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New Orleans Jazz & Heritage Festivalレポート

えっこれPerfumeブログじゃないの?と思われる向きもあるでしょうけど…PerfumeTシャツでこのフェスに乗り込んだ私がお送りいたします。

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New Orleans Jazz & Heritage Festivalは、アメリカ・ルイジアナ州のニューオーリンズにて、1970年より開催されている野外フェスティバルです。NPO団体のNew Orleans Jazz & Heritage Festival Foundationがフェスのオーナーで、運営には大手プロモーターのAEGが関わっています。
2013年で44回目を迎えるこのフェス、4月26日~28日と5月2日~5日の7日間で、約42万5000人を動員しました。同フェスは毎年、約300億円の経済効果が見込まれるそうです。

◆フェスのラインナップは?
500組以上の出演者が、12か所のステージに登場します。地元ニューオーリンズのジャズやR&Bを中心に、ソウルやファンク、ロック、フォークのほか、ブルースにゴスペル、ザディコ、ケイジャンといったルーツ色の濃いものや、アフロにカリビアン、ラテンなど、同地の多様な民族性に基づく音楽もあり、非常に幅広いです。

なかでもブラス・バンドやマルディグラ・インディアンなど、同地ならではのアクトが目を引く一方、ビリー・ジョエルやデイヴ・マシューズ・バンド、アース・ウィンド&ファイアといったビッグネームも大観衆を集めていました。

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◆お客さんの特徴
客層は男女がほぼ半々。中高年層が5~6割で、それ以外は若者や、キッズも含むファミリー層です。みんな折り畳みの椅子を持ち込み、ゆったり楽しんでいました。バリアフリーも進んでおり、車椅子の観客専用の通路やトイレが随所にありました。

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◆会場の特徴
フェスの会場は、ダウンタウンからシャトルバス(往復18ドル)で15~20分ほどの競馬場。円形の芝生コース上に多数のステージが配置され、回遊やステージ間の移動がしやすいレイアウトです。

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ただし、会場が住宅地の中にあるせいか、どのステージも音出しは19時まで。そしてフェスが早く終わることで、夜にはフェスのお客さんが大挙して街に繰り出し、飲食店やバー、クラブを賑わせていました。

しかも街中に多数あるライヴハウスでは、アラン・トゥーサンドクター・ジョントロンボーン・ショーティといった著名アクト(みんなこのフェスのメイン・ステージに出演してます)もコンサートを行い、毎夜大盛況だったようです(行きたかったけど、そんなライヴがあるなんて、現地に行くまで知らなかった……!)。

フェス期間が終わった後も、地元CDショップでは連日インストア・ライヴが行われるし、ライヴハウス、クラブでも多くのミュージシャンがフェスから引き続き出演していました。フェスを中心にした文化的な盛り上がりを、街ぐるみで長く維持させようという取り組みのようです。

◆「LIVE RECORDINGS」って?

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会場内には「LIVE RECORDINGS」のブースがあり、過去から現在に至る同フェスでのさまざまなライヴ音源が販売されていました(今年の出演アーティストは予約販売)。それらの音源はブース内のタブレット端末で試聴も可能。この音源はネットでも販売されています。これは日本のフェスではまだ難しそうですね…。

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◆音楽以外のアトラクション
飲食ブースでは、ほとんどのメニューがアメリカ南部の郷土料理で統一されており、コンセプトを明確に打ち出していました(ホットドッグやハンバーガーとかは見なかった)。

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キッズエリアは、なんとそこにステージをひとつ作る力の入れよう。マーケットプレイスも大きくスペースを取っており、絵画や彫刻、ポートレートなどのアート作品から楽器やアクセサリー、食器、鞄やキルトといった工芸品を販売。地元ルイジアナを中心に、全米各地のショップが出店していました。

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また、ニューオーリンズの文化をモチーフにしたグラフィティ・アートの展覧会や、ルイジアナの先住民族の資料コーナー、ネイティヴ・アメリカンの文化に関する展示・パフォーマンスが随所で行われていたほか、伝統的な炭焼き鍛冶の実演、ルイジアナ料理の料理教室まであって、地域文化の保存や継承に凄く力を入れているな、と思います。

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◆日本のフェスとの違いは?
一般の前売り券は1日50ドルで、割とリーズナブルでした(当日券は65ドル)。その一方、4日通し券で1200ドル以上のVIPチケットもあり、価格によるサービスの区分けが明確になされています(これはアメリカでは当たり前の模様)。

そしてチケットは「1st Weekend(4月26日~28日)」「2nd Weekend(5月2日~5日)」で区別されていますが、「26日券」「5月3日券」「3日通し券」みたいな日割りはなく、1枚買えば(それぞれの対象期間中なら)どの日でも入場できる共通券です。入場の際はチケット券面のバーコードを読み取る方式でした。

入場者にリストバンドやタイムテーブル、マップなどは配布されず、情報はパンフレット(5ドル)を購入するか、スマートフォン/タブレット用のアプリで確認。同地で人気のフリーマガジン「OFFBEAT」のフェス特集号に付属のタイムテーブルを持参する人も多数いました。

ちなみにステージのすぐ真横、上手・下手にそれぞれ客席があり、お客さんが座っていたのにはさすがに驚きました(NPOの関係者用席のようです)。
ゴミの分別はあまり徹底されているとは言えず、終演後は会場がゴミだらけだったりと、クリーンな会場運営では日本のフェスティバルが大きく進んでいるようでしたね。

さんざん長く書きましたが、またアクト別のレポートも行きます!(需要あるのか)

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