第75回 Perfume 6th Tour「COSMIC EXPLORER」徳島公演
◇6月4日(土)アスティとくしま
◇Dance With...
◇Money
◇P.T.Aのコーナー
◇3人のタイプ
◇締めのMC
昨日のPerfumeのライヴも良かったなー。セットリストを変えて流れが良くなっていたし、「STAR TRAIN(Album-mix)」ではイントロのドラム部分で、さらしを巻いたのっちが和太鼓を乱打して、観客全員で夜中まで阿波踊りを踊りまくったからなー(一部ウソ)
— t_kito (@t_kito) 2016年6月5日
↑徳島公演関係の自分のツイートで、個人的にいちばん気に入っているもの
◇6月5日 アスティとくしま
◇Let's Dance!
◇チーム分け
◇Perfumeの選曲基準
◇マスカラ
◇後半戦
◇3:5:6:9コーナー
◇ザキさん
それ普通に、私と同じでPerfumeファンそのものじゃないか! とはいえ、好きな人たちとお仕事できる可能性があるのが、音楽業界のいいところですね。
↑もう会場は鳴門の渦潮みたいな盛り上がりでした(?)
◇Music is everything
第74回 宇多丸さんが「The NIGHT」で激論
宇多丸さんとPerfumeについてのブログなら任せろ!とは全然思っていませんが、こればかりは見過ごすわけに行きません。
宇多丸さんが毎週水曜日の深夜1:00~3:00にMCを務めている、AbemaTVの番組「The NIGHT」。サイドMCにサイプレス上野とバニラビーンズ(週替わり)、背景にロベルト吉野というアナーキーなメンツで放映中。
宇多丸師匠のゼイリブ評聞きたかったぜ… @AbemaTV でオンエア中! #AbemaTV https://t.co/YqIKr73M4c pic.twitter.com/lVNLJJVFVY
— ずるり【=◈︿◈=】 (@pinkertonJPN) 2016年5月25日
5月25日(水)深夜の放送も、いつもどおり好き勝手な内容に……と思ってのんびり観ていたところ、この日は様子が違いました。
番組スタートから15分足らずで、その週のニュースを3つ採り上げるコーナーが始まります。
1:何か(完全に忘れましたし、結局あまり触れられていなかった)
2:Perfumeあ~ちゃん 家族公認の交際発覚
3:LDH関連ニュース(LDHはEXILEや三代目、E-girlsなどの事務所)。何か、LDHの曲がJASRACの使用料収入でナンバーワンになったとか
おいおい、宇多丸さんの「THE NIGHT」であ~ちゃんの熱愛ネタやるのか
— t_kito (@t_kito) 2016年5月25日
マジかよ!と私も即応体制に入ります。まず1つ目のニュースを早々と片付けた宇多丸さん。ついに「2」に踏み込みます!!!
◇VOICE
まず「Perfumeあ~ちゃん 家族公認の交際発覚」と読み上げた瞬間に「いま声のトーン変わったから」と自ら認める入れ込みっぷり。以下、大意ですがニュアンスに気を付けて、思い出しながら書きます。
・(記事であ~ちゃんと家族公認の交際をしているとされる、お笑い芸人である)サバンナの高橋さんとは、実はスペースシャワーTVのマキシマムザホルモンの特番でご一緒した。そのときはお互いにPerfumeファンだと知っていて、Perfumeの話もしていた
・高橋さんは凄く良い人だった
・でも自分だって昔からPerfumeファンで、Perfumeにはウザいほどの愛情がある。でもその話は長くなるし、ここではしない。〈宇多丸 Perfume〉で検索すればいろいろ出てくるから
↑検索したら2番目が当ブログでぶっ飛びました。それにしても宇多丸さん、いまなおPerfumeに対しては〈ウザいほどの愛情がある〉って……いつも素直じゃない宇多丸さんが!!
・ずっとPerfumeを応援してきたけど、俺も所詮はBUBKA野郎だから。Perfumeに「もう俺たち、別れよう」って言ったこともある。「そもそも付き合っていない」と言われたけれど
・親心としては別にいいよ、そりゃ彼女たちの年齢だってあるし、良い人と付き合ってくれればそれでいい。お父さん、「交際するな」とは言わないよ?
・ただ……高橋さん、ファンとして見れば「自分もファンで、他のファンの気持ちがわかるから、そういうところまで踏み込まないようにしよう」とか、なかったの!?
宇多丸が一言物申すww @AbemaTV でオンエア中! #AbemaTV https://t.co/771qukbC3c pic.twitter.com/hZQ35aFcpq
— N氏 (@NC_SPBOYZ) 2016年5月25日
↑出た!宇多丸さんの偽らざる本音が!!
・俺はPerfumeとの付き合いは長いけど、メンバーの誰の連絡先も知らない。のっちのお母さんのメールアドレスしか知らないから。お母さんにはときどき「先日、娘さんとこういう共演をしましたよ。娘さん、凄いですね」って送ってる
のちママのアドレスだけ知ってる宇多丸師匠 @AbemaTV でオンエア中! #AbemaTV https://t.co/tpeG1macy7 pic.twitter.com/A0kVGt1Xym
— 流星群ティア (@ryuseiguntear) 2016年5月25日
↑宇多丸さん、その行動の動機は一体……
・自分にとって、アイドルの連絡先なんて聞くもんじゃないという矜持がある。(この日アシスタントを務めた)バニビのレナさんの連絡先も知らないし、聞く気もない(なおサ上はレナさんの連絡先は知っているそう)
宇多丸師匠のPerfumeスキャンダルのコメントを見ながらTVにサバンナ高橋さん出てるからウケるw @AbemaTV でオンエア中! #AbemaTV https://t.co/bkAWu6Nvv3 pic.twitter.com/82J7qOmByc
— ИΛО-КЭY (@70key) 2016年5月25日
・でもまぁ、高橋さんならね……これがいかにも怪しい男、例えば〈会社経営の一般男性〉とか、これあまり言いたくはないけどイケてるミュージシャンだったり、それこそラッパーとかだったりしたら、もう大暴れしている!
