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Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第33回 Perfume 4th Tour in DOME 「LEVEL3」 後編

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前回のつづき)

MCを挿み、「エレクトロ・ワールド」「ジェニーはご機嫌ななめ」「ワンルーム・ディスコという定番曲ゾーンに入ります。

ただ「エレクトロ・ワールド」は発表当時こそ革新的でしたが、いま聴くとデジロック風味の古さは否めないし、「ワンルーム・ディスコ」もそこまで良い曲とは思えません(※個人の感想です)。でもこの2曲は、ライヴのセットリストに入る率が非常に高い。なんでだろう……と思っていましたが、今回のドームでなんとなく思うところがありました。

この2曲は〈会場が大きければ大きいほど映える〉のです。特に「ワンルーム・ディスコ」は会場後方のミニステージにて歌われるため、アリーナ席の観客は方向転換し、スタンド席の人たちと向き合う。すると、ドームの全景(とメンバーの後ろ姿)が視界に入ります。

その状態で観る、「ワンルーム・ディスコ」のイントロの、大観衆が人差し指を掲げる光景。「エレクトロ・ワールド」で拳を突き上げる群集。壮観でした。その壮観を、誰よりもメンバーが観たいと願っているからこそ、この2曲を常にセットリストに入れている気がしました。

なお「ジェニーはご機嫌ななめ」では、前回の東京ドーム同様にゴンドラ移動からのサインボール投げ大会ですが、メンバーがサンタクロースの衣装を着用していたのがアイドル・ライヴとして特記すべき事項と言えます。そう、これアイドルのライヴなんですよね(画像は公式facebookから拝借しました)

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空を飛び交う光になって

未来のミュージアムを歌いながら、またゴンドラでメインステージに戻るメンバー。そしてここからラストスパート!「P.T.Aのコーナー」から「だいじょばない」「ポリリズム、センターステージに移動してのチョコレイト・ディスコから「MY COLOR」の大団円へ。この曲の歌い出し、あ~ちゃんの〈せーの!〉で会場の全員が一斉に掌をかざす振付は、会場が大きいほど映える最たるものでしょう。

 

今回、幸運にもセンターステージのやや近くでもライヴを観ることができましたが、特に「MY COLOR」は鮮烈でした。視界の右半分に出島があったのですが、メンバーは強烈な光に照らされていて、逆光のために姿もよく見えません。でも、3人が正三角形のフォーメーションで、それぞれの方角に向けて「MY COLOR」を歌っているのがわかります。

 

3人を照らす、強くて明るい光。

 

その光の向こうに見える、ドームを埋め尽くした何万もの人、人、人。

 

そしてその中心で、3人が歌っている。

 

まるで映画でも観ているような光景。3人の姿は実にヒロイックで、ドラマティックでした。音楽のライヴで、まさかこんなに美しい景色が観られるなんて、想像もしていなかった。

指先でつかむのはどの未来?

個人的な話です。僕が初めてPerfumeを観たのは、2006年の暮れ。原宿のAstro Hallというライヴハウスでした。400人も入れば満員の会場で、3人は懸命に歌って踊っていて。あのとき会場にいた人たちで、7年後にPerfumeが東京ドーム2日間(しかも平日)を満員にするなんて、誰一人思っていなかったでしょう。きっと、本人たちでさえも。

でもそれが実現しました。それも〈可愛い女の子が、新しくておもしろい音楽をやる〉という〈アイドル・ポップの魅力〉を追求し続けた、ごくシンプルな理由によって。

 

多くの偶然に助けられて、ファン(これを読んでいるあなたです)に支えられて、優秀なクリエイターが集まってきて、あと幸運なことに事務所も大手で(下世話な話ですが、正直これもデカいと思います)、そしてメンバーのたゆまぬ努力もあって、ここまで来られたんだなぁ。音楽の仕事に携わっている身としてだけでなく、いち音楽ファンとして、本当に嬉しいです。

 

この先、Perfumeがどうなるかはわかりません。それでも今後どうなろうとも、Perfumeというユニークで面白いアイドル・グループがいたことは、日本の音楽の歴史に残ると思いま……って1曲忘れてたよ!!!

come agein, come again

「MY COLOR」が終わると、場内が暗転。本編の終了を察した観客は、さっそくアンコール態勢に入ります……が、いつもなら結構待つところなのに、割とすぐ3人が登場。どうやらこれはアンコールではなく、本編のラストのようです。木琴のような柔らかい電子音とキックが鳴らされ、「Dream Land」が始まります。

メンバーはそれぞれが離れた出島にいて、純白の衣装に、天使の羽根のような飾りを付けています。そしてその羽根に、施される水玉模様のプロジェクション・マッピング。この用途にベストの素材とデザインを探し求めた三田さんチームのご苦労は、いかほどのものだったのでしょうか。

そしてメンバーの肉声で歌われるこの曲の途中で、天井から大量の風船(3人のメッセージ入り)が落ちてくる。ここでも〈夢〉そしてSphereな演出です(まぁ風船は球体ではなく楕円形ですが……)。

曲のアウトロで、メンバーはメインステージへと移動。「Magic of Love」で開いた半球形のドームがゆっくりと閉じていき、ステージが覆われて3人の姿は見えなくなります。そしてそのドームに映し出されるは〈SEE YOU NEXT LIVE〉の文字。

Perfumeチームはすでに次を見据えています。

(つづきます)まだ続くのかよ……