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R.E.P

Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第17回 「MJ presents Perfume ドキュメント 今 世界へ」

2012年の大晦日に無事放送された「MJ presents Perfume ドキュメント 今 世界へ」Perfume初の海外ツアーの模様を収めたドキュメンタリーです。思えば2年前の大晦日も、NHKでは「MJ presents 密着!Perfumeドーム5万人ライブへの挑戦」を放送してくれました。あれも良いドキュメンタリーでしたが、さすがNHK、今回もやってくれましたよ!

 

LOVE THE WORLD

今回のドキュメンタリーの切り口は、〈いまPerfumeが海外でどれだけ求められているのか〉を提示すること。そのため、メンバーではなく海外のファンをフィーチャーした編集がなされていました。Perfume3人のオフショットだったり、ライヴ映像を期待していた人には肩すかしだったのかもしれませんが、しかし、この編集は素晴らしいものだったと思います。

初の海外ワンマンである台湾公演に比重が置かれた作りで、カメラは同地のファンがPerfumeに傾ける情熱や愛情を汲み上げていきます。カメラが写すのは、決してコアなアイドル・ファンや音楽マニアというわけではない、どこにでもいる市井の人々。

その人たちがPerfumeのどこに魅力を感じているのか? なぜ異国の地で、わざわざ日本のアイドルを応援しているのか? なぜPerfumeはその支持を得ることができたのか? 台湾の人たちの言葉やふるまい、それぞれのPerfume観を通して、その答えが浮き彫りにされていきます。一見なんでもない作りですが、実に入念な準備と編集がなされています。これがNHKの番組制作力……!!

また、Perfumeの海外での認知向上に、YouTubeの効果はホントに大きかったのだと実感しました。それにはもちろん〈ダンス〉が大きな武器になっていますが、それは後述します。

 

◆仁義なき振りコピ問題

番組中、台湾の女性ファンが、ファン同士で振りコピをするシーンがありました。ここであえて書きますが、私はPerfumeファンの振りコピに対して、あまり良い思いを持っていませんでした。「せっかくのライヴで、前列の人の振りコピに気を乱された」「そもそもあなたのダンスを観に来たわけではない」「仲間内の集まりでやっていればいいじゃん」とか。実はこれはずっと大声で言いたいくらいだったのですが、このドキュメンタリーを見ていて、ようやくひとつのことに気付きました。

 

海外のファンは、Perfumeの歌詞(=日本語)を理解できるわけではない。

でも、ダンスなら言葉の壁は関係ない。同じダンスをすることで、Perfumeと気持ちを重ね合わせることができる。

以前にも書きましたが、Perfumeのダンスのノン・ヴァーバルな魅力(=オリジナリティ)には並はずれたものがあります。この番組ではそこもきっちり押さえていました。

 

Perfumeはアイドルの域を超えたのか

僕は「Perfumeはどこが良いの?」と訊かれた時、まず「楽曲の良さとダンスのオリジナリティ」と答えています。「3人の人柄が~」とか「努力家で上品で礼儀正しくて~」とかはあくまでもその次、という認識で。メンバー3人への関心がそんなに強いわけではなく、ファンクラブ会員用のブログやムービーなどもあまり見ていません。

それでも、この3人じゃなかったら、いまみたいには応援していなかったでしょう。「音楽とダンス」で随一のクオリティと独自性を保ちながら、メンバーがこれだけファンやスタッフから信頼され、愛され、応援されていることは、まぁありふれた言い方をさせていただくなら、奇跡的なことだと思います。

 

台湾公演終了後、ファンの人が「Perfumeはすでにアイドルの域を超えています。彼女たちがいるから仲間の心が繋がっている」と語っています。

でも、僕にはそれこそが〈本物のアイドルの証〉だと思えてなりません。〈芸能の力〉を磨き上げることで、老若男女に愛され、人々の心を繋ぎ合わせる、本来の意味での〈アイドル〉だと。

 

◆Please Shine On, Perfume!!

今回のドキュメンタリーを見ていて、僕の脳裏にはひとつの光景がずっとよぎっていました。それは1964年の東京オリンピック(※僕もまだ生まれてません、一応)。言うまでもなく、第二次世界大戦の敗戦から驚異的な復興を成し遂げた日本が、ふたたび国際社会の一員として名乗りを上げた象徴的なイベントですが、このオリンピックで最後の聖火ランナーとして、聖火台に炎を灯した若者がいました。彼が生まれたのは、1945年8月6日の広島だったそうです。

もちろんこれは、歴史や当時の時代背景があってこその象徴的なシーンであり、2012年のいま、それを連想させるようなトピックはないのかもしれません。

でも、ヒロシマから世界へ音楽と喜びを届けること。音楽という文化を通して、日本と世界の掛け橋になること。Perfumeの3人がそんな役割を果たしてくれることを、僕は願ってやみませんし、そのことへの期待を持たせてくれる、そんな番組だったと思います。

1年の良い締め括りになりました。制作者の皆さま、ありがとうございます!!!

 

◆余談

僕の好きなシーン。

・女子高生ファンがお母さんといっしょにCD屋さんに行く。店内のモニターに映る「ポリリズム」を見て、「これお気に入りの曲なの!」という娘さんに対して、お母さんが「何でも好きなのね」

・台湾公演、終演後にファンが歌う「Dream Fighter」を聞いて「どうしたらいいどうしたらいい!?」と狼狽するかしゆか

・シンガポールに集まった、インドネシア、フィリピン、オーストラリアなど(!)のファン。その中でも、マレーシアの女性ファンのコメント「Please Shine On , Perfume!」

・シンガポール公演のラスト、「Puppy love」か「MY COLOR」かで悩むメンバー。「MY COLOR」の方が終わり方としては綺麗だし、こちらで行きたいけれど、振りが多くて初見の人には難しいかも……しかしあ~ちゃんが「いや、でも信じていいと思う。ファンの人を信じていこう」

・台湾公演の「P.T.Aのコーナー」であ~ちゃんが感極まって、小籠包ー!小籠包ー!」と泣きながら叫んでいるシーンは特に神掛かっていました!!