・この記事では「誰かのお誕生日会に参加」って書いてあるけど、俺そんな芸能界的なお誕生日会なんて一切呼ばれたことないよ。みんなあるの? → サ上も呼ばれたことはないが、バニビのレナさんは呼ばれているらしい → レナさんに、芸能界的なお誕生日会の話をかなり詳しく訊く
・そういう芸能界のお誕生日会ってどこでやってるの? 笑笑? 天狗? 海峡? 俺たちの東方見聞録?
・サ上曰く「自分はアイドルとの仕事も多いし、新潟の現場で、自分の隣でNegiccoの3人が疲れて寝ていたりしたけど、そんなの何もできるわけがない」
・俺だってPerfumeと金沢でライヴした後、打ち上げで隣でお酒飲んだり、一緒に桜を観たりしてるんだよ!!!
・でも何にもないから!!!(ライムスターなのにSOUL SCREAMと来ましたか! ← 90年代の日本語ラップを知っている人は大爆笑のギャグ)
・お幸せに!!!!(※若干投げやり気味にCMへ)
◇After The CM
そしてCMが明けても、宇多丸さんのヴォルテージはまったく衰えません。
・あ~ちゃんの交際話、いままでこの番組でいちばん真剣に語った。これで2時間行けた
・それで時間を使いすぎたから、3つ目のLDHのニュースが飛んだ。三代目J SOUL BROTHERSの曲が、昨年度のJASRACの管理曲でいちばん著作権使用料を稼いだとか。いつも番組でLDHLDH言ってるのに!(注:AbemaTVを運営しているサイバーエージェントの男性社員は全員LDH系、つまりチャラいという指摘……もとい偏見)
◇うおっマジか! やっべえ!!!(by イジリー岡田が楽屋へ突撃した時のレナさん)
それ以降は映画「WILD STYLE」と日本のヒップホップシーンの黎明期を説明したり、イジリー岡田さんがバニビのレナさんの楽屋に侵入し、レナさんの私物を舐めまくるといった驚愕の展開を経て、番組の最後にこんなサプライズが!
おめでとうございます!!!宇多丸師匠ー!!! @AbemaTV でオンエア中! #AbemaTV https://t.co/4QT9xLny3c pic.twitter.com/UXvUUPSphY
— リーノー a.k.a IRON (@rinoooIrooon) 2016年5月25日
……宇田丸って、誰だよ!!!!!
宇多丸さん、誕生日おめでとうございます!AbemaTV皆さんでパシャり! pic.twitter.com/stxUIcaOZm
— サイプレス上野とロベルト吉野 情報幕府 (@saue_to_royoshi) 2016年5月25日
ライムスター宇多丸さんのお誕生日をAbemaTVスタッフの皆様とお祝い出来て嬉しかったです♡
— バニラビーンズ レナ (@VB_Rena) 2016年5月25日
#水曜TheNIGHT #AbemaTV pic.twitter.com/7zMnDirvnS
宇多丸さん、お誕生日おめでとうございます。
◇私見
(うーん、お笑い芸人でモテる人は本当にモテてるって聞くし……まあそうなるよな……うさんくさい人でもなさそうだし、あ~ちゃんは以前「ファンの人と結婚したい」って、多分リップサービスだろうけど言っていたし、なるべくしてなった感もあるよな……)
— t_kito (@t_kito) 2016年5月25日
お幸せに!!!!!!!!!!!!!!!
第73回 Perfume 6th Tour「COSMIC EXPLORER」静岡公演
あ~ちゃん「話したことは上げていいけど……上げるって、何? 何ッターとか、何スタグラムとか?」とのことでしたので、レポートします。
5月21日(土)静岡・エコパアリーナ
まずは最初のMCから。
あ~ちゃん「静岡でのワンマンライヴは4年ぶりです!」
のっち「BBQ(アミューズ主催フェス)では毎年来ているんですけど」
あ「4年前、茶畑の話したの覚えとる? 4年前にも来ていた人ーー!」
客「(大体10~15%くらいが挙手)」
あ「えー!凄ーい!! 浮気もせずにー!?」
なお、その後かしゆかが呼びかけた「初めてPerfumeのライヴを観る人」は2割くらいでした。これは「4年前も来ていた」組とは重ならないため、観客の7割近くが「前回(JPNツアー)の静岡公演は観ていないが、Perfumeのライヴは観たことがある」人。おそらくその結構な割合が、静岡エリア外の観客だったと思われます。
あ~ちゃん「『COSMIC EXPLORER』聴いてきてくれた人ー?」
客「(大歓声!)」
あ「すごーい!ありがとう!!」
の「カッコいいアルバムだよね!」
あ「あのアルバム、本当に気に入ってて、こんなに気に入ったアルバムは久々」
えーと、ということは『LEVEL3』は……と思いましたが、かしゆかとのっちも「ア、アルバム自体久々だもんね!」と一生懸命サポート。あ~ちゃんやっぱすげえな。
その後あ~ちゃんは早々にステージ裏に姿を消して、のっちのソロMCが始まります。
「ドゥフゥッ! 静岡のみなさーん!
