R.E.P.

Perfumeに特化した音楽ブログ/音楽に特化したPerfumeブログ

第80回 Perfume in NYC Day1

Perfume初のUSツアーの最終地点として、彼女たちにとって2度目となるニューヨーク公演が、HAMMERSTEIN BALLROOMにて開催されました。

 

初日の9月3日(土)は、前回のようなソールドアウトこそできませんでしたが、1FのGA(スタンディング)は9割近く入っている感じで、2F指定席は完売、3F指定席も7割以上は埋まっていたように見えました。日本からのファンは2割強というところでしょうか?

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私はスタートの20時より1時間ほど前に行きましたが、会場のあるブロックを1周せんばかりの大行列。並んでいる人種も様々です。白人、黒人、ヒスパニック、アジア系などなど。年代も子供からご年配まで。人種のサラダボウルであるニューヨークらしい客層。この直前にワシントンDCで観たブルース・スプリングスティーンの客層と少し通じるものがありますが、Perfumeの観客の多様性はずば抜けています。

 

入場してスタートを待つ間、近くにいた黒人の女性(たぶんアラサー)にお話を訊きました。彼女はおそらく『JPN』の頃にYouTubePerfumeを知ったそう。テキサスから来ていて、SXSWでのショウにも行ったが短かったので、どうしてもライヴを観たくてニューヨークまで来たのだと。

彼女はDJもやっていて、主に回すのは70年代のファンクから最近のR&B、エレクトロニックなものまで。具体的に訊いて、聞き取れたのはParliamentFunkadelicなど。フェイヴァリットはPrinceだそうです。

実はこの日、チェルシーのギャラリー「Pure Space」で開催された展示「Perfume: A Gallery Experience」でも、私は前に並んでいた黒人男性と話しています。彼もまずは音楽ファンで、幅広いジャンルの音楽が大好きで、YouTubePerfumeを知ったのだと。そしてフェイヴァリットはPrinceであると……何このシンクロニシティ

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スミソニアンにあったプリンス追悼の展示。2人にこの写真を見せたら喜んでくれました

 

 

◇New York City Cerenade

20時10分頃、ライヴがスタートします。セットリストなど、詳しくは明日書きますが、正直日本よりもだいぶ盛り上がっているかもしれん、というくらいとにかく大歓声! みんな夢中になって声を上げ、手を挙げ(日本のロック系ライヴのような統一したフリは皆無)、ジャンプしたりダンスしたり。

ただし日本と大きく違うのは、そこにいる人々はみんな人種も見た目も世代も本当にバラバラなことです。微動だにせずじっと聴いている黒人男性。全身で喜びを体現するように踊る白人の青年。『COSMIC EXPLORER』のTシャツを着た中年の黒人女性。お互いの顔を見合わせながら一緒に歌う、雑誌モデルみたいな白人女性の2人組がいて、どう見てもハード・ロック好きなホワイト・トラッシュという感じの兄ちゃん(失礼)が拳を突き上げ、ヒスパニック系の中年女性2人はニコニコしながらステージを見つめる。こんなに客層が多様なライヴは、きっと凄く珍しいでしょう。

 

その一方で日本と何ひとつ変わらないのが、ステージ上で歌って踊って、楽しそうに笑う3人と、姿は見えませんがこの日のショウのために全力を尽くすスタッフの皆さん(日本以上に大変だとは思いますが……)

 

それぞれが当然のように違うたくさんの人たちが、言語も世代も人種も越えて心を重ね、喜び、共感し、楽しんでいる。スポーツや音楽だからこそ生み出せる、晴れやかな光景です。歓声と歓喜、拍手と口笛、無数の手、笑顔が会場に弾けて、爆発的な盛り上がりが何度もピークを迎えました。

 

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その素晴らしい光景の中心にいたのは、他でもないPerfumeの3人で、強力な重低音とビートに乗せたダンスで瞬く間に熱狂を生み出していきます。これまでに何度も書いてきましたが、振付を含めたPerfumeダンスのノン・ヴァーバル(非言語的)な魅力にはずば抜けたものがあり、しかもそれが年々パワーアップして、いまが最も充実しているように見えます。セットや演出のクオリティも含めて、世界のどこに出しても誇らしく思えるであろう、見事なショウでした。

 

◇Two Hearts

最初のMCでは、これまでのワールドツアーでもやっている「今日はここに来られて嬉しいです!」「楽しむ準備はできていますか?」「楽しみましょう!」といった挨拶を英語で。レッスンの成果か、3人とも発音が滑らかになっていました。

そして一旦3人がセットの奥に消えてから、のっちが現れてのソロMC。何を話していたかはさほど覚えていませんが、それはかしゆかが再登場した瞬間の、女性を中心とした「キャァア゛ア゛アアアーーーーッッ!!!!!!」という凄まじいスクリームの衝撃ゆえにと解釈して下さい(どうも現地の人たちは、かしゆかの日本人形的な佇まいにエキゾティシズムを感じる模様)

そして「コスプレしているお客さんはいますかー?」と呼びかけるのっち。「Spending all my time」の衣装を着た白人女性がいましたが、かしゆか役とあ~ちゃん役しかいません。

のっち「You're aa-chan、You're kashiyuka……Where is nocchi?」

かしゆかスペンディンオールタイムノッチィーーッ!!

 

前回のNY公演のMCで著しく目立っていた黒人のサイモンさんは、今回もLED仕込みの純白の衣装で登場。3人組で来ていて、のっち役は若干ボブカット風の黒人女性、かしゆか役がサイモンさん。あ~ちゃん役は、立派な口ひげを蓄えた濃い顔の黒人男性

あ~ちゃん「えっ……Mustache?

のっち・かしゆか「Mustache!!」

会場の全員「lol

いやーここまでばっちりですよ! そして「もっと皆さんと話したい」ということで、お客さんの中から通訳してくれる人を選ぶことに。今回Perfumeが選んだのは、〈Pick Me Up!日本語OKです〉と書かれた黄色いボード(可愛らしい3人のイラスト入り!)を掲げた、アラバマ?フロリダ?忘れてしまいましたが、そこから来たという30代くらいの女性です。

◇No Surrender

あ~ちゃんの「昨日ステーキ屋さんに行って、そこで食べたTボーンステーキが凄く美味しかった!アツアツでね~」という話の〈凄く美味しい〉をSuper yummyと訳してくれて、メンバーも気に入って口々に「スーパーヤミー!」「スーパーヤミー!」と連呼。(私もライヴ直後に行ったレストランで、店員さんに「料理はどうだった?」と訊かれ「Super yummy!」と答えたら、「スーパーヤミー!? ワオ、それは最高だな!」と歓迎してくれました)

また、かしゆかが雑誌「Nylon」の話をしたり、「Perfume: A Gallery Expeience」の話や、そこで置かれていたダンスヒールのこと、Perfumeのヒールの高さは8.5cmで、インチでいうとどれくらいか、16インチ?(注:1インチは約2.5cm)などいろいろ話していましたが、実は通訳の女性は日本語がそこまで堪能ではなく、途中からスムーズな英訳がなされない部分もありました。

そのたびに3人は「落ち着いて! 大丈夫、一緒に伝えよう!」と励ましたり、英語交じりで話したりとサポート。あ~ちゃんは「でも、あんなボード掲げた以上はやってもらわにゃいけん! 私たちも日本から来てるから!」と冗談半分で厳しめの対応。しかし通訳の女性も結構なパニックに。察する限り、彼女の心理としては、

ライヴ前:ふう、やっとボード書けたわ! 3人は見てくれるかな。もし私が選ばれたらどうしよう! わくわく

        ↓

MC中:どうしよう!選ばれちゃった!! 嬉しい、がんばって翻訳しよう!

        ↓

MC中:あれ、これどうやって訳すればいいんだろう? すごく難しい! 3人はサポートしてくれるけど、どうしよう? いけない、また失敗しちゃった!

        ↓

MC後:ああ、うまく翻訳できなかったわ……

 

ライヴ中や、終演後に彼女がどう感じていたかはわかりませんが、この心理的アップダウンの尋常ではない高低を想像すると、泣けるものがありますね……

個人的には、上手な通訳がもちろんベストですが、この危うさもライヴならではですし、それを3人がフォローする様も観られました。通訳の彼女がライヴを楽しんで、その後もくよくよしないでいてくれたらいいですね(まあ、堂々とあのボードを掲げられる時点で、基本ハートの強い人なんだろうと思いますが)。

 

その後、P.T.A.のコーナーも。ここでは非常にタイムリーかつ異常に力の入ったネタがありましたね。何というサーヴィス精神……!!

 

◇Reason to believe

最後のMCであ~ちゃんは「マディソン・スクエア・ガーデンでライヴをしたい」と、その当地で改めて公言しました。英語で「私たちの夢が、皆さんの夢にもなってくれたらと思っています」。大歓声で応えるお客さんに、あ~ちゃんは「We believe in you」と。その言葉はきっと、会場にいた全員の胸に刻まれたでしょう。

そして「明日もライヴあるから……See you soon!!」とちゃっかり翌日の公演のプロモーションをして(※まだチケット売れ残ってるから)、ライヴは幕を閉じました。

 

◇I'm Going Down

とまあ素晴らしい公演だったのですが、これは書いておかないと。この日の午後、私はこんなツイートをしています。

しかしいざ公演が始まると、舞台上のスクリーンに映し出されるのは、最前列(補足:の一部)に陣取る日本人たち。私が会場前を通りがかったとき、あなた方は待機列にいなかったよ? 思い返せば、確かに持ち主のいない椅子がたくさんありました。そりゃお手洗いに行ったりもするだろうし、たまたま列を離れていただけかもしれません。でも、いくらなんでもあれだけの人数が、揃っていなくなるものかね……

 

彼らがどういう思いでUSツアーに臨んでいるかはわかりかねますが、Perfumeがなぜ海外でツアーをやるかというと、海外の人たちにもライヴを観てほしい、楽しんでほしいから、のはず。そもそもメンバーの立場で考えてみれば、最前列に陣取る日本人を見て「こんなに遠くまで来てくれて、一番前で見てくれて嬉しい!」なんて思うでしょうか……ってそういうあたりまえの発想がないから、こういう振る舞いができるんでしょうけどね。

それは愛情ではなく、幼稚さの表れです。もっとも彼らは、このブログなんてまず読んでいないでしょうけどね……笑

 

◇Dancing In The Dark

さて気分を切り替えて。私は会場の後方、端っこから場内の様子を見ていました。この位置からだとステージも見えるし、会場全体も見渡せます。お客さんはどんな感じで楽しんでいるのかな、どの曲が人気あるのかな、とちょくちょく視線を巡らせていました(それが前半の客層描写にもなっています)。

すると、私の目に留まったのが、2Fの指定席にいる白人の男性。白髪で黒縁のメガネ、グレーの『COSMIC EXPLORER』Tシャツとジーンズという、人種が違うだけで日本にも大量にいるであろう、〈温厚そうなおじさんタイプ〉のPerfumeファンです。

 

ライヴの序盤では特に彼を認識していませんでしたが、途中で自席から通路に出てきて、タコ踊りのようなダンスを披露(このへんから俄然注目し始めた)。メンバーの振付とは何一つシンクロしていないダンスのおじさんは徐々に通路を前進し、気付けば2F通路の最前に。とにかく楽しそうで、ライヴが終盤に差し掛かると、そのダンスもハードになっていきます。「○○○○○ ○○○○○○○」のときなどはもう完全にヒートアップし切って、もはやステージ上のPerfumeには完全に背中を向け、近くにいるお客さんを煽りまくるおじさん! なんかすげえ!! その勢いのまま、ラストの「○○○○○○ ○○○○」へ突入!! さあ、おじさんのダンスは!!?

