスト(説明不要でしょうけど)。以前佐々木さんが、オリコン誌の取材中に真鍋さんの名前を挙げたことで、今回の対談に繋がったそうです。

 さて肝心の対談内容ですが、当然ながらオリコン誌は〈禁無断転載〉ですので、以下はあくまでも〈引用・抜粋〉ということで……関心のある方は、バックナンバーをお求め下さい!

 

[ライヴの未来はどうなる?]

佐々木さん
・真鍋さんの「electric stimulus to face」などの試みを観ていると、新しいライヴのカタチが発見できそう

 
真鍋さん
・ライヴの未来として、コミュニケーションのあり方は変わるだろう
・今後はスマートフォンを利用した演出が増えるのでは。アプリやWebと連動し、バーチャル世界とリアルなステージの融合が進むはず
スマホ双方向なメディアとして使いやすい

[テクノロジーは万能?]

佐々木さん
・テクノロジーに頼りすぎるのもどうか。根本は人間力であるべき
ももクロの国立競技場ライヴは、聖火点灯の演出で真鍋さんにも相談したが、結局は観客全員で点灯のポーズを取るというアナログなものにした
・いかにお客さんに能動的に参加してもらい、想像力を刺激するか。そのためには説明しすぎないのも大切
 
真鍋さん
・ 語りすぎないのは大事。バーチャル世界に人工知能(AI)を持たせたPerfumeメンバーを活動させる〈Perfume World〉のシステムは、「エレクトロ・ワールド」ができるまでのストーリーを下敷きにしているが、MIKIKO先生の判断で説明はしなかった。MVと 同じ画面が出るなど、現実世界とリンクさせて、徐々に仕掛けに気づいてもらう
・情報を出しすぎないことでファン同士のコミュニケーションも活性化する。すべて説明してしまうとコミュニケーションは増えない
(筆者注:真鍋さんの〈MIKIKO先生〉という呼称があたりまえのように掲載されてました)

[AIの今後]

真鍋さん
未来のテクノロジーから新しいエンタテインメントが生まれると思う
・今後はAIが実生活にどんどん入ってくる。あらゆる局面でデータを取られ、それがすぐ自分への宣伝に転化するような時代が来ても、それを気持ち悪がらないようにするには
・AIがビジネスモデルになるのはまだ先だが、エンタテインメントの分野ではもっと自由に発想できると思う
 
佐々木さん
・最終的にはテクノロジーとどう付き合うかが問われる
・自分は汗と涙な、昭和チックな発想をするが、テクノロジーとうまく付き合ってハッピーなエンタテインメントを考えたい
・エンタテインメントが、新しいテクノロジーを試す場になっているのが素晴らしい

[テクノロジーとアイデア・演出の関係]

真鍋さん
・自分たちにとって、テクノロジーはいちばん簡単に使えるツール実際、どんなものにも利用できると思うが、大事なのはアイデアやコンセプト。ツールをベースに発想すれば、アイデアが膨らむわけではない
最初にアイデアやコンセプトがあって、そこにテクノロジーを入れ込んでいく。この順番を間違えると、一気につまらないものになる
・複雑なプログラミングやコードを書ける人も増えたが、先端技術に頼りすぎるケースが多い。あまり良くない状況

佐々木さん
・そこで演出家など、プロジェクト全体を仕切る人が必要筆者注:Perfumeの場合はMIKIKO先生ですね)
演出に必要なのは、全体のバランスを取る力。それぞれ異なるスキルを持つ人たちをまとめてひとつのショウを作り上げる過程は、予算や時間の制約も含め、戦いの連続
演出家の仕事は、アーティストの意思を尊重しつつ、すべてのスタッフが最大限に力を発揮できる環境を作ること
・若手演出家が活躍できる場を作っていかねば

[感動体験とは?]

佐々木さん
・シンプルに、〈おもしろいものがたくさんあること〉を伝えたい。ももクロのライヴでフィギュアスケーターを招いたりするのは、アイドル以外にもこんなにおもしろいエンタテインメントがある〉と見せたいから
・2014年夏のライヴでは、ねぶた祭りや阿波踊りを招いた。生で観ると本当に凄いし、予期せぬものと出会うことで気持ちの振れ幅が大きくなる
おもしろいもの同士を、別の視点から組み合わせていくことで感動体験になると思う

真鍋さん
ムロツヨシさんの舞台を見た時、まさに人間が中心にいる感じで、役者の喋るテンポや間だけで成立していた。抽象的なストーリーを受け手が補完する楽しみもあった
・AIが発達し、コンピューターが曲を作って演奏する時代も来そうだが、やはり人間が演奏していないと感動できないと思う

佐々木さん
・目の前にいる人が涙を流せば心を揺さぶられる。それが感情の本質であり、やっぱり〈人ありき〉。演出やテクノロジーはその味付けに過ぎない

対談はこのあとも、
真鍋さん「海外のアーティストは、コンサートではなく〈ショウ〉志向
真鍋さん「日本のアイドルに、新しいショウを作っていける可能性を感じる」
佐々木さん「ショウとしてのブランディングをどう確立していくか」
と続きますが、そのあたりはぜひバックナンバーを購入してお読み下さい!(回し者か)

次回はMIKIKO先生と、写真家の青山裕企さんの対談も一部ご紹介させていただくつもりです。