ど、どうした? なおその後、のっちは自分の力こぶを指して「これ何だっけ? こぶし?」とのたまっていました。
かしゆか「私、実は先月も静岡に来ました! ルーシー・リーの展示会があって……」
客「(特に女性が)キャーー!!!」
か「キャー!って人とシーンと静まり返った人で別れとる。その展示会、東京で観に行けなくて、全国巡回の最後が静岡で、それを観るために来ました」
このあと、かしゆかがルーシー・リーさんの作品の魅力を語っていたような気がしますが、すみません……一切覚えておりません……(シーンと静まり返っていただけに)
◇炭火焼き
その後はご当地トーク。静岡で有名なハンバーグレストラン=さわやかには、Perfume3人ともまだ行ったことがないとのこと。
客「えぇーー(明らかな落胆の声)」
の「タイトな予定で静岡に来ているから、行けないかな……みんなに任せた!」
か「みんな今日の夜はさわやかに行こう!」
↑さわやか名物「げんこつハンバーグ」。ミディアムレアな焼き加減が絶妙です。なお、さわやかのホームページアドレスが http://www.genkotsu-hb.com/ 、げんこつハンバーグドットコムなのがじわじわ来ます
◇恒例のチーム分け
◇中盤のある曲にて
大掛かりな機構を使う曲の途中、先頭を歩くのっちが途中でかなり慌てて前に進んでいくシーンがあって、さりげなくやっているように見えるけど、やっぱりタイミングをきっちり合わせるのは難しいんだな……と思いました。
◇P.T.Aのコーナー
◇POWPOWPOWPOW!!!!
何か(確か「P.T.Aのコーナー」?)がバシッとキマったとき、あ~ちゃんが「ポゥポゥポゥポーーゥッ!!!」と景気良く叫びながら、手でギャング・サインなポーズ(厳密にはたぶん違うと思うけど)をキメていましたが、あれ、誰か止めなくていいのかな? 日本なら大丈夫か……海外でやるとどう受け取られるかわかりませんが。
◇のっちの駆けっこ解釈
◇Too Many Gain(=音量高すぎ→爆音)
とある曲(派手で盛り上がる奴)をやる前に、PAスタッフの方に、低音の出力アップをお願いするくだりがありました。するとあ〜ちゃんがさりげなく「よろしくお願いします! 姉さんの魂継いでるから」。
「ポリリズム」前の代官山UNITから共にPerfumeのライヴを作り上げ、そして今は亡きPAエンジニアの佐々ふみさんのことに、公の場で初めて……観客も静かに拍手。そしてPAさんのおかげで、この「ノンストップ猫ちゃん」(by あ~ちゃん)パートを最高のテンションで駆け抜けました!
◇静岡初日の総括
Perfumeらしい改善っぷりがどう発揮されるか注目していましたが、上述のある曲でちょっとタイミングが合わなかったり、まだまだ発展途上の部分もあるように見えました。あ~ちゃんも「ツアー2か所目なんだけど、仙台から2週間空いてるから、あんまり入ってこないところもある」と随分思い切ったトークをしていました。
とはいえ、随所で進行の効率化が図られていると感じましたし、MCもどれくらいの尺で「これからやること」を説明するかのバランスがぐっと良くなっていたと思います。楽しい良いライヴでした!
5月22日(日)静岡・エコパアリーナ
快晴に恵まれた2日目。エコパアリーナの周りには空と山しかありません。
◇のっちのiTunesチャート監視
ソロMC。長かったので箇条書きです。
・「FLASH」がずっとiTunesチャート1位だった! 嬉しい!
・最初ずっとチャートを見ていたら「FLASH」は2位で、1位は弊社のONE OK ROCK
・ワンオク聴きたかったけど、チャートで負けてて悔しいので絶対聞かない。そして「FLASH」を自分でダウンロードした
・そうしたらそのちょっと後、「FLASH」が1位になった!
あ~ちゃん「いや、ひとりだけでそんな影響ないじゃろ」
ちなみに、初日の最初のMCではすぐにステージを離れたあ~ちゃんでしたが、この日は結構長く話してからステージを離れました。少し余裕が出てきたんですかね。
◇のっち VS おにぎり
のっちのソロMC「最近食べたいちばん美味しかったおにぎりは、あ〜ちゃんのお母さんが握ってくれたおにぎりののっちです! 最近よくあ~ちゃんのお家にメンバーで集まって、広島時代の友人のお誕生日会をやったりしているんです。あ~ちゃんのお母さんがいろんな料理を作ってくれるんですけど、そこで作ってくれたおにぎりが本当に美味しくて!」
かしゆか「お塩だけのね」
の「お米の炊き具合も、握る力も、塩加減も完璧だった」
か「のっち自身のおにぎりはどうなん? おにぎり代表じゃろ」
かしゆかには珍しい雑なフリ!
の「うーん、自分が握るおにぎりには、そこまで愛情がない」
◇人生(ZIN-SAY!)
かしゆか、「Perfumeを人生で初めて観るっていう人ー!」と聞こうとして、「Perfumeの人生で…………先走ったね」
その調査ですが、この日は見たところ〈4年前の静岡ライヴも来ていた人〉は昨日より倍増して3割くらい。初めてPerfumeのライヴを観る人は2割くらい。土曜は他エリア、日曜は地元の方々が多かったみたいです。
◇チーム分け
◇「WE ARE Perfume」でのロンドン再現
あ~ちゃんの再現芸はなかなかのものです。
◇The Choice Is Yours
ライヴの途中でのっちが、ある選択をします。お客さんは大盛り上がり!