 

 

えっ…………?

 

微動だにせず、スマホでステージを撮影している?

 

なぜいま?

よりによって最後の曲で?

今日いちばん熱いダンを披露して然るべき場面じゃないの……?

 

「この期に及んで」を英語で何と言うかわかりませんが、まさにそうとしか言いようのない思いでした。

 

とまあ、そんなおじさんを筆頭に、多種多様なPerfumeファンが思い思いにライヴを楽しむ光景こそ、USツアーの醍醐味だと感じました。

 

さて、USツアーも残すところ1公演です! Let's have fun!!!

第79回 Perfume on Billboard

アメリカでもっとも有名な音楽メディアであろうBillboardのwebサイトにて、Perfumeのインタヴューが掲載されました!!

www.billboard.com

(以下、8月22日追記)

皆さんに朗報です! その英文インタヴューの起源である日本語版(あたりまえ)が、ビルボードの公式サイトに掲載されました!

www.billboard-japan.com

いやーまさか、和訳をアップした翌日に公式が来るとは読めませんでしたよ……そりゃ日本でインタビューしてますよね、考えてみれば。

ということで、とても良い記事が正確な日本語で読めますので、うっかりこのページに迷い込まれた皆さんはこちらをお読み下さい!!

 

(追記以上。以下はまあ、なかったことにして下さい笑)

 

 

〈U.S.-Bound Perfume is Enjoying the Sweet Smell of Success〉というタイトルは、〈USへ向かうPerfumeが楽しむ、成功の甘いカオリ〉とでも訳しましょうか。ライターはJIN OTABEさん。BillboardにおいてはContributor、寄稿というお立場のようです。

 

『COSMIC EXPLORER』ツアーを振り返ってメンバーが語る記事は、いまの時点であまり多くありませんし、日本国内の音楽雑誌やニュースサイトにありがちなライターの思い入れ押しつけ系3人の物語性&絆ごり押し系(他に書き方ないのか)とは異なるフラットな採り上げ方で、優れた記事です。

これ、英語圏のファンにしか読まれないのはもったいないな、と思って今回そっくり日本語に訳しました。まさか和訳で5000文字行くとは思わず、途中でかなり後悔しましたが……ご覧下さい!

 

◇U.S.-Bound Perfume is Enjoying the Sweet Smell of Success

8/19/2016 by Jin Otabe

メジャー・デビューから10年、Perfumeは止まることなく進化を続けている。彼女たちは〈宇宙探索〉という叙事詩的なテーマの『COSMIC EXPLORER』を引っ提げてのツアーの途中だ。先のワールドツアーから2年、あのマディソン・スクエア・ガーデンでのパフォーマンスを夢見る3人が、まもなく再度のUSツアーへと乗り出す。9月3日と4日の2日間には、MSG公演が予定されている(※筆者注:原文にこうあって目を疑いましたが、もちろんMSGではありません)。来たるべきツアーに彼女たちは何を思うのか? 彼女たちの新たな旅の前に話を訊いた。

 

――8月末からUSツアーが始まりますね。日本での『COSMIC EXPLORER』ツアーはいかがでしたか?

かしゆか「ツアーはするほど楽しいですね。今回は、私たちがいままで行ったことのないいろんな会場に行くことができて、たくさんのものを探索できました。まずはそれですね」

のっち「毎回セットリストを変えて、それが私たちにも新鮮だったし、楽しかったです」

あ~ちゃん「成熟したのかなって思いました。以前は〈ツアーだったらこうせんといけん!〉という固定観念に囚われてきたけど、そこからは成長して緩くできたというか、〈そんなに難しくせんでもええよ〉って自分たちに言えるようになりました。それは成熟したといえるかなって」

 

――『COSMIC EXPLORER』の曲が、ツアーの方向性を変えた印象はありますか?

かしゆか「最初のツアー用セットリストでは“Miracle Worker”は入っていなかったんです。あの曲は他とかなり違うし、合わないかなって、自動的にセットリストから外していました(筆者注:ヤスタカ……)。でもファンの方々と行ったキャンペーンの一環で、皆さんが書いて下さるニュー・アルバムのライナーノーツを見たら、“Miracle Worker”がものすごい人気で。私たちのクルーでこの曲を愛している人もいたから(筆者注:確実に真鍋さん)、これはライヴでやろうって決めたんです。この曲をやると、お客さんがもう凄い歓声で大盛り上がりで。あんなの初めてでした」

あ~ちゃん「“COSMIC EXPLORER”という曲は、アルバムのタイトルになるくらい力強い曲なんです。なので、最初みんなの頭にあったのは〈この曲、セットリストのどこに入れよう?〉か〈どういうパフォーマンスにすればいいのかな?〉でした。でも結局は、歌に重点を置いて、セットの中心に置く代わりに、パフォーマンスはシンプルにそぎ落としたものにしよう、という結論になりました。そうしたら、その静けさがお客さんの興奮を引き出して。あの曲は毎回凄い盛り上がりでゾクゾクしましたね」

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Perfume

Kevin Estrada

 

――今度のUSツアーでは、これまでのワールドツアー、そして特にアルバムツアーとはどう違うものになりそうですか?

かしゆか「以前のワールドツアーなら、私たちが演奏したい曲をなんでも選ぶことができたので、海外で人気のある曲や海外のお客さんに聴いてほしい曲を優先できたんですけど、今回のUSツアーでは『COSMIC EXPLORER』のほとんどの曲を、アルバムコンセプトの実証としてやります。日本国内と同じ内容で海外でもツアーできたらなってずっと思っていたので、『COSMIC EXPLORER』ツアーの一環としてUSツアーができるのは凄く嬉しいです。でも、海外の皆さんはアルバムの曲に親しんで下さっているのかなぁとちょっと不安ですね」

 

――今度のツアーではロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークを回ります。これまで行ったことのない都市も多いですよね?

かしゆか「はい、サンフランシスコとシカゴは初めてです」

のっち「前回のUSツアーではLAとNYでライヴをしたんですが、たくさんの方が他の都市からも観に来て下さったんです。アメリカ在住で、私たちを観るためにNYまで来られて〈初めてNYに来たよ!〉という方もいて。アメリカって大きいな!って思いました」

かしゆか「〈初めてNYに来たんだけど、どこに行けばいいかな?〉って訊かれてびっくりしたもん笑」

のっち「えーホントに!?笑 アメリカで私たちのライヴを待っていて下さったファンの方々と会えて、幸せでしたね」

かしゆか「あたしが気になるのは、サンフランシスコとシカゴのお客さんは他の都市とどう違うのかなって。これは個人的な考えですけど、LAやNYのお客さんは普段からコンサートに行っていて、〈ワーオ!!〉って盛り上がり方があっても、サンフランシスコやシカゴでは静かで親密な感じになるのかなって……えーと」

 

――皆さんの心の中で、アメリカでのライヴは特別な位置にあるようですね。前回のUSツアーのLAで海外デビューを決心して(筆者注:妙な訳ですが、なるべく原文のとおり訳したつもりです)マディソン・スクエア・ガーデンを目標にしています。USツアーが始まることをどう感じますか?

あ~ちゃん「簡単に到達できない目標を設定したことにちょっと後悔はあります。でも、3年前と比べたらずっと多くのファンの方々がサポートして下さっているから、実現に近づいていると思います。マディソン・スクエア・ガーデンに立ったことのある日本人アーティストはいても、2日間アリーナ規模の公演をした人はいません。いままで誰もやっていないことに挑戦し続けたいんです。

もし私たちが目標を実現して、それで皆さんをインスパイアできたり、日本人であることを誇らしく思ってもらえるようになったら、超カッコよくないですか? それはポジティヴなサイクルで、私たちの夢が他の皆さんの夢になれば、それで私たちも強くなれる。私はpumped(筆者注:うまく訳せません。仕上がってる、的な?)だし、本気でMSGを実現したいと思ってます」

 

――今回のアルバムツアーの日程が発表されたときに、USツアーの日程も含まれていました。日本でのツアー中にUSツアーのことも考えていたと思いますが、それに向けて何か準備はされていますか?

のっち「それはもう!笑 3人とも英語のレッスンを始めています。私たち、常にUSツアーのことを考えてますよ。ツアーの前半でたくさんライヴをやって、普通ならそのすべてで満足が行ったんでしょうけど、(USを含む)今回のツアーは違いますね。まだまだ始まったばかりって思います」

あ~ちゃん「私たちは同じ英語の先生から、それぞれ個人レッスンを受けてるんですけど、USツアーの日程が近づいてきて、先生の方が緊張してます」

のっち「先生いつも〈時間が足らない!〉って言ってるね笑」

あ~ちゃん「先生が強調していたのは〈あまり時間はないけれど、最善を尽くします。それまでの間、3人の間でも英語を話すこと!〉って。英語を上手に話せれば、海外のファンの方々ともっとコミュニケーションが取れるんですけど、私たちさぼっちゃって……ツアーまでの過程が前回と同じになっちゃった。でもゆかちゃん(KASHIYUKA)の英語がものすごく上達していて、海外のライヴはゆかちゃんに期待してます笑」

かしゆか「あ~ちゃんプレッシャーかけてくるんです。がんばって勉強してるんですけど、クリアな発音があまりできなくて、だから結局私の英語は誰にも通じない」

あ~ちゃん「でもそれがええんよ(But that’s what I like about you)。可愛く聴こえるもん」

 

――前回のアメリカではIn-N-Out burgersを食べていましたよね。今回はライヴの合間に楽しみにしているものはありますか?

かしゆか「シカゴはピザが有名って聞いてます。〈Deep-dish pizza〉って言うんですか? タルトみたいな」

あ~ちゃん「それってチーズがいっぱい入ってるってやつ?」

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↑おいしそう。この写真はBillboardのサイトとは関係ないです

かしゆか「それそれ! チーズとソースで覆われてるって聞きました。食べたことないので、それを食べて、他のタイプのピザと比べてみたいです。海外ではいつも食べ物が楽しみですね。みんなでベーグル屋さんに行って、おいしいベーグルを選んで、それを自分のトップにしたいです」

のっち「3人で一緒にいろんなところに行けるっていうだけで、もう楽しみです。少しは観光する時間もあればいいですね」

あ~ちゃん「日本だと、私たちが3人でいるとファンの方にはPerfumeってわかると思うんですけど、ひとりでいると気づかれないんです。私たちが一緒にいると、人前では無意識にステージ上でしてるみたいな位置取りをしたり、振付にあるみたいな歩き方をしてるのかもって思います笑」

 

――(そんな習性は)動物の群れのようですね。

のっち「私たち、スイミーみたい笑(スイミーは、レオ・レオーニによる人気絵本のキャラクター)」

あ~ちゃん「ほうね、スイミーじゃね笑 海外にいると、3人一緒に歩いていても誰にも気づかれないから、3人でファンシーなカフェに行ってコーヒーを買って〈持ち帰りで!〉って叫んで、興奮して踊ったりしても、誰にも気づかれない。3人で散歩できたらなって思いますね」

(筆者注:原文では、散歩をstrollって書いてます。まさにHave a Stroll!)

 

――今度のUSツアーが、Perfumeの物語に新たなブロックを築くことになります。これから先の10年や20年を、どう想像していますか?

あ~ちゃん「おもしろい質問ですね。いま、これまででいちばん自分たち自身が楽しめています。私たちは小学校からお互いを知っていて、たくさんの共通点があって。それ以上に10年以上一緒にいて、そこで同じものを見て、経験してきたので、それぞれを凄く理解できているんです。

Perfumeの未来がどうなるか、はっきりわからないし、いつまで続くかもわからないけど、私たちの関係はずっと続いてほしいなって思います。たとえ何があっても、同じ道で繋がっていて……日本の女の子で、私たちみたいな友情を持てる人は多くないと思います

のっち「こういう話を、私たちの家族もいるご飯のときに話すんです。私には、3人がおばあちゃんになっても一緒にいて、同じもので笑ってるところがトータルで想像できてます」

あ~ちゃん「うちらがおばあちゃんって、あんた遥か先を想像しすぎよ!笑」

かしゆか「いろいろ飛ばし過ぎだから笑 私たちは人生の半分以上を一緒に過ごして、普通ではできない経験をして、それを乗り越えてきたんです。他の誰よりもお互いを理解しているから、この先何があっても、一緒に笑って、幸せでいられたらなって思います」

 

――この夏には、Perfumeの展示会がロンドンとNYで開催されます。衣装や舞台作品を展示しているそうですね。

かしゆか「これが実現することに興奮してます。日本では衣装や舞台の一部を見ていただく機会があったんですけど、海外のファンの方々にはそれも難しくて。私たちがいましていることを見ていただきたいんです。Perfumeって3人だけのことだと思われがちなんですけど、その裏にはチーム全員がいて、展示会ではそれを見ていただけると思います。できるだけたくさんの方に来てほしいですね」

 

――最後に、来たるべきライヴを楽しみにしているファンに一言お願いします。

のっち「Perfumeを初めて観る方もたくさん来られると思うので、皆さんに会えるのが本当に楽しみです。アルバムをリピートして、ライヴを楽しみにしていて下さい!」

かしゆか「ツアーは『COSMIC EXPLORER』のものなので、アルバムをできるだけたくさん聴いてほしいです。それと、日本語の美しさを楽しんでもらえたら素晴らしいですね。日本語の表現は間接的だったり曖昧だったりしますが、日本語の響きは皆さんの耳にも楽しんでもらえると思いますし、それがたくさん入っているのが私たちのアルバムです。

もし日本語がわからなくても、私たちのライヴは振付などの視覚面からも楽しんでもらえるはずなので。ライヴに来て、楽しんでもらえることを心から願っています」

あ~ちゃん「まず、USツアーが実現できただけでもすでに夢が叶っているんですけど、そこで爆発を起こすことができたら、本当に忘れられないと思います。ぜひライヴに期待して下さい。皆さんのリアクションを楽しみにしています!」

 

 

◇Sort of regret

ふー、やっと和訳と推敲が終わった……思った以上に時間がかかってしまった。さすがにもう当分やりたくないな……

 

www.nylon.com

いやいや無理無理!!!

第78回 Perfume 6th Tour「COSMIC EXPLORER」

 

 

 

 

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えーと、ネタバレしてもいい、んですよね……?

 

では行きます。アルバム『COSMIC EXPLORER』は、Perfumeメンバーが近未来3部作(2005年頃)で語っていたとおり、SF好きらしい中田ヤスタカの本領発揮な、〈宇宙探索〉というコンセプトで作り込まれた入魂の作品でした。

おそらく、ツアーもアルバムの世界観を表現するものになるだろうし、コンセプトがSFなら、未来的で先進的なRhizomatiksのテクノロジーともきっと相性がいいはず。また新しくておもしろい展開を見せてくれるんじゃないか!?

 

……と期待を高めて、ツアー初日の仙台・セキスイハイムスーパーアリーナに臨みました。

 

 

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◇Take off

さて、『COSMIC EXPLORER』ツアー初日の感想は……

 

 

 

「あれ? なんか、期待していたものとはかなり違ったな?」でした。

 

セットリストはニュー・アルバムの曲こそ多いですが、アルバムのような統一されたコンセプトはさほど感じられません。

新しい曲が続く流れに、サウンドも歌詞も脈絡のない昔の曲が入っていたり、「FLASH」はアルバムのモードを反映したAlbum-mix(こちらの方がひねりも利いていてカッコいいと思います)ではなく普通のヴァージョンだったり。確かに「ちはやふる」でお馴染みなのはそちらですが……

何より序盤にメドレーを入れながら、後半にも〈LIVE3:5:6:9〉で披露済みのすごろくコーナーがあり、あまりバランスが良くないように感じました。メドレーはどうしても曲のブツ切り感が出てしまいますし、すごろくは統一感も何も不確定要素そのものですから、普通はメドレーかすごろくか、どちらかにするのでは……?

 

 

もちろん『COSMIC EXPLORER』らしい、いままでになくダイナミックかつストイックな演出もありましたが、ひとつのライヴの中に〈LIVE3:5:6:9〉と『COSMIC EXPLORER』をミックスした感じで、ライヴ全体としてはまとまりに欠けた印象を持ってしまいました。何より、私が期待していた〈アルバムの世界観をライヴで完成させる〉ようなアプローチではなかったのです。

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もっとも、仙台2日目以降は〈そういうものだ〉と認識してライヴを楽しむことで、やっぱり3人のダンスは年々凄さを増しているし、振付・演出・音響・照明・美術・衣装などのスタッフワークは見事だし、ハイパー楽しいツアーではありました。Perfumeのライヴ・パフォーマンスは、いまがもっとも充実した時期にあることは確実です。

 

◇LEVEL3

それでも仙台での初日が終わった直後から〈なぜ、今回はこういうセットリストにしたんだろう?〉という疑問がありました。おそらく、アルバムのコンセプトを忠実に再現した、斬新で先鋭的なライヴにすることも考えたはずで、それも実現できたはずです。

 

 

でも、そうはしなかった。

 

 

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思い起こせば、〈アルバムのコンセプトをライヴで完成させる〉試みは『LEVEL3』ですでにやっていましたね。今回のツアーはむしろ、2015年の〈LIVE3:5:6:9〉で披露した演出が、序盤と終盤でそれぞれの主軸になっていました。そのうえ、さらにメドレーもプラスした、と。

 

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あくまで憶測ですが、この選択の背景には〈LIVE3:5:6:9〉を観ていない人に加えて、〈今回のツアーで新たに出会うファン〉……つまり、これまでPerfumeのライヴを観たことのない方々の存在があったのではないでしょうか。

今回のツアーでは、Perfumeがこれまで行ったことのない会場が多く選ばれました。やっと自分の地元にPerfumeが来てくれる!初めてPerfumeのライヴを観られる!という人も多いだろうとPerfumeチームは予測したはずです。アメトーーク!」のPerfume芸人とやらもありましたし……

 

 

コアなファンが喜びそうな、アーティスティックに作り込んだ先鋭的なステージではなく、初めてPerfumeを観る人でもその楽しさや独自性が伝わりやすいものを。楽しかった、また機会があれば観たいなぁ、と思ってもらえるようなものを。

だから、たとえライヴの流れや『COSMIC EXPLORER』の世界観を制約することになろうとも、有名な曲をなるべく多く披露したり、メドレーに挑戦したり、この規模のライヴでは普通ありえないすごろくコーナーを再び採り入れて、ライヴにおけるフックを増やそうとしたのではないでしょうか。

 

◇余談

ちなみに〈LIVE3:5:6:9〉の時期に、ちょうど宇多丸さんたちライムスターもツアーを行っており、私もそのライヴを拝見しました。

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ライムスターのツアーでは恒例の、日替わり曲を演奏する〈ミステリーコーナー〉にて、この時はなんと20曲(!!)もの候補曲からルーレット方式で3曲を選び、その場で曲順と繋ぎ方を打ち合わせて、即座にメドレーを作っていました。さすが「K.U.F.U」に余念がない「キング・オブ・ステージ」です。

 

◇NIGHT FLIGHT

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今回の「COSMIC EXPLORER」ツアーも、仙台→静岡を経て、3か所目の福井公演からは中盤の曲順を少し入れ替え、そこに「NIGHT FLIGHT」を追加したことで〈宇宙へと旅立つ〉的な意味合いが補強されるなど、やはりツアー中での改善が目を引きました。すごろくコーナーの曲も結構入れ替わっていたし(仙台では「SEVENTH HEAVEN」が入っていたけどいつの間にかなくなったり、幕張メッセ公演から大きく変更されるなど)。

 

そして何より、不確定要素やハプニングが付き物のライヴにおいて、精度の高さと正確性をとことん追求していくPerfumeらしさを、今回のツアーでも強烈に感じました。

臨機応変な対応が必要なすごろくコーナーはもちろんのこと、会場ごとにサイズの変わる大規模な機構の使い方(と先導するのっちの歩行スピード)、「Next Stage with YOU」でのAR(拡張現実)演出阿波踊り※徳島公演のみ)。

はたまた「Pick Me Up」イントロでの音響と照明とダンスが瞬時にスパークする感じや、そのまま「Cling Cling(Album-mix)」「Miracle Worker」へと全力疾走し続けるタフなパート(おそらく凄まじい体力勝負)などなど、まあこんなライヴをよくできるな!というPerfumeの凄味が遺憾なく発揮されていました。

 

◇Hold Your Hand

とはいえ、アルバム・コンセプトのキーになっている(と思う)「Hold Your Hand」が幕張メッセ公演以降のセットリストから外れてしまうなど、個人的にはとても残念な変更もあったのですが、総じて見れば、こんなライヴはまずPerfumeしかやらないであろうし、創意工夫を凝らした独自性のあるツアーになっていて、Perfumeは変わらず日本を代表するライヴ・アクトのひとつだなと思いました。

 

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Perfumeメンバー及びスタッフの皆さんが、このツアーの手応えをどう捉えているか、ファンがライヴ後のアンケートにどういうことを書いているかはわかりませんが、少なくとも夏のUSツアーを経て、ふたたび日本国内のツアーとなる〈Dome Edition〉ではさらなる工夫と改良を経て、趣の異なるライヴを見せてくれることでしょう。

 

 

繰り返しになりますが、私も長らくPerfumeを観てきましたが、どう考えてもいまがいちばん凄いです。Perfumeに残された時間がどれくらいあるのか、私にはわかりませんが、いまからでも全然遅くはありません。

ぜひ、見届けて下さい!!

第77回 2009年、そして2016年のフライデー事件

2016年7月1日、とある記事が写真週刊誌「フライデー」に掲載されました。その詳細は一切省きますが、以前報じられた記事のダメ押しともいえる内容のものです。このブログでは、以前の記事に対する識者の見解(a.k.a 宇多丸さんの魂の叫び)も紹介していますが、はてさて……

 

tkito.hatenablog.com

しかしこの記事、どう捉えればいいのでしょうか。

 

信憑性のない三流記事?

今後のPerfumeの行く末を左右する大事件?

フライデー許さん?

高橋許さん?

あ~ちゃんが幸せならそれで良い?