しかしあ~ちゃん、大笑いしながら「この人ばかでしょー! だって○○○○○ ○○○(以下割愛)」
この指摘にのっちはびっくりまなこ(何も考えてなかった!!的な)。でも己の決断を変えることはありません。そしてその曲について話し合いが開かれました。
◇P.T.Aのコーナー
◇Never Too Much
◇ティー・フォー・スリー
◇ネタバレ自粛のお触れ
第72回 Perfume 6th Tour『COSMIC EXPLORER』仙台公演
2016年5月3日(火)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
ライヴの内容はレポートしづらいのですが、「MCならまあ書いていい」とのことでしたので。
◇仙台とPerfume(談:3人)
Perfumeメンバーはよく仙台を訪れているそうです。一昨日リハーサルをして、本番前日はオフだったと。メンバーは何をしていたのでしょうか。
かしゆか「仙台に友達がいて、友達に会いに時々来る。広島よりよく帰ってるかも。昨日はその友達とランチしたあと、アップルストアでiPhoneケース(※充電もできる奴らしいです)を買いました」
あ~ちゃん「私もプライヴェートで仙台には来ていて。駅前の街並みの変化とか……西口に新しいパルコを作っていて、そこにTOHOシネマズ入るんじゃね。そうなるとまた仙台に来てしまう。
昨日は高校の時以来、一人で映画を観に行った。高校時代に観たのは『踊る大捜査』のユースケ・サンタマリアさんが主役ので、朝8時40分の回から観た。昨日行ったのはチネ・ラヴィータって映画館で(地元の観客どよめく)」
あ「観たのは、『誰もいない』……は柳楽優弥くんか(※正しくは『誰も知らない』)。『僕』……」
か「『僕だけがいない街』。マンガが原作のね」
あ「藤……」
か「藤原竜也さん(主演)。全部私が言ってる(笑)」
あ「有村架純ちゃんを見たくて、上映の1時間前に予約して。そのときはガラガラだったけど、この後に続々と来るんじゃろうって思って。時間になって会場入ったらもう暗くなってて、〈すみませんすみません〉って感じで入っていったら、誰ひとりおらん。貸し切り状態。
しかも映画がまさかのミステリー!よく人が刺されたりして、途中何度も出ようと思ったけど、がんばって最後まで観た。あれね、めっちゃおもしろいよ!絶対に観た方がいい。でもゴールデンウィークなのに、あんなに人いなくて」
のっち「それはね、みんな……(目を見開きながら小声で)『ちはやふる』観てたんだよ!」
↑確かにチネ・ラヴィータでやってました
の「じゃ、そろそろ……」
あ「あんた何やっとったん」
の「いま良い流れで曲に入れたのに! 2行で言えます。牛タン食べて、寝た」
か「でも、いちばん仙台らしいかも!」
の「牛タンは、お土産屋さんなんだけど、10分くらい待てば焼いてくれるお店があって、それを部屋に持ち帰って」
あ「あんたそれ東京と何も変わっとらん」
おっと、このペースでだらだら書くとまた長くなるので簡潔に。
その後のチーム分け、最初にあ~ちゃんが〈チネ〉を指定。〈ラ〉〈ヴィータ〉と続ける予定だったと思われますが、あまりしっくりこなかったのか(お客さんのざわめきもあり)〈ちは〉〈や〉〈ふる〉に変更されました。
◇『COSMIC EXPLORER』週間1位(談:あ~ちゃん)
・やっとみんなに直接報告できた!と喜ぶ3人
・チャート発表の日はスタジオでリハーサルしていたら、スタッフの方が「『COSMIC EXPLORER』、週間1位でした!」と報告して下さって、〈1位おめでとう!〉という大きなケーキも用意してくれて、スタジオにユニバーサル・ミュージックの偉い人が次から次に来られた
・しかもBEE-HIVEの古くて小さいスタジオに
・そのとき、スタッフの方がiPhoneのスピーカーから『COSMIC EXPLORER』を流してくれていたが、大人数が喋っていると完全にかき消される。ときどき静かになると、小さな音で〈シャンシャンシャン……〉って聞こえて、あっ流してくれてたんだ、と
◇その他
ある展開があって、笑顔のあ~ちゃんが両手を大きく広げて「奇跡が! 奇跡が起きています! ああーーーーー!! あああーーーーー!」とシャウト。何かの宗教かと思いました。
◇私見
音響・照明・舞台はやっぱり凄かったし、3人も初日の緊張に負けじと奮闘していましたが、ライヴの構成や流れが何だかちぐはぐなように感じました。
僕が期待していたような内容とはかなり異なっていたこともあって(まあそれは当たり前としても)、ちょっとがっかりしたのが本音です。でも、きっとPerfumeチームはここから改善してくるだろうとも思いながら。
5月4日(水)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
↑会場の裏手は、小鳥たちのさえずりに包まれる高原
この日もライヴの内容は触れずにMCだけ。
◇プロモーター(談:あ~ちゃん、かしゆか)
あ「仙台のプロモーターで、インディーズ時代から担当して下さった方が外れてしまった。新しい担当のIさんは、普段は何もしゃべらない。クール。でも(自分たちが喋っていると)笑ってくれて、優しい。
仙台に、のっちとかしゆかを連れて行きたいお茶屋さんがあって。あと、美味しいお餅屋さんもある。なんか、養老乃瀧、みたいな名前の(注:延命餅)。そんな話を、昨日の車の中でギャーギャー言っていた(※補足すると、ライヴ初日の帰り、22時ころのお話)。
今日会場に入ったら、私が言っていたお茶屋さんのお茶と、お餅が届いとった。昨日の夜言ったばかりなのに。以前の担当さんに、ずっとお世話になったことへの想いは凄くある。でも、それだけじゃないなって思った」
か「会場のケータリングも、仙台は美味しいものがたくさんあるけど、それが毎日変わるの」
↑イメージ画像。名店「司」にて
あ「ケータリング部屋も、〈2年ぶりのライヴ、おめでとうございます!〉ってメッセージとか、紙で作ったお花とか、手作りの飾り付け……幼稚園児が〈ゥワァァァッ!!!〉ってなる奴もあって、しかもそれも毎日変わるの。
その歓迎してくれる気持ちが本当に嬉しくて、しかもプロモーターの人は誰もそのことを言わんのよ……だから、今日は熱い良い時間にしたい! 会場の皆さんもきっと私たちに想いを持って、時間を費やして下さっているはずだし。皆で最高の時間にしましょう!」
◇ライヴの長さ(談:あ~ちゃん)
・でもライヴは3時間も4時間もやれない。皆さんが立ってライヴを観て下さっているのは、誠実さ! 〈誠〉!!
◇チーム分け(談:あ~ちゃん)
・今日はこれしかないでしょう。〈養〉!〈老〉!!〈乃瀧〉!!!
・「延命餅」でも良かったんだけど、それは〈養老乃瀧〉の引き出しに入っとる
◇グッズ小芝居(談:3人)
の「皆さん、グッズ買ってくれてありがとう!」
か「今回は宇宙っぽい名前をたくさん付けました。アースグレイ、コスモピンク、スペースブルー……あとブラックホールとか」
の「今回も可愛いグッズがたくさん、おしゃれ靴下とか」
(ステージに不在だったあ~ちゃんが帰ってくる)
の「あっ、おしゃれ靴下のプロデューサー!」
あ「(ゆったり歩きながら手を振って)どうも……おしゃ下の……プロデューサーです(以下大意。ちゃあぽんがいつも地方に行くと派手な靴下をお土産にくれる。それを気に入って履いていたが、2人の靴下はシンプル。でも自分のタンスの靴下ゾーンはカラフル。シンプルだけどカラフルな靴下が欲しい……)今回、それを…………実現しました」
か「パシャー! パシャー!(エアカメラ)」
の「こっちも目線下さーい!(エアカメラ)」
あ「(アルカイックスマイルで悠然と手を振る)」
◇引っ込んでいくマイクスタンドあれを見て(談:のっち)
の「収納の儀も済んだところで」
◇若さ(談:3人)
あ「行ける?」
か「(精いっぱいの若くてカワイイ声で)行ける!」(客大喝采)
あ「行ける?」
の「(少し喉を鳴らしてから精いっぱいの若さで)行ける!」(あ~ちゃん大爆笑)
あ「なんか〈んんっ〉って言っとった! それも込みで、あんたおもしろいねえ!大好きよ!」
◇起こせミラクル?(談:あ~ちゃん)
仙台、ミラクル起きるねぇ! ♪起こるミラクル~、起こせ想い~(いきなり「Sweet Refrain」アカペラ歌唱)
あといろいろあったんですが、ライヴの内容に関わるものはバッサリ割愛するとして、差し支えないところで「これもあったよー」など、コメントでご教示ください。
◇私見
現在の仙台駅は、石を投げればPerfumeファンに当たりそうな状況ですが、僕のように何のグッズも一切身につけていないマニア(往々にして最もやばいタイプ)も潜んでいると思われます pic.twitter.com/TOkF8bHxcQ
— t_kito (@t_kito) 2016年5月4日
初日のライヴにはちょっとがっかりしましたが(ちなみにアリーナの結構良い席)、この日はスタンドの最上段。つまりいちばん後ろの席でしたが……このライヴはとても楽しかった! 3人のダンスのグルーヴ感も良好でした。
音響は、場所が違うので単純に比較できませんが、初日は腕の体毛がチリチリ震えるようなド迫力の鳴りをクリアに堪能できて、2日目はちょっと遅延はありながらも、あまり気にならなかったです。
何より、今回のステージセットは大規模な仕掛けがあり、それはスタンド席がいちばん見やすいのですが、それをごく自然に成功させていることにつくづく感服しました。
ただ観ている分には、わぁー凄いなーで済ませられますが、もしあれが急に動かなくなったら?スピードやタイミングがずれてしまったら? 決して簡単なものではなく、毎回確実に成功するものでもありません。
その精度と正確性をどこまで高められるか?しかも効率的に。それがメンバーとスタッフの皆さまの命題であり、それを実現するための膨大な労力と工夫(K.U.F.U)がライヴの成功を支えていることを、まざまざと目のあたりにしたライヴでした。
まあね、「この曲なんでまだやるの?」とか、「なんでこの構成なの?」という思いはそれでもありますけど、構成については2日目、メンバーの説明で腑に落ちました。ライヴ全体の流れ的にどうなんだろう……とは思いつつ、でもある意味凄くライヴらしいとも言えるし……という歯切れの悪さでもってレポート終了です! 次回は僕の生まれ故郷、静岡です。
↑仙台駅の「北辰鮨」。これは1階のお店ですが、3階の立ち食いも極めて美味しいです
↑ありがとう、仙台ワシントンホテル
第71回 『COSMIC EXPLORER』
前置きは不要ですね。『COSMIC EXPLORER』は、Perfumeと中田ヤスタカの新たな挑戦と工夫、独創性と意外性が存分に発揮された、2016年を代表するアルバムです。
どんなアイドルグループもDJ/トラックメイカーも、いまだかつてこのような作品は作っていないでしょう。その理由のひとつに、中田ヤスタカが特に『JPN』以降注力している、アルバムを1枚通して(つまりじっくり時間をかけて)聴くことに意味を持たせるサウンド・デザインが、『COSMIC EXPLORER』においては徹底的に突き詰められていることが挙げられます。
いきなりですが、あなたは普段音楽を、いつ・どこで・どうやって聴いていますか?
おそらくは移動中などの隙間時間に、iTunesのようなアプリに曲をインポートしたり、YouTubeや音楽配信サービスで好きな曲を選んだりして、スマートフォンのようなデジタル・デバイスで聴いている方が多いでしょう。
えっ? CDを買って、家でじっくり聴いているって? うん、僕もそうですけど、それかなりのマイノリティーですよ!