 

私にはどれもそこまでしっくりきません。そもそもの因縁を辿るため、まずは2009年の話に遡りましょう。

 

Perfume VS フライデー

2009年6月、Perfumeメンバーに関する記事がフライデーに掲載されました。これもまあ詳細はぶっ飛ばします。

いまとなっては笑い話ですが、のっち→かしゆか2週連続の記事掲載となった当時の衝撃はかなりのもの。このブログでも、識者の分析(a.k.a 宇多丸さんの心の叫び)を紹介しています。

tkito.hatenablog.com

2009年というのは、その前年に『GAME』の大ヒットを経て、かつては夢のまた夢だった日本武道館公演が大成功。Perfumeメンバー、3人をずっと支えてきたスタッフ、そしてファンすべてが、Perfumeの輝かしい未来が、すぐそこまで来ていることを確信して、喜んでいたはずです。苦労も多かったけど、ようやくここまで来られた。そしていよいよこれからだ!と。

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フライデーの記事は、そんな期待に冷や水を浴びせました。

 

◇VOICE

フライデー事件の直後、宇多丸さんのラジオ番組に、Perfumeファンの男性からのメールが届いています。

〈このショックの理由は、自分たちの声援が、アイドルである彼女たちの幸せに繋がるものと思っていたのに、そんなの一切関係なく、彼女たちは自分で幸せを見つけていたことに、落胆したからだと思います〉という、まあ言ってしまえば当然の現実を、多くの男性ファンは目の当たりにしたわけです。

 

宇多丸さんが心境を語ったように、「自分は疑似恋愛をしているつもりはなかったのに、思った以上にショックを受けた」という人も多かったでしょう。私もそうです。この事件によって、疑似恋愛ファン層が相当数削られたのは、その後の支持層の若年化を考えると、結果的には良かったと言えるのかもしれませんが、それもまた皮肉ではあります。

 

この記事でショックを受けたのはファンだけではありません。当時の〈MEMBER BLOG〉で、あ~ちゃんの映像は化粧っ気も元気も一切なく、痛々しいものでした。しかしそれは、あくまでカメラを前にしたもの。フライデー事件以降、初めてファンの前に立った日が、『⊿』ツアー初日、2009年8月7日の埼玉・戸田市文化会館でのライヴです。

 

以下、当時の私の日記から抜粋します。

雨降る戸田駅の周辺には〈チケット譲って下さい〉とボードを持つファンが多数。会場に移動し、1300人規模という当時のPerfumeには小さすぎるホールに入ると、満員の場内にはいままで感じたことのないような張り詰めた空気が。

フライデー事件以降、初めてファンの前に立つ3人が何を話し、何を話さないのか。いつもより静かな客席には、かなりシリアスでナイーヴな受け止め方をする人も多かったように思います。

 

場内が暗転すると「Take off」のSEから、幕を丸く切り取って3人が登場。新しい、そして大胆かつ大規模な演出に挑戦するPerfumeの姿。「NIGHT FLIGHT」「エレクトロ・ワールド」「Dream Fighter」「love the world」を経て、最初のMCが始まります。

 

あ~ちゃん「戸田市文化会館、チケットが激戦だったそうで。ここで運を使い果たして大丈夫ですか?

「私たちは2か月ほど前に、皆さんをお騒がせしてしまって……

すると観客の一部から、クスクスと笑い声が。今思えば、これくらいの余裕のある受け止め方が、ちょうどいいかもしれませんね。全然気にしてないよ、って。

 

しかしそこでのっちが、「そこ笑うところ?」とちょっとおかんむり。あれ? 確か君の記事が先陣を切ってお騒がせていたのでは……

 

あ~ちゃんの話は以下のようなものでした。

「いままでライヴでは、正直な思いを伝えようとやってきたつもりだったけど、もうあの件(フライデー)で、自分たちを信じてもらえないんじゃないかと思った。皆さんを信じ切ることもできていなかった。アルバムのプロモーションをしていても、うまくいかなくて、どうすればいいのかわからなかった。

でも、アルバムが凄い数売れて、本当に嬉しかった。ライヴも、それまでは〈いやだな、やりたくないな〉って思ってたけど、やるからにはしっかり準備して、最高のライヴにしたかった。今日は特別な時間にしたいので、皆さんも心から楽しんで下さい!」

 

私の記録には〈あの件には触れないと思ったけど、あ~ちゃんは正直な人だ。この話の最後の方では泣きそうだった。話の間、かしゆかは神妙な表情、のっちは苦笑していた〉って書いてあるけど、確か君の記事が先陣(以下略)

 

フライデーの話が終わって……しかし、あ~ちゃんのMCは終わりません。

「戸田には、びっくりドンキーがたくさんあります。3つもある。でもマネージャーは1軒しかない〈安楽亭〉に反応していた」

グッズ紹介の流れでは、パンフレットやステッカーなどを見せる3人。このツアーでは〈部屋着〉もあったようです(※記憶にない)。かしゆか、部屋着を身体に当てて見せて「ワンピースにもなるよ」。あ~ちゃんは会場内に早くも部屋着を着ている客(ライヴ中なのに!?)をめざとく発見。「普通の部屋着って、コンビニには行きづらいよね? でもこのグッズの部屋着なら……まあ結局行けんのじゃけど。透けるから注意しんさいよ」

他にも延長料金ネタ、「大人が動いてくれて素晴らしいステージができた。お金すごいかかっとる」など、あ~ちゃんのなかなかの放言が記録されています。お客さんの前に立つことで、鬱屈を晴らすことができて、楽しかったんでしょうね! それと蛇足ですが、この時期からブログやってればよかったかな、と少し思わなくもないです。

 

◇会いたくて 会いたくて

中盤のMCも記述あります。以下、おそらくライヴを〈いやだな、やりたくないな〉って思っていた時期になされたのでは、と思われる会話です。

あ「事務所の偉い人と話してて、その人が〈コンサートに来るって、どういうことだと思う? 音楽が好きなら、CDを聴けばいい。それでもライヴにお客さんが来てくれるのは、そのアーティストの人柄に触れたいから。その人に会いたいからだよ。たとえばサザンオールスターズは何百曲もあるけど、ファンの人は桑田さんやメンバーに会いたいから行くんだ〉って。

確かに自分も、aikoさんのコンサートに行くときは、『明日』とか好きな曲やってほしいなーと思うし、やってくれたら嬉しいんだけど、それよりもaikoさんに会いたいから行ってる。それなら、Perfumeのライヴにこんなにたくさんの人が来てくれるのはどういうことだろう?って、そう考えたら心がぎゅってなって、凄く嬉しくなった。せっかく来てくれた人の為にも、最高のライヴをやりたい」。

 

そしてそのMCの後、「ワンルーム・ディスコ」を経て、ここでなんと、もう絶対やらないと思った「ジェニーはご機嫌ななめ」が炸裂!!! イントロで起きた爆発的な歓声、忘れがたいです。私も思わず「おおおおおおお!!!!」と叫んでしまいましたよ。のっちが元気いっぱいに歌い始めます。

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〈♪君とイチャイチャしてるところを見られちゃったわ

それをペチャクチャ言いふらされて私ピンチ〉

 

私の記録には〈ははは!全部事実じゃん! めちゃくちゃ盛り上がったな〉って書いてありますね。この「ジェニー」こそ、フライデーの記事への鮮やかなアンサーであり、Perfumeとしてどうあろうとしているかの意思表示とも取れます。その後のPerfumeの快進撃は言うまでもありませんね。

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◇Seven Years In ...

戸田市文化会館のライヴから7年後。第二次フライデー事件の翌日、札幌でのライヴが開催されました。ツアー千秋楽を飾る北海きたえーるのチケットは2日ともソールドアウト。この動員はさすがです。

 

最初のパートを終え、あ~ちゃんが開口一番「みんな、楽しみにしてきたーー?」

 

はい、いろんな意味で!!

 

するといきなりあ~ちゃん「皆さんを信じ切ることができなくって……

えっ? 7年前の戸田市文化会館でも同じようなこと言ってたぞ!?と凄まじいデジャヴに襲われましたが、「皆さんを信じ切ることができなくって、2年前に札幌に来たときは、1日しかやらなかった。でもそのときに、〈次は2日間やります!〉と言いました。そして今回、2DAYSで来ることができました!! 今日は最高の時間にしましょう!!」

おおー、ヒヤッとしたよ。あ~ちゃんがいつものようにはけると、のっちのソロMCに。開口一番「えー、先日ネットで……

 

えっえっもうあの件触れるの!?

 

 

「電球を6個買うつもりが、60個買いました! のっちです!!」

 

 

…………。

 

 

しかしその後、のっちは意を決したように喋りだしました。

 

「今回のツアー、楽しく回ってきて、ここ札幌が最終公演です。でも、愛のない横槍を入れたり、わーわー言う人達がいて、心が揺さぶられないわけではないけれど、私たちの信念や覚悟は揺るぎません。私たちには皆さんの愛があるし、私たちの作品への叱咤激励を、真摯に受け止めて進んでいきます。

そして何より、私たちがいちばん大切にしているライヴで、今日という貴重な時間を、最高のものにしましょう!」

 

 

まさかのっちが、これほど大人な対応をするとは……!!

一言でいえば、「記事は否定も肯定もしない。けれど、自分たちの作品とライヴで判断してほしい」ということですね。

 ↑第二次フライデー事件当日の私のツイート

 

かしゆかがMCに戻ってきます。「でもさっきの電球の話、あるね。ネットでパーッと買い物していると、うっかり業務用とか買いそうになる」

の「余った電球をスタッフの皆さんに配ろうか。あ、ファンクラブ会員にプレゼントしようか! あとで担当に確認する。プレゼントの意味をはき違えている気もするけど」

か「電球は一度のっちの家に行ったもの」

の「場所がなくてキッチンに置いてある」

もう完全に通常モードな二人でした。

 

あ~ちゃんの様子はいつものように笑顔いっぱいでしたが、これは人によって見え方は異なるでしょうね。

 

◇Miracle Worker

のっちの演説でフライデー事件ははいおしまい……と思いきや、まさかの展開で、戸田市文化会館で披露した「とある曲」を歌うミラクルが起きたり、それを歌うあ~ちゃんが凄く微妙な表情に見えたり、かと思えば「みんな聴きたい曲ある? 彼氏募集中?」とさらっと強烈な一発を入れてくるなど、偶然も味方して、よくわからないけどかなりおもしろいところにきっちり着地できたと思います。

 

 

もし、2009年のフライデー事件がなかったら、こんなに見事な受け身が取れたかわかりません。もちろん年齢を重ねたいまだから、そこまで動じなくてもいいこともあるでしょうけど、あの事件があって、3人やスタッフの皆さんが頭を悩ませ、どう対応すればいいか苦慮したからこそ、そこで深まったものだってあったはずです。それが今回の対応にも生きたのではないでしょうか。

 

もし、2009年のフライデー事件が、2016年の第二次フライデー事件を越える力になったのだとしたら、こんなに愉快なことはありませんよね!

 

 

さあ、この後はいよいよ『COSMIC EXPLORER』ツアーの国内最終公演です!! 目いっぱい楽しみましょう!!!

第76回 特にPerfumeに関心がない人の『COSMIC EXPLORER』幕張ライヴ評

このブログでは以前、Perfumeに興味のない知人女性に無理矢理映画「WE ARE Perfume」を見せたエントリーを書きましたが、ご存じでしょうか。

今回はその第2弾として、ほとんどPerfumeに関心のない友人男性をライヴに無理矢理誘いました。

 

◇Let Me Introduce...

友人はこんな人です。

・アーティストマネージメント、レコード会社、プロモーターなどでキャリアを重ね、音楽業界を知り抜いている

クラブDJとしても長年活躍しており、音楽知識も幅広く豊か

超有名どころを含めて、数多のDJやミュージシャンとも親しい

・私とは10年前に仕事で知り合った。このブログの存在も知っている

Perfumeは、CMタイアップなど〈メディアで流れる曲〉がなんとなくわかる程度

・ライヴに向けては、一切の予習をしていない

・山中湖のフェスSWEET LOVE SHOWER山下達郎さん目当てで行ったとき、Perfumeも出演していたが、Perfumeの時間は場内アトラクションの気球に乗っていた

 

よりによって気球って……私がいなければ、彼とPerfumeのライヴは未来永劫、接するポイントはなかったでしょう。はたしてどうなるか!