でもそんなご時世だからこそ、ヤスタカは〈時間の芸術〉である音楽を、時間を掛けてじっくり聴く楽しさを提案しています。いまの時代ならではの批評性ですね。
◇2016 : A SPACE ODYSSEY(2016年宇宙の旅)
アルバムの序盤は、聴き手を作品の世界に導入する序曲「Navigate」から5曲目の「STORY」まで、初めて音源化される曲で固めてきました。
壮大なスケール感とマニアックに入り組んだアレンジを両立させたエレクトロ「COSMIC EXPLORER」、HardwellやCalvin Harris、Aviciiあたりが速攻で思い浮かぶプログレッシヴ・ハウス「Miracle Worker」、ディスコ・ブギーなイントロのエレクトロ・ハウス「Next Stage with YOU」、ヘヴィーでブリーピーなエレクトロ組曲「STORY」と畳み掛けます。
ここには現行ダンス・ミュージックのトレンドもあれば、他に誰もやっていなさそうな路線もある。重要なのは、ヤスタカとPerfumeというフィルターを通して、よくある〈流行ってるらしいから(or 誰もやってないから)やってみました〉的な出オチに陥らない、独自性と高い完成度を……といっても、そこはいつも大抵クリアしていますね。それも実に凄いことですが。
◇Next Stage
アルバムの序盤は『LEVEL3』以降の、それこそPerfumeの〈Next Stage〉を提示する役割も果たしています。中盤以降はほとんど既発曲ですが、ヤスタカは単なるシングル曲の寄せ集めに陥らないよう、シングル曲をアルバムの一部として新たに機能させるための〈Album-mix〉を、多く混ぜる戦略を取りました。
「FLASH(Album-mix)」では、初出ヴァージョンでのよくあるビッグルーム・ハウスに和風のメロディーを載せたという印象が一転。プログレッシヴ・ハウスからユーロ・ダンス、テクノ・ポップにテック・ハウスなどを行き来し、ビートを抜き差ししながら次々とサウンドを変貌させていきます(最初のサビがまさかのビートレスで、これが物凄く利いています! あえて音を抑えることも、一種の演奏なんです)。
へー、こう展開するんだ!じゃあ次はどうなるんだろう?……うわ!こう来るか!!というワクワクがずっと続く、これこそ〈時間の芸術〉たる音楽の醍醐味です。
不遇の名曲「Sweet Refrain」のAlbum-mixでは、ブロステップ色が後退し、エレクトロ・ハウス寄りに。原曲はポップな甘いメロディーとゴリゴリのウォブル・ベース(強烈に歪んだ、不規則なリズムのシンセ・ベース)のマリアージュがちょっと歪ながら、それゆえクセになる魅力があった(そして他に誰もやってなかった)ので、そのまま入れても面白かったかもしれませんが、ヤスタカのバランス感覚による変更なのでしょう。ちなみに2番でヤスタカがノリノリで弾いているギターは……まあご愛敬ということで。
アルバム中では最後となる新曲「Baby Face」は、一転して音数をそぎ落としたアレンジで、3人の歌と〈Wow...〉というコーラスを立てています。こういう曲をここに挟んでくる緩急の付け方も流石です。お姉さん目線の詞もいままでなかったタイプですね。間奏のシンセが、Yellow Magic Orchestraの「1000 Knives」ほとんどそのままなのは……まあご愛敬ということで。なおこちらのBabyfaceも最高なのですが、たぶん一切関係ないですね。
◇銀河を超えて 星屑たちの川上り
王道のPerfume節と言えるエレクトロ・ハウス「TOKIMEKI LIGHTS(Album-mix)」を挟んで、ついに出ました! YouTubeで16億回再生された、世界的超絶ヒット・ナンバー!! 急逝した俳優のポール・ウォーカーに捧げ……
えっ? この曲、Wiz Khalifaの「See You Again」のリメイクでしょ? ピアノのリフもコード進行も〈Wow...〉のコーラスも、激似ですよ?
お時間のある方は、下の曲に合わせて「STAR TRAIN」を歌ってみて下さい。〈手探りで夢を見る/何もない ただ信じて/空までが遠いほど/片道切符を求めて〉。
……という意地悪はさておき、でもこれは決してパクリじゃないですよ。パクるなら普通、もっとバレないようにやります。ですのでこれは「See You Again」に対する、日本からのアンサー・ソングなのだと思います。なぜよりによってヤスタカがアンサーしたのかはよくわかりませんが。
◇輝く星空のような
続いて「Relax In The City」「Pick Me Up」が、それぞれシングル盤と変わらないヴァージョンで登場。
「Relax In The City」はPerfume史において、傑出した完成度を誇る楽曲でしょう(宇多丸さんも「マブ論」で、「2015年の彼女たちのリリースではこれがベスト!」と太鼓判)。私見ですが、この曲はシングルの時点で、これ以上変えようがないくらい完成していたと推察しています。
Perfume初の歌い上げ系ビッグルーム・ハウス「Pick Me Up」もシングル版のままですが、アルバムを通して聴くと、いかにもEDMです!なビルドアップ(この曲の10秒~15秒みたいな、強引にアゲていくブレイク部分)を含むのはこの曲だけですね。これこそAlbum-mixで聴いてみたかったけれど、手を入れなかったのには、何か意図があるのでしょうか……
「Cling Cling(Album-mix)」。
変わりすぎだろ、シングルと……!! 原曲のエキゾ感をそぎ落とし、テクノやブロステップ、ハウス、エレクトロなどを盛り込んだ、ダンス・ミュージック幕の内なアレンジ。「FLASH(Album-mix)」ともやや被るので、思いっきりミニマルとかにしてもおもしろかったような。ハウスやテクノの前時代の、シンセサイザー・ミュージックを思わせる音色も気になりました。メロディーに対するコードの当て方も相当ひねっていて、CAPSULE「Transparent」を彷彿とさせます。この曲はアルバム中で唯一、初期のようなチューン・ヴォイスを使っていますね(※他にもあったらすみません)。
◇Hey Baby(I wanna hold your hand)
アルバムの最後を飾るのは「Hold Your Hand」。
「Relax In The City」と双璧を成す、傑出した楽曲だと思います。そして〈宇宙探索〉という壮大なテーマで始まるアルバムが、〈キミと手を繋ぎたいんだ〉という、恐ろしくスケールの小さい、プライヴェートなコミュニケーションの歌で終わること。この流れはいろいろな解釈できますね。
僕がいちばん感じたのは、〈宇宙探索〉と〈キミと手を繋ぎたい〉を並列に、しかも短い時間で豊かに表現できるのって、やっぱり音楽ならではだよなーと。音楽を聴くのって、やっぱり音楽でしか味わえない体験だし、何よりめちゃくちゃおもしろいな!ってことでした。
そう思わせてくれる音楽は少ないです(Perfumeファンだからそう思うのかもしれないけれど)。そして今回も、期待を上回る素晴らしい作品が届いたことを、心から嬉しく思っています。
そして最後になってしまいましたが、3人のヴォーカルはその肉体性や存在感を、より豊かに感じられました。歌声のアンサンブルとハーモニーが醸す美しさこそ、やっぱりPerfume最大の魅力かもしれませんね。
ちなみに「Hold Your Hand」で締める意味は、〈人間の心は宇宙よりも……〉とかの解釈もできそうですけど、まあそれは誰かに任せますんでよろしく!