 

◇幕張初日 MCダイジェスト

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かしゆか「幕張はワンマンでは初めて。フェスでは出たことあるけど、ああいうときは大抵、最前列には〈次のアーティスト待ちでーす〉の人がいる(※いかにもつまらなさそうな再現芸あり)。もちろん好きなアーティストを最前で観たい気持ちはわかる! でも、今日は全員がPerfumeファンなんだよね!(※私の友人を除いて)

 

あ~ちゃん「ゆかちゃんは、いてくれるだけでええんよ」

か「ありがてぇ~ポジションじゃ

 

あ「ライヴはね、ホントは90分くらいがちょうどいいんよ! でもファン・サーヴィス(Fan service)の女たちだから、そこはもうがんばっちゃう」

 

あ「この写真、寮の食堂で撮った奴」

 

のっち「二重跳び1回だけできるよ!(再現すると、飛んだ後身体が深く沈み込む)」

 

あ「(P.T.Aのコーナーにて、カメラ収録が入っていない日だけできるという)ミッキーー! ミニーー!! しまった手足がこんがらがって間違……バズ・ライトイヤァーーーッ!!! 無限の彼方へ、さあ行くぞー! 飛んでるんじゃない、落ちてるだけだ!」

か「名言出た!」

 

の「ゆっくり間違えた

 

あ「会長に夢を託されました、マディソン・スクエア・ガーデン2DAYS」

 

の「じゃあ3人でワンオク風のジャンプしよう! みんなも飛んでね!」

 

◇P.T.Aのコーナー

今回、とある曲が「P.T.Aのコーナー」で使われていますよね。誰もが耳にしたことがありそうなあの曲で、ライヴではみんな楽しそうに踊っています。

 

 

 

実はこの日のライヴに来てもらった友人、まさに当時あの曲に関わったスタッフなんですね。それを昔から知っていたので、このツアーは彼に観てほしかったのです。

 

「P.T.Aのコーナー」であの曲のコール&レスポンスが始まると、彼が「まさかこの曲とは……」と呟いて、しめしめ、してやったり!と思ったのです。

終演後、どこであの曲だと気付いたか尋ねたら、

 

 

(あ~ちゃんの)最初のステップの取り方でもう気付いていた」とのこと……えっその時点でわかるんだ!? さすがは元スタッフ。そしてあ~ちゃんの再現度がそれなりに高かったということですね。

 

◇キミは何を思うの

幕張メッセ初日のライヴが終わりました。この日のライヴ、大きな会場の一発目でありながら、ダンスのグルーヴ感も、音響も、会場の一体感も申し分なかったです。長いPerfumeの歴史でも、いまが心・技・体でもっとも充実している時期なんじゃないか?と感じる程の出来でした。徳島のミラクルはまぐれでもなんでもなかったのです。

 

 

そして彼に感想を訊くと、開口一番出てきたのはなんと……

 

 

 

「圧倒的な多幸感」でした。

 

 

これが凄く意外で、彼のキャリアからすれば、まずは楽曲のクオリティーや音響、演出や構成といったテクニカルな部分から言及されるものと思っていました(そもそも、彼は現行アイドル・ポップスにそこまでハマるようなタイプでもありません)。

そしてこの〈多幸感〉、宇多丸さんやピエール中野さんによるPerfumeライヴ評と、まったく同じポイントです。

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↑『GAME』がオリコンチャート1位を獲得したことを知り、多幸感に包まれる宇多丸さん

 

それぞれ異なるルートやメソッドや信念をもって、人生における音楽の在り方を突き詰めて、それを生業にしている人たちが、揃いも揃って〈Perfumeライヴの多幸感〉を大きな魅力として挙げるところに、やっぱりそこが核心なのか、と思わざるを得ません。

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↑広告写真ですら〈I♥Perfume〉Tシャツを着用するピエール中野さん

 

友人の人生において、仕事と関係なく、アイドルのライヴに行くことはほぼないでしょう。そして彼の、音楽への並ならぬ思い入れをよく知っている(つもりの)私にとって、その賛辞は驚きでもあり、やっぱPerfumeチームすげえなって感じでもありました。

 

彼のライヴ評は続きます。(※曲名は出していませんが、ネタバレギリギリな表記もありますので、ライヴ未見の方はご注意下さい)

 

 

全体的に素晴らしい

・圧倒的な多幸感を少なくとも4回感じた

・1曲目の時点では、こういうクールな演出で最後まで見せ切るのかと思ったら全然違って、人間味に溢れていた。あれは好きになる人が多そう

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・ライヴ中に楽しめる部分がたくさんあって、それぞれが魅力的。生身のパフォーマンスだけでなく、ディスプレイの映像がそれを補完して完成する曲もあって、最初それに気付かなくて悔しかった

・あのディスプレイに映る映像の綺麗さは普通じゃない。4Kで撮影しているのだろうか? 普通は映像の赤みや青みが強調されてしまうので、ライヴで流す用にあのクオリティーの映像を作れと言われたら、頭が痛い

・音響は、最初かなりキツかった。全体の音が潰れているうえに高音域が耳に痛い。これは困ったなと思ったが、最初のMC以降は一気に改善されて、PAの技術に驚いた

・360度からお客さんに見られるあのステージは、メンバーにとって気が抜けないもの。負担にもなるだろうし、本当はあまりやりたくないかもしれないが、ダンスを裏側から見られるような趣向はファンには嬉しいだろう

・ステージ上での打ち合わせも、舞台裏を見せているようでファンは喜びそう

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・「(曲名、ネタバレ)」が特に良かった。〈まったく踊らない〉という振付でも、それ以外の要素でもって成立させているのが凄い

曲がどれも凄く良くできている

ダンスでいちばん難しいのは、(動きを)止める技術だと思っている。Perfumeはそこがずば抜けている

・ライヴの見せ方として、すごく挑戦しているのが良い

・途中でダレるかな、と事前に思っていたけど、見せ場をバランス良く配していてそれは杞憂だった

・私が全国各地のライヴを観に行ったり、どうかしているブログを書いていることにも合点が行った

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友人は〈良いものは良い〉というフラットなスタンスなので(その分、いい加減なものには手厳しい)ある程度おもしろがってもらえるかな?とは予期していましたが、私とは違う(=私には見えていない)見方で、ここまで高評価のポイントが出てくるとは思っていませんでした。

 

◇Let's Groove

時系列が前後しますが、ライヴの翌日、友人からメールが来ました。

・メンバーみんなリズムの感じ方が後ろ目、重めだから(ダンスが)しなやかに見えるのかも。意図的にそう見せているのかはわからない

・もともと個々が持っているリズム感もありながら、ドラマーが敢えてコンマ数秒後ろのところを叩くことでグルーヴを重くする、的な

・なので僕の中ではPerfumeダンスはジャズ寄りではなくロック

 

もしかすると楽器の演奏やDJを経験していない方にはあまりピンと来ない表現かもしれませんが、これがつまり〈グルーヴ〉の認識です。このブログでもときどき表記していましたが、そういえば説明などは一切していませんでした。

 

 

グルーヴは、日本語では〈ノリ〉なんて訳されますね。人間が楽器を(ソロでも合奏でも)演奏すると、たとえどんなに上手い人であっても、ほんのわずかにリズムのズレや、音量の変化が生じます。人間の耳は、その揺らぎを心地良く感じるのです。その揺らぎから生まれる、演奏のダイナミクスをグルーヴと呼びます。

 

グルーヴの基礎は、ドラムとベースです。友人のメールにあるように、ドラマーがジャストなタイミングよりほんの僅か遅れて(これを〈溜める、タメを利かせる〉とか言いますね)ビートを刻むことで、聴いている人には重たさや迫力、引っかかりを感じさせることができます。

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↑せっかくですし、もう一度貼ってみました

 

一方で、カラオケボックスのバックトラックを考えてみて下さい。どの楽器(というかパーツ)も、リズムはきっちり正確で、音量もすべて一定をキープしているはずです。でもそのいかにも機械的な正確さって、音楽としては味気なくありませんか?

 

ヤスタカのトラック……つまりPerfumeの楽曲の場合も、それぞれの要素を完全にぴったり揃えるのではなく、ほんの少しリズムをずらしたり、音量のメリハリを与えている(はずです)。ここから生まれる躍動感こそが、グルーヴです。

↑グルーヴを感じるならこれ!という曲に悩みましたが、やっぱりこれでしょう!

 

グルーヴィーな音楽は聴く人を楽しませて、身体を動かしたり、踊りたくなります。演奏に、そして音楽に重要なのは正確さではなく、グルーヴです。ちなみに徳島でみんなで踊った阿波踊りの魅力も、グルーヴ感にあります。

 

 

ただし難しいのは、グルーヴの認識は誰でもできるとしても、それを生み出せるかはまったく別の問題です。演奏が物凄く上手なメンバーでバンドを組めばすぐに最高のグルーヴが出るかというと、まったくそんなことはありません。

 

グルーヴを生むために、当然技術は不可欠ですが、それ以上に演者たちのリズム感や呼吸、相性や好みといった曖昧な要素に大きく左右されます。そのうえで地道な練習やライヴを重ねる必要もあるでしょう。えてしてグルーヴは人と人の関係や、鍛錬の中でこそ生まれます。

 

察しの良い方なら、僕が何を言わんとしているかお判りでしょう。

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このブログで、Perfume3人の〈関係性〉の話はほとんどしていませんが(それはどうしても空想・妄想の範疇を出ないため)、この〈演者たちのリズム感や呼吸、相性や好み〉のアンサンブルが抜群だからこそ、そしてそれを小学生の頃から3人+MIKIKO先生で追求し続けてきたからこそ、Perfumeダンスには他のどのグループとも違うグルーヴ感があります。これは断言できます。

 

かつてMIKIKO先生はTV番組で、Perfumeの振付で心掛けているのは〈形の美しさ〉と、〈その中でのグルーヴ感〉」と語っていましたが、まさにいまのPerfume心・技・体ともにそれを最高のレベルで実現できている、充実した時期だと思います。

 

Perfumeとグルーヴ〉の話はいつか必ず書きたかったので、友人ありがとう! しかし音楽ファンがグルーヴのマジックに魅せられてしまうと、友人や僕のように何千枚もCD(友人はレコードも)を買っても止まらず、理想のグルーヴを追求し続けてしまうので、くれぐれもご注意下さい……。

 

◇Fan service [Bitter]

さてグルーヴ話で脱線しましたが(でもいちばん書きたかった部分)、終演後に一通り賛辞を述べてくれた友人が「でもさ、良い意見ばかりを聞きたくて呼んだ訳じゃないでしょう」と一言。待ってました。

 「全体的には素晴らしいが、あえて言うなら……」ということで、以下、友人が呈した苦言です。

 

・生のヴォーカルを被せている曲と、そうではない曲があったが、生歌を被せている曲は歌の音量のバランスが取れておらず、正直きつかった

特に終盤がもったいなかった。最後から2曲目(曲名は「A」とします)でも生のヴォーカルを重ねていたけど、決して揃って上手というわけでもないので音程が不安定だし、先述したヴォーカルそれぞれの音量の問題もあった。ベースの軽さも気になったし、いかにもアイドル・ポップな曲調もちょっと……これはもちろん好き嫌いの話だけど

・最後の曲も歌い上げ系を持ってきていたが、「A」と同様に音程のズレと音量のアンバランスがあった。それでも、観客が全員で大合唱していれば感動したと思うが、別にそういう雰囲気でもなかった……

・個人的に、トラックとヴォーカルの全体的なバランスは、もっと歌を前に出してもいいように思った。逆に、生の歌を重ねる時はマイクの音量は下げてほしい

楽曲の作りがまったく同じものがふたつあった。メロディーやアレンジは変えてみせているけど、構成は完全に同じ

・セットリストの構成も難しいと思った。どれも曲は凄く良いが、ダンス・ミュージックをそれなりに聴いている人でなければ、全部の曲が同じに聞こえてしまわないか?(※これは私の認識だと、すべてを〈テクノ〉か〈テクノ・ポップ〉で括っている人も少なくないと思います。しかしこの日、いわゆるテクノは1曲もありません)

 

以上、私が常々思っていることもあれば、思いもよらなかった指摘もあり、やっぱりプロの意見ですね。繰り返しますが、「ライヴ全体は素晴らしいが、あえて言うなら」という指摘ですよ!