第70回 How Perfume Works
◇〈Perfumeはなぜ続くのか?〉
言われてみれば、いままであまり表立っては語られなかったテーマかもしれません。
Perfumeはなぜ続くのか。
それはもちろん、所属事務所に十分な利益をもたらしているから……という考えは(事実であっても)よろしくない見方ですので、当ブログとしてこの問いに(※問われていなくても)答えるとすれば一言、
〈Perfumeは独自の価値を創出し続けているから〉です。
この〈価値〉は、音楽的・文化的な価値に加えて、ビジネス面での成功も含みます。
◇Hard Times
↑日本レコード協会ホームページより。2014年までのデータで、「有料音楽配信」の売上は入っていません
週刊文春の平成28年3月31日号、近田春夫さんのJ-Pop時評連載「考えるヒット」では、音楽業界にとっての2016年という時代を、以下のように表現されています。
〈音楽商売が、あらゆる意味でかつてほどにはもう“美味しくない”ものだ、ぐらいのことを、子供たちがとっくに見透かすようになってしまった時代〉
この書き方に異論もあるでしょうけど、完全に否定はできません……
そんな時代に、Perfumeが収めている成功とその実績は群を抜いています。
ではその成功の秘訣は何か?
それは、ずっとこのブログで書き続けている(つもりの)、Perfumeの〈新しくて面白いことに挑戦し続ける姿勢〉が、独自の価値に繋がっていると見ています。
……と言っても、「別に新しいことなんかやらなくてもいいよ。Perfumeがあの3人であるだけで最高じゃん!」って方もいらっしゃるでしょう。
それではここで、アルファベット社(※Googleの持ち株会社。現時点での時価総額は世界一)の会長であるエリック・シュミット氏と、同社のラリー・ペイジCEO(※Google共同創業者)のアドヴァイザーであるジョナサン・ローゼンバーグ氏が上梓した「How Google Works」から引用してみましょう。
◇How Google Works
エリックとジョナサンは、「情報」「インターネットへの接続」「コンピューティング能力」の3つが安価になり、誰でも簡単に手に入れられるようになった結果、あらゆる産業を巡る環境が激変したことを踏まえて、〈いまや企業の成功に最も重要な要素は、プロダクトの優位性になった〉と書いています。プロダクトは競合他社と大差ないものにして、
消費者にとって、かつてないほど情報が溢れ、魅力的な選択肢がたくさんある時代を迎えた以上、あらゆる企業はプロダクト開発プロセスのスピードと、プロダクトの質を高めることを最優先すべきである、と。
そして劇的に優れたプロダクト作りに必要なのは、優れてクリエイティヴなスタッフが自由に創意工夫と試行錯誤を重ねられる環境であり、プロダクトの優位性を左右するのは、技術的アイデア(革新的な技術の活用方法やデザイン)である、と定義しています。これらによって生まれるのが、いわゆるイノヴェーションですね。
◇How Perfume Works
上記の図式をPerfumeに当てはめてみます。
クリエイター陣の創意工夫と試行錯誤に裏打ちされたプロダクト(=作品とライヴ・パフォーマンス)の優位性があり、技術的アイデアを活かした、フレッシュなライヴ演出やプロモーション手法があります。
それらの要素は激変する音楽業界においても、Perfume独自の新しさや面白さとして、広く支持されていると思います。
その意味で、Perfumeは音楽産業においてイノヴェーションを起こす(そして維持する)ことに成功した、日本では数少ないグループかもしれません。だからこそ、国境を越えて支持されているわけで……。
作品とライヴの新しさ・おもしろさ以外では、3人の可愛らしさや衣装・髪型といったヴィジュアルの見せ方、そしてメンバーのキャラクターも、プロダクトの優位性のひとつですね。
……ん? そういえば冒頭の画像……
夢を未来に変え続ける3人に迫る超大特集……
◇I Dreamed A ...