 

また、苦言ではありませんが「メンバーが〈歌詞を書きたい!〉とか言い出したりしないのか? そういうときはどうするのか?」という質問をされたので「あ~ちゃんが一時期そう言っていたが、ヤスタカはまったく聞き入れなかった」と伝えました。

 

◇Point

とまあ幕張メッセ近くのお蕎麦屋さんで散々話し合ったのですが、友人の結論として、以下の内容が述べられました。

 

・今日のライヴでいちばん良かったのは、〈ネタバレなので控えます〉を使って3人がポーズを取るシーン

 

・何より3人が可愛い。それは顔やスタイルだけの話じゃなくて、所作や愛嬌も含めて。やっぱり愛嬌が何よりも大切だと思った

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友人よ……いや、もはや同志!!

彼がふたたびPerfumeのライヴを観る機会があるかはわかりませんが、そのときはこの話の続きがあるかもしれませんね。

 

さあ、そして今日は幕張メッセ公演の2日目です! 楽しんでいきましょう!!

第75回 Perfume 6th Tour「COSMIC EXPLORER」徳島公演

Perfume 6th Tour「COSMIC EXPLORER」、4か所目となる徳島県アスティとくしま。私も徳島には初上陸です。

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◇6月4日(土)アスティとくしま

この日はあいにくの雨模様でしたが、5000人収容と聞いていた会場は満員。今回のツアー中、もっともキャパシティの小さい会場です(まあそれでも十分デカいんですが)。Perfumeは会場のサイズに合わせて、ステージセットも縮小して臨んでいました。
 
あ~ちゃん「チャットモンチーのフェス(こなそんフェス2016)ではライヴしましたが、ワンマンは初めてです!」
どうやらPerfume、四国4県のうち香川・愛媛・高知ではワンマンを行ってきましたが、徳島ではできなかったと。
あ「ライヴ前に、チャットモンチーのあっこちゃんからメールをもらいました。徳島でライヴしてくれてありがとうございます。徳島の人たちはシャイですが、熱いものを持っています。ぜひ徳島の人を楽しませてあげて下さい〉。なんかもう徳島代表みたいな。でもシャイなのかと思ったら〈○○○○!〉の声(ある曲での掛け声)が凄かった! これまでのところで一番!(喉元に手をやって)こみ上げてくるものがあったもん」
いま考えてみれば、もうこの段階であ~ちゃんがかなりグッと来ていたようですね。
 

◇Dance With...

いつものようにあ~ちゃんが舞台裏に消えると、さっそくのっちが「今日は徳島公演ということで、阿波踊りをします! それでは、師範代のかしゆかさんです!

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阿波踊りイメージ図
 
師範代のレクチャーを受けて、観客全員も阿波踊りに挑戦! 右手を上げると同時に右足を出し、左手を上げたら左足を出す。「肩を前に出すとそれっぽく見えます」と師範代。確かにサマになっています。しばし全員で阿波踊りして、ちょっと慣れてきたかな?と思った頃、突然のっちが「ヤットサーーーッ!!」と叫んでちょっとビクッてしましたが、お客さんが大声で「ヤットヤットーーーッ!!!!」とレスポンス。こ、これが阿波踊りか! 来てみるもんだ徳島!
なお阿波踊りには〈男型〉と〈女型〉があるそうなのですが、Perfumeはこなそんフェスでチャットモンチーに教わった男型しか踊れないそうです。
 
阿波踊りからの流れで、2人が「徳島の人ーーー!!」とステージから呼びかけましたが、挙手したのはわずか5~10%くらい……えっ、地元の人がそんなに少ないの? かしゆかが「そのなかでも、ずっと阿波踊りを踊ってるって人ーー! えーっ、もっと少ない!!」というくだりもありました……が、これは翌日理由がわかります。
 

◇Money

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のっち「皆さん、グッズのかばん……買ってくれましたか?
かしゆか心の声が出すぎてるよ
の「私、トートバッグが大好きなんです! このグッズのバッグも、チャックや色合いや素材にこだわって、男の人でも持てるようにして……りきさ……りきさつ!」。
力作なのね。言い直して間違えるパターンはなかなかないです。
の「(苦労して作った過程を)隣でかしゆかもずっと見てくれてて。だから、直接的な言い方になりますけど、買ってほしいんです。
確かに直接的だ。
 
 
の「このバッグね、普通に肩に掛けて持つと、(腕で)エンブレムマークが隠れちゃうんです。でもそういうときには〈4次元ポーチ〉をね、トートバッグに付けるといいんですよ」

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か「(そうやってトートと4次元ポーチを使っている男性を発見して)あー、こっちにそうやってくれてる人いるよー」
の「(手を振りながらそちらに高速で接近)いやぁーすみませーん、ありがとうございますぅーー!!
のっち、ちょっとおばちゃんみたいになってるぞ!
 
その後、「4次元ポーチはリップとか小物の多い女の子には便利」などの営業トークを経て、あ~ちゃんが「心の声出てたね~」とステージに戻り、チーム分けに。〈きん〉〈ちょう〉〈まん〉まで分けたところ、ざわつく客席。「大丈夫、任せて! 私あ~ちゃん!」気風を切るあ~様。このくだりは仙台でもありましたね。
ラストの〈じゅう〉を加えて〈金長まんじゅう〉が完成しました。あ~ちゃん曰く「皮が柔らかくて美味しいの!」とのこと。

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「なんで金長まんじゅうって言うの?」というPerfumeの疑問に、お客さんが一斉に回答。どうも金長たぬきというのがいるらしいのです。
か「たぬきー? 」
またお客さんが一斉に回答。
あ「ハァ?」(※自分から聞いておいてこの辺は流石
その後もいろいろなやり取りを挟みつつ、かしゆかが「えっ、『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台が徳島なの?」
そのあたりでしびれを切らしたのっち「(最高の笑顔で)まあとにかく、美味しいってことだね!
あ「いまもうちょっとで解けたのに……」
 

◇P.T.Aのコーナー

地元の山眉山

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徳島のイメージキャラクター〈すだちくん〉!!

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↑カワイイ! けどスーパーマンを意識している……?
 
そして〈あわおどり〉……これは地元の鶏〈阿波尾鶏〉に掛けた小さく羽ばたくアクションから、阿波踊りへと移行するダブル・ミーニング! そして阿波踊りで生まれる会場の一体感が凄い!! ヤットヤットーー!!!! これは間違いなく徳島ならではの盛り上がりポイントでした。

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徳島駅前、ビストロがぶりの阿波尾鶏ステーキ(ポン酢ソースで)。美味しかったです
 
※ご注意下さい。以下の部分は公演の一部のネタバレを含みます。すでに公演をご覧になった方、ネタバレ上等!な方のみ、該当箇所の文字を選択してご覧になって下さい。
この方法に賛否あるかと存じますが、レポートする以上、このタイミングでどうしても触れておきたい内容であり、この方法を取らせていただきます。
 
(以下、ネタバレ部分)
このツアーでは「LIVE 3:5:6:9」で行ったすごろくコーナーがあります。2015年には東京と広島でしかできなかったこの取り組みを、全国にも持って行きたい!というメンバーの想いで、スタッフを説得して実現に至ったそうです。
なお、サイコロが登場すると、3人がサイコロに寄り添ってそれぞれポーズを決めるお約束がありますが、この日私のそばにいた青年は、3人がポーズを決めるたび「ガワイイ!!」(ちょっと声も割れ気味で)と律儀に褒めちぎっていて、好感が持てました。
 
一投目のかしゆかがサイコロを振ると、思った以上によく転がっていきます。
かしゆか「おっおっおっ」
あ「思った以上に転がっとったけど、〈おっおっ〉て口で言ってるだけで、止めに行こうとか一切せんかったあたりに、運動神経のなさが出とる
あ「『Spring of Life』ね。サビが〈シュンシュンシュンシューン!〉
か「歌詞(笑)」
あ「でもそう聞こえん?
 
二投目はのっち。勢いよく「シャッフルスタート!!」いや、サイコロスタートですよ! 出たのは好きな目を選べる〈★〉です。
の「私、これで★出たの3回目! いままであまり当たってない曲にしようかなぁ……あ! 本当にやりたい曲選んでいい?……『ジェニーはご機嫌ななめ!』
まさか自分から進んでこの曲を選ぶとは! あ~ちゃんの交際発覚記事が(真偽はさておき)出たばかりなのに!! 2009年(フライデー事件直後)の戸田市文化会館では、本当にこの曲もう二度とやらないだろうな、と思ったら思いっきりぶちかましていたけど!! するとあ~ちゃんが急に「これ、ジューシィ・フルーツって方たちの曲なんじゃけど……そのジューシィ・フルーツの、河合さん?
2人「柴谷(しばや)さん! 河合さんはパッパラーさんだから
あ「そのジューシィ・フルーツの柴谷さんが、これPerfumeでカヴァーしたら?と言って下さったのが『ジェニーはご機嫌ななめ』。これを(広島アクターズの)発表会でやったら、たまたま東京の人が観ていて、それで東京に行くことが決まった。そういうきっかけの曲です。だからもう人生の半分以上この曲やってる……怖い!
 
三投目はあ~ちゃん。出た目をいろいろ試しても、常に「Spring of Life」のマスに止まるという謎の状態に入りつつ、コマの進め方をちゃんとやり直したら……出ました「彼氏募集中」。つい先ほど、パッパラー河合さんの話をしていた直後のタイミングで。
あ~ちゃんの楽曲解説によると、〈パッパラーさんがそれぞれイメージしたメンバーのキャラクター〉が歌詞に書かれているそうです。
キャラクター設定として、あ〜ちゃん〈普通の元気な女の子〉。のっちは〈男の子っぽい女の子〉。そしてかしゆかは……あ~ちゃん曰く「ドリーミーな女の子」かしゆか大ウケ)。
この曲を発表した当時の3人に、詞の意味はわからなかったそうです。あ~ちゃんも「フローティングキャンドルでカフェごはん〉ってところ、二十歳くらいになるまで意味わからんかった」。
 
「彼氏募集中」の指示書を開けると、〈最後のサビはそれぞれの好きなタイプを言って下さい〉と。3人が〈え~〉〈どうしよう〉とひとしきり言ったあと、あ~ちゃんが「まあ、欲を出さんと行こうか」と言ったのですが、なぜかのっちが「いや、欲は出してもいいんじゃない?」と提案。
あ「やだーー!! そう言えばこの人、福井でもこの曲当たった時、芸能人3人挙げとった!
か「人の名前を出したことにびっくりした
のっち……素直なのか何なのか……ちなみにこの曲、PA的にはマイクの切り替えが極めて難しいらしく、普通は間違えてしまうところ(あ~ちゃんの再現芸あり)ですが、「日本で何本かの指に入る」(by あ~ちゃん)ほどの方が、猛練習を経てできるようになったそうです。
 
ヘッドセット→ハンドマイク→スタンドマイクの切り替えの打ち合わせを経て、いざ、「彼氏募集中」で歌われたのは!
 

◇3人のタイプ

あ「スイーツ好きの、スイーツ男子!!
の「宮藤官九郎!!森山未來!! …………(時間切れ)」
か「植物を一緒に愛してくれる人!!
 
なお福井ではのっちはもう一人、菅田将暉(すだまさき)さんを挙げていたそうです。
 
 (↑ネタバレ部分は以上です)

◇締めのMC

ライヴの最後の3人。かしゆかは「とにかく客席が近くて恥ずかしいくらいだった」こと、のっちは「楽しくて楽しくて仕方なかった」ことを述べます。あ〜ちゃんは「また徳島来ていいですか? そのときはみんな、一人ずつ友達連れて来てくれたら、もっと大きいところで素敵なパフォーマンスができます!」。
のっちのトートバッグに続き、ここでも心の声が出過ぎている……!
 
そしてUSツアーにも言及していました。
あ「映画『WE ARE Perfume』で最後に出てくるおじさん、いやおじいちゃん。彼がアミューズの会長で、私たちはずっと怒られてばかりでした(例:「⊿」ツアー大阪城ホール公演が4時間近かった〈カツ丼2杯〉事件)。でもいまは、会長も自分たちに期待してくれています。映画では酔っぱらっていたけれど、そこで立てた大きな目標に向かって頑張りますので、徳島から応援して下さい!」
 

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↑徳島公演関係の自分のツイートで、個人的にいちばん気に入っているもの

◇6月5日 アスティとくしま

前日は雨でしたが、この日は昼から雨が上がり、爽やかな空気でした。物販コーナーに行くと、前日の営業トークの賜物か、4次元ポーチだけが完売していましたね……
 
この日のライヴ、とにかく3人のダンスが生み出すグルーヴ感が抜群でした。そして照明を巧妙に使い、メンバーの立ち姿を影絵のように映し出す演出(これ自体はかなり昔からやっています)がそのグルーヴとミックスされて、とにかく美しさを感じさせてくれます。
 
最初のパートが終わり、MCタイムに。改めて、四国4県のワンマン踏破を「おめでとうございます」「ありがとうございます」とお互いにお祝いする3人。
あ「瀬戸大橋好きだもんね
の「もう渡りとうて渡りとうて仕方ない
あ「みんなライヴ始まる時間が早くてびっくりしたでしょ? でも昨日は私たちの地元、広島からも来てくれてたんですよ。あとは関西の方々も。昨日のアンケートで読みました」。
なるほど、今回のツアーでは彼女たちの地元・広島公演を切っていなかったため、もっとも距離的に近いのは徳島なんですね。つまり徳島公演はある意味ホームであり、関西圏であり、阿波踊りである!!ということで。前日の〈地元の人の少なさ〉は、こういう背景もあったのですね。
 
あ「アルバムのライナーノーツを皆さんに書いていただく企画、あれミラクル起きとるよね! お手紙でもらうような、感情的なものが前に出た内容が多くて、もう本当に私たちが凄く求めていた内容のものを、たくさんいただきました」
あれ、じゃあ私が書いたような音楽面での批評は、決して3人に求められ……ては……

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あ~ちゃんが舞台裏に行き、かしゆかとのっちのMCタイム。
の「東京から来ました、のっちです!」「チャットモンチーのこなそんフェスに、来てたよって人ーー!!」こちらに挙手した人は2割ちょっと。こなそんはやはり地元の人も多かったでしょうし、初日よりは地元の人がかなり増えた模様です。そしてこの日もまた、あの踊りが始まります。
 

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阿波踊り専用エナジードリンクことAwa Rise! これでドーピングしてきた私に抜かりはありません。爽やかなゆず味で美味しかったです

◇Let's Dance!

の「それでは阿波踊りの師範代をご紹介します、かしゆかです! なんと、阿波踊りを独学で習得されたという」
か「こなそんのステージ上でね。踊り子さんの動きを一生懸命見て、その場で覚えました。私たち、こなそんに出る時にチャットモンチーのお二人から阿波踊りの教則ビデオをもらっていて、それは〈男型〉の踊りだったんです。でも阿波踊りでは男型だけじゃなくって、〈女型〉の踊りもあって……それを覚えてきたので、今日は女型を踊ります!
初日は「男型しかできない」と言っていたけど、改善してきた! かしゆか曰く、女型の特徴(男型との違い)は以下のものです。
 
1:手はパッと弾けさせる
2:男型はがに股なのに対して、女型は内股
3:足を出すタイミングでちょっと跳ねる
 
四苦八苦している御仁も見受けられる中、かしゆかは悠々と女型をキメます。「あたし手足が一緒に出る動き、得意なんです!」と余裕のところを、のっちは左右の手足を同時に出す歩き方をしながら「私、女の子のそういう動き好き!」となぜか萌えていました。阿波踊りは意外と運動量が凄いから、ダイエットにも良い」という話もありましたね、確か。
 
この日は「Perfumeライヴ初めての人」が2割くらい挙手。
の「じゃあここで、点呼的なものをしてもいいですかー? 20代の人!!」大体3割くらいが反応。「若さがあるね!」
の「30代!!」これも 3割くらい。「力強さがあるね!」
40代の人!!」 2割くらい。「確かなものがある!」
「じゃあ……50代、以上!!」1割くらい。「重ねてきた年輪みたいなものがある! まだまだこれからです!」
ここで観客から「10代はー?」の声に、のっち「ええーもう、いま聞こうと思ってたところなんだからぁ!……10代!!」これは5%~10%くらい。
の「えーと、あとは……何て言うんだろう、いち……」
か「ひとけた?」
の「そう、ひとけたー!!」これは数えられるくらいでしたが、20人くらいはいたかな。そのなかで、あ~ちゃんがステージ近くにいた男の子をロックオン。「よう会いに来てくれたね~」などとねぎらいつつ、年齢(7歳)、学校で好きなこと(サッカー)などの情報を手際よく引き出していきます。男の子が照れてしまって、隣のお母さんの肩に頭を寄せて、お母さんが代わりに答えたり。
の「お母さん大好きなんだね~」(※個人的に、〈ママ〉じゃなくて〈お母さん〉なのが好感を持てます)
か「頭寄せがちだね」
あ「そうやっとれるのも、いまのうちだけよ!

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その後、セーラー服(アミューズ主催フェスのBBQでPerfumeが着ていたようなもの)を着た18歳2人組をあ~ちゃんがいじったりしました(「スカーフの光沢に既製品らしさがある」「やっべー若い!〈18ぃー〉って言い方が若い」「つまごいー(※モノマネ)」)。
 

◇チーム分け

〈とー!〉〈くー!〉〈しー!〉〈まー!〉徳島!! しかしこの日は、観客の声援があまりにも大きかったようで、あ~ちゃんが「すごーい!! (腕を指さして)鳥肌立ったもん」。そしておもむろにスカートの上から内腿を触り、「柔らかいところまで鳥肌立ってる! こんなのめったにないよ
えっちょっ何してるの?と思うやいなや、あ~ちゃんがスカートを手で抑えながら後ずさりして、「見んなやぁ~~♡」と! えっ何々?すげえ観てるけど何?
あ「いまね、(両手で双眼鏡を覗く動き)こうやってる人いたの
の「えええー!!!?
か「やだーーーー!!!
あ「もー近いんだから、そんなんせんでも見えるじゃろ!
その御仁が本当に双眼鏡を用いたのか、エア双眼鏡だったのかはわかりかねますが、一声かけるとすれば「でかした!」です。
 

Perfumeの選曲基準

あ~ちゃん「私たちは売れない時期が長かったから、曲だけはたくさんあります。新しい曲もあるし。やりたい曲がたくさんありすぎて、でも古い曲聴きたい!って人もいると思います。ドリカムさんだったら『LOVE LOVE LOVE』と『未来予想図II』聴きたいしー、チャットモンチーだったらやっぱり『シャングリラ』が聴きたい! 私たちもそうやって普通に育ってきています
 

 ◇マスカラ

あ~ちゃん「昔はマスカラなんて知らんくて、その後メイベリンを使うようになって。でもいまは○○○を使ってて、あれええよ、全然落ちん」
これが思い出せなくて、確か〈エンヤ〉みたいな3文字だったんだけど……とTwitterで尋ねたところ、即座にヘレナ・ルビンスタインでは」とご教示いただきました。ありがとうございます。んー、どれを使っているかはわかりませんが、結構するものなんですね……

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 ↑どうも「ヒョウ柄」を使っているそうで、そうなると〈No.5〉ですかね?

◇後半戦

ライヴ開始からかなり経ち、あ~ちゃんが「さあ、ライヴはいよいよ後半戦に入っております!!」といつものセリフを言うと、盛り上がった観客は大歓声で応えます!
あ「すごーい!! いつもこれ言うと、〈えぇーー?〉って言われるのに!」と感激!! 確かにこれは珍しいパターンですが、そもそも徳島のお客さんの〈ライヴを楽しもう!〉的なヴァイブスが凄く良くて、それがこの日のライヴにも大きく作用していたように思います。
例えになるかわかりませんが、「○○○○○○○○」では最後に数秒間のブレイクがあり、大抵あの部分で「Hoooo!!!」と叫ぶお客さんがいますが、徳島2日目は完全な静寂が訪れていたりとか。あれは最高にしびれましたよ! 徳島!!

 
※ご注意下さい。以下の部分は公演の一部のネタバレを含みます。すでに公演をご覧になった方、ネタバレ上等!な方のみ、該当箇所の文字を選択してご覧になって下さい。
この方法に賛否あるかと存じますが、レポートする以上、このタイミングでどうしても触れておきたい内容であり、この方法を取らせていただきます。
 
(以下、ネタバレ部分)

◇3:5:6:9コーナー

まずかしゆかの一投目は……〈★〉! いままであまり★が当たらなかったというかしゆか。「じゃあ、候補曲を紹介するときに声援が大きくて、でもあまり当たらない曲にします……『FAKE IT』!!」これにはお客さんも大歓声! 続くのっちの二投目は……「エレクトロ・ワールド」!! 最後のあ~ちゃんはチョコレイト・ディスコ!!!
あ「アゲ、アゲ、アゲですね。しかも全部ハンドマイク!
その後の打ち合わせでは
・「FAKE IT」の最後、ジャンプ!ジャンプ!で飛びながら、「エレクトロ・ワールド」のポジションに着く
・3人がくるっと横を向くのを合図に、バンマスのザキさん(山崎さん)が音を出す
よろけないのっち
・「エレクトロ・ワールド」終わり、3人が「チョコレイト!」と煽り観客が「ディスコ!!」と返すのを繰り返し、十分テンションをあげたところで「チョコレイト・ディスコーー!!」からの曲に入る、と
・「P.T.Aのコーナー」は「FAKE IT」の前で、コーナー終了直前にハンドマイク3本をステージに上げてもらう
と、打ち合わせが終了しました。
 

◇ザキさん

3人が言うところの〈バンマス〉ことマニピュレータ―(PCを操作してバックトラックを出す人)、これまで長く苦楽を共にしたケイスケさんから、今回のツアーはザキさんに代わっています。
あ「(『エレクトロ・ワールド』の音出しについて打ち合わせして)大丈夫? 行けるよね! 最近仲良くなったんじゃけど……一緒にやり始めたら、ザキさんはすぐに私たちの曲を口ずさんでくれていて。すぐ曲を覚えるなんて、なんて仕事にまじめな人なんじゃ!って思っとったけど、実はザキさん、『GAME』の頃から私たちのCDを並んで買ってくれとって」。

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それ普通に、私と同じでPerfumeファンそのものじゃないか! とはいえ、好きな人たちとお仕事できる可能性があるのが、音楽業界のいいところですね。
 
そして「P.T.Aのコーナー」。ご当地ネタは前日と同じ眉山!〉〈すだちくん!!〉〈あわおどり(阿波尾鶏→阿波踊り)!!!〉。途中であ~ちゃんが、すだちくんをPerfumeメンバーっぽくアレンジしたTシャツを着た女の子2人組を発見。おや? 2人とはいえ、かしゆかVer.とあ~ちゃんVer,のTシャツしかないぞ。
の「のっちは?」
すると女の子が背後のかばんから何かを探しています。そして出てきたのは、のっちVer.のすだちくんがプリントされた、紙!
の「(真顔)
あ「(盛大に笑いながら)紙って!! モノですらない!!
 
今回の「P.T.Aのコーナー」で恒例の「マツケンサンバII」も、見事な一体感!!
あ~ちゃん「凄ーい凄ーい!! 1回だけでこんなに揃ってる! もう1回やらんくてもいいくらい……でも、みんなもう1回やりたいよね? もう1回やりたいよね!(※半分強制) じゃあもう1かーーい!!!」
 
そして会場が温まったまま、〈男子!〉〈女子!〉〈眉山!〉〈すだちくん!!〉〈阿波尾鶏!!!〉〈阿波踊り!!!!〉〈とー!〉〈くー!!〉〈しー!!!〉〈まー!!!!〉と「P.T.Aのコーナー」を終えて、その勢いのまま「FAKE IT」に……と思いきや、あ~ちゃんが高音で「マイクが来てなーーーい!!!!」
本来はここでマイクが3本ステージに上がっているはずでした。スタッフには珍しいミスです! しかしあ~ちゃんがマイクを上げる時間を作るために「もう1回!!!」とコール&レスポンスをやり直し、かえって会場が盛り上がり、さらにもう一回阿波踊りヤットヤットーー!!したことで念入りにテンションを上げて、「マイクが来たぁーーーーー!!!」からの「FAKE IT」で全員大爆発!!という最強コンボが炸裂!!! すべてが偶然の産物ですが、でもこれこそライヴの醍醐味じゃないでしょうか。

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↑もう会場は鳴門の渦潮みたいな盛り上がりでした(?)

 
猛烈な盛り上がりを見せる「FAKE IT」! そのブリーピーなシンセの間奏(ビャービャービャービャーってとこ)、3人は人差し指を突き上げ飛び跳ねて、観客を煽る煽る!! その最中に、あ~ちゃんがかしゆかとハイタッチというか、しばし掲げた手を重ねています。このへんにもメンバーの昂揚が感じられました。その熱狂の中、アウトロで3人は「エレクトロ・ワールド」のポジションに移動。照明が落ち、一気に会場が暗くなります。そして3人がほぼ同時のタイミングでくるりと向きを変えた瞬間、鳴り響く「エレクトロ・ワールド」!!!
ザキさんのタイミング完璧!!
のっちもよろけません!! 当然会場は爆発!!! その最中(確か最初のAメロ)ではあ~ちゃんとかしゆか「今日、楽しいねぇ!」と言わんばかりにニコッと笑顔を見合わせています。いつもクールにキメるこの曲で、この日は思わず笑みがこぼれてしまうほどの盛り上がり。
しかし、ここでトラブル発生。途中であ~ちゃんのヒールがステージの溝に挟まってしまい、彼女だけが踊るのを止めて、ヒールを引き抜きます。「エレクトロ・ワールド」が終わると、あ~ちゃんは一切動じず「さっきヒールが挟まっちゃったけど、そんなの関係ないから!!
観客も「うおおおお!!!」とこの日いちばんくらいの大歓声で応えます。その熱気のまま「チョコレイト!」「ディスコ!!」の掛け合いからのチョコレイト・ディスコ」!!! もう言うことないですよホント。
 
(↑ネタバレ部分は以上です)
 

◇Music is everything

そして、すべての曲が終わりました。深々とお辞儀する3人に、鳴り止まない拍手。この日は本当に、ずっと拍手が続いていて、あ~ちゃんも「これはこれは……」と言ったきり、言葉が続きません。
 
か「徳島が大好きになりました!」
の「今日もらったエネルギーで、これからのツアーもがんばります!」
あ「徳島のお客さんはまじめで、温かくて、ずっと笑ってる人もいて。でもそれって、徳島の人そのものなんだなって思います。徳島が大好きになりました! そして私たちはまた、大きな目標を立てました。マディソン・スクエア・ガーデンの、日本人ではまだ誰もやっていない2日間公演……できるかなぁ?(半泣き) でも、これだけ信じてくれる人がいたら、できそうな気がします。私たちはこれをあと2年の内に、成し遂げたいと思います。そういうときに中田さんが『STAR TRAIN』を作って下さって、〈いつだっていまがスタートラインなんだよ〉って、あの曲には本当に力をもらいました」。
あ「私たちを信じて、私たちを信じてくれる人を信じて。これからも夢に向かって進んでいきます」
 
涙をこらえて、鼻をすすりながら喋るあ~ちゃん。いつもの〈ネタバレ自粛〉のお願いも、この日はありませんでした。観客はいつまでも惜しみない拍手で3人とスタッフの皆さんを讃えていました。
 
 
これまでに多くのPerfumeライヴを観てきましたが、この日みたいなダンスのグルーヴの美しさ、観客との相乗効果、エラーやトラブルも味方につけて、物凄い勢いで高みに上り詰めるようなライヴは、なかなか記憶にありません。長年(2006年~)Perfumeのライヴを観てきて、1回も使ったことのない言葉をあえて使いますが、本当に感動しましたよ。
 
その考えうる要因としては、
1:今回のツアーにおけるもっともコンパクトな会場で、観客との距離が近かった
2:徳島の皆さんの良い感じのヴァイブス
3:広島からのお客さんも多く、ホーム感があった
4:後半のセットリストの爆発力
というところですが、個人的に大きかったのは、やっぱり阿波踊りの存在です。
踊って初めて気づいたのですが、Perfumeの3人と、Perfumeが好きな皆さんと一緒に踊る阿波踊りもう心の底から楽しいですよ。あの祝祭感と一体感は、Perfumeのライヴにぴったりです!
しかも2日目は「マイク来てなーい!!」からの阿波踊りワンスアゲインでしたから、それも直後の大爆発に直結したはずです。長年Perfumeを観てきて、なおも底知れない凄さを感じました。
 
ただ、これだけは申し上げたいのは、「徳島最高だったよ!」がこのブログの主旨ではありません。確かに徳島公演は忘れがたいインパクトを残しましたが、あなたが次に観る公演で、これを軽々と越えてくる可能性だって十分あります(だってこの日が限界な訳じゃないから)。
 
Perfumeって、思った以上に凄いグループなんだな、と再認識した2日間でした。ヤットヤットーー!!!
 

第74回 宇多丸さんが「The NIGHT」で激論

宇多丸さんとPerfumeについてのブログなら任せろ!とは全然思っていませんが、こればかりは見過ごすわけに行きません。

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宇多丸さんが毎週水曜日の深夜1:00~3:00にMCを務めている、AbemaTVの番組「The NIGHT」。サイドMCにサイプレス上野バニラビーンズ(週替わり)、背景にロベルト吉野というアナーキーなメンツで放映中。

 

5月25日(水)深夜の放送も、いつもどおり好き勝手な内容に……と思ってのんびり観ていたところ、この日は様子が違いました。

 

番組スタートから15分足らずで、その週のニュースを3つ採り上げるコーナーが始まります。

1:何か(完全に忘れましたし、結局あまり触れられていなかった)

2:Perfumeあ~ちゃん 家族公認の交際発覚

3:LDH関連ニュースLDHEXILEや三代目、E-girlsなどの事務所)。何か、LDHの曲がJASRACの使用料収入でナンバーワンになったとか

 マジかよ!と私も即応体制に入ります。まず1つ目のニュースを早々と片付けた宇多丸さん。ついに「2」に踏み込みます!!!

 

◇VOICE

まずPerfumeあ~ちゃん 家族公認の交際発覚」と読み上げた瞬間に「いま声のトーン変わったから」自ら認める入れ込みっぷり。以下、大意ですがニュアンスに気を付けて、思い出しながら書きます。

 

・(記事であ~ちゃんと家族公認の交際をしているとされる、お笑い芸人である)サバンナの高橋さんとは、実はスペースシャワーTVマキシマムザホルモンの特番でご一緒した。そのときはお互いにPerfumeファンだと知っていて、Perfumeの話もしていた

高橋さんは凄く良い人だった

・でも自分だって昔からPerfumeファンで、Perfumeにはウザいほどの愛情がある。でもその話は長くなるし、ここではしない。宇多丸 Perfume〉で検索すればいろいろ出てくるから

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↑検索したら2番目が当ブログでぶっ飛びました。それにしても宇多丸さん、いまなおPerfumeに対しては〈ウザいほどの愛情がある〉って……いつも素直じゃない宇多丸さんが!!

 

・ずっとPerfumeを応援してきたけど、俺も所詮はBUBKA野郎だから。Perfume「もう俺たち、別れよう」って言ったこともある。「そもそも付き合っていない」と言われたけれど

・親心としては別にいいよ、そりゃ彼女たちの年齢だってあるし、良い人と付き合ってくれればそれでいい。お父さん、「交際するな」とは言わないよ?

 

 

・ただ……高橋さん、ファンとして見れば「自分もファンで、他のファンの気持ちがわかるから、そういうところまで踏み込まないようにしよう」とか、なかったの!?

↑出た!宇多丸さんの偽らざる本音が!!

 

・俺はPerfumeとの付き合いは長いけど、メンバーの誰の連絡先も知らない。のっちのお母さんのメールアドレスしか知らないから。お母さんにはときどき「先日、娘さんとこういう共演をしましたよ。娘さん、凄いですね」って送ってる

宇多丸さん、その行動の動機は一体……

 

・自分にとって、アイドルの連絡先なんて聞くもんじゃないという矜持がある。(この日アシスタントを務めた)バニビのレナさんの連絡先も知らないし、聞く気もない(なおサ上はレナさんの連絡先は知っているそう)

 

でもまぁ、高橋さんならね……これがいかにも怪しい男、例えば〈会社経営の一般男性〉とか、これあまり言いたくはないけどイケてるミュージシャンだったり、それこそラッパーとかだったりしたら、もう大暴れしている!

 

・この記事では「誰かのお誕生日会に参加」って書いてあるけど、俺そんな芸能界的なお誕生日会なんて一切呼ばれたことないよ。みんなあるの? → サ上も呼ばれたことはないが、バニビのレナさんは呼ばれているらしい → レナさんに、芸能界的なお誕生日会の話をかなり詳しく訊く

・そういう芸能界のお誕生日会ってどこでやってるの? 笑笑? 天狗? 海峡? 俺たちの東方見聞録

・サ上曰く「自分はアイドルとの仕事も多いし、新潟の現場で、自分の隣でNegiccoの3人が疲れて寝ていたりしたけど、そんなの何もできるわけがない」

 

・俺だってPerfumeと金沢でライヴした後、打ち上げで隣でお酒飲んだり、一緒に桜を観たりしてるんだよ!!!

・でも何にもないから!!!ライムスターなのにSOUL SCREAMと来ましたか! ← 90年代の日本語ラップを知っている人は大爆笑のギャグ)

 

 

・お幸せに!!!!(※若干投げやり気味にCMへ)

 

◇After The CM

そしてCMが明けても、宇多丸さんのヴォルテージはまったく衰えません。

・あ~ちゃんの交際話、いままでこの番組でいちばん真剣に語った。これで2時間行けた

・それで時間を使いすぎたから、3つ目のLDHのニュースが飛んだ。三代目J SOUL BROTHERSの曲が、昨年度のJASRACの管理曲でいちばん著作権使用料を稼いだとか。いつも番組でLDHLDH言ってるのに!(注:AbemaTVを運営しているサイバーエージェントの男性社員は全員LDH系、つまりチャラいという指摘……もとい偏見)

 

◇うおっマジか! やっべえ!!!(by イジリー岡田が楽屋へ突撃した時のレナさん)

それ以降は映画「WILD STYLE」と日本のヒップホップシーンの黎明期を説明したり、イジリー岡田さんがバニビのレナさんの楽屋に侵入し、レナさんの私物を舐めまくるといった驚愕の展開を経て、番組の最後にこんなサプライズが!

 

 

 ……宇田丸って、誰だよ!!!!!

 

 

 宇多丸さん、お誕生日おめでとうございます。

◇私見