音楽メディアがPerfumeを採り上げる際に、すぐメンバーの人柄や関係性、物語性を〈信頼〉〈絆〉〈希望〉〈未来〉〈夢〉といった美辞麗句で褒めちぎる傾向は、「GAME」~「⊿」期にはそこまで目立たなかったように思うのですが、昨今では
・Perfumeメンバーの謙虚な人柄
・3人のお互いへの思いやり、支え合い
・夢を諦めず、一生懸命努力する真摯な姿勢
・メンバー同士の仲の良さと、3人であることの強み
・広島での下積み時代から、世界へと羽ばたいていく物語性
あたりがやたらとフォーカスされるようになっています。
でもこの論調には、大きな不備が2つあるように思います。って変な日本語ですね。
【1】Perfumeメンバーの〈関係性〉〈物語性〉に特化した紹介では、映画で例えるならば俳優そのものと、映画のストーリーばかり話していて、肝心の映画の出来栄えに何も言及していないのと等しいです。
映画には、俳優(のパフォーマンス)を魅力的に見せるための演出やカメラワーク、脚色、編集、セット、照明、美術、衣装、メイク、特殊効果など、ありとあらゆる要素があります。そして何より、その映画が〈いまこの時代に作られて、観られる意味〉が、作品のテーマやメッセージに込められています(※込められていないものもあります)。
それらにほとんど触れず、俳優の人柄やその関係性、
映画と同様にポップ・ミュージック、とりわけヒット・ソングは、時代を映す鏡です。大衆の欲望を具現化し、満たすものです。Perfumeも(その関係性、物語性込みで)押しも押されもしない位置にいますが、中田ヤスタカはその評価に甘んじることなく、Perfumeの作品リリースでは一貫して〈じゃあ、こういう音楽はどうかな?〉という提案型のアプローチを試みてきました。そこから生じる意外性や新しさが、Perfumeのプロダクトとしての優位性でもあったはずです。
ヤスタカのそういう姿勢にも関わらず、〈いま、この音楽の何がおもしろいのか?〉をとことん考え抜いて読者に伝えることはせず、関係性やら夢やら未来しか語らないのは、音楽ジャーナリズムとは言えません(偉そう)。
【2】音楽メディアがPerfumeを評するにあたり、〈夢を未来に変え続ける3人〉のようなポエミーな文章に留まってしまうのは、はっきり言って2007~2008年当時のPerfumeの取り上げ方から、ちっとも前に進んでいないと思います。Perfume自体はずっと前進しているのにも関わらず。
Perfumeは音楽産業にイノヴェーションを起こすことに成功しました。でもそれは、優れた音楽が軸にあり、そしてメンバー3人だけじゃないチーム編成だからこそ可能だったわけで、それを安易に〈3人の関係性と物語性〉で括ってしまうような論調には違和感を禁じ得ません。
◇STORY
それでも、〈夢を未来に変え続ける3人〉というポエ……もといリードが〈ファンが読みたいPerfumeの物語〉であることも、紛れのない事実でしょう。いまの時代には、Perfumeの〈関係性〉から紡がれる〈物語性〉こそが渇望され、価値のあるものと見なされていると思います。
だからこういうブログも始めたんですけどね。
第69回 Perfume 1st US Tourの会場あれこれ
今年の夏に行うPerfume 6th Tour 2016 「COSMIC EXPLORER」の北米ツアー日程が決定!今回は、初上陸となるシカゴ、サンフランシスコを含む、4都市5公演を行います!詳しくはこちら⇒https://t.co/88vWJMC5mM#prfm
— Perfume_Staff (@Perfume_Staff) 2016年3月5日
ついに詳細が発表されました、Perfume初のアメリカツアー!といっても初めて名前を聞く会場ばかりですが、はたしてどういうところなのでしょうか?
Venue 1 : The Wiltern(Los Angeles, CA)
初のアメリカツアー、8月26日(金)のオープニングを飾るはLA。Perfumeのアメリカ進出のきっかけがこの街(映画「カーズ2」のワールドプレミア)だったことを考えれば、〈Perfumeの物語性〉が好きな方々にも納得のセレクトでしょう。
コリアンタウンに位置するこの会場、1931年に開業し、85年に改修再オープンを果たしました。キャパシティは公演によって(スタンディングか座席指定かで)変動するようですが、3000~3500というところみたいで、いまなお〈LAで最大のシアター〉だそうです。過去の出演者も枚挙に暇がなく、Rolling StonesやDavid Bowie、Elton Johnといった大物からAdele、Kendrick Lamar、Sigur Ros、そして我らがOK Goも出てます。
現在(2016年3月5日)決まっているラインナップですと、日本人だとガゼット(V系)やBABYMETALもワンマンライヴを実施。他にもGalantis(EDM)、Umphrey's McGee(ジャム・バンド)、Floetry(R&B)、Third Eye Blind(ロック)、Kirk Franklin(ゴスペル)、Dream Theater(プログレ)など。ジャンルは多岐に渡っていますが、実力派といえるアクト揃いですね。
Venue 2 : The Warfield(San Francisco, CA)
http://www.thewarfieldtheatre.com/
2本目の8月28日(日)も続けてカリフォルニア州と来ました。1922年に設立され、2008年に改修再オープンした2250人収容の会場。当初はヴォードヴィル(歌や踊り、劇や曲芸など)や映画向けの劇場だったようで、そんななかLouis Armstrongやチャップリンなんかもステージに立っていたらしいですが(さらっと書いてみたけど震える)、79年に伝説的プロモーターのBill GrahamがBob Dylanを、しかも2週間ブッキングしたことを機にコンサートホールに転じたようです。由緒も伝説も保つ、アメリカらしいホールですね。
出演者はそのディランに始まり、地元が誇るGrateful Dead、Prince、最近だとThe Killers(ロック)やAdele、Skrillex(EDM)なんかも挙げられています。
現時点でのラインナップはSlayer、Tinashe(R&B)、At The Drive-In(ロック)のほか、B.A.P.やAOMG(これはレーベルのショーケース)といったK-Pop勢の名前も。と思ったら初音ミク&Anamanaguchi(Ultra KoreaでPerfumeと同じステージに立ち、その場でファンを公言したNYのオタクバンド)なんてのもありますね。カオス。そしてそれがおもしろい。
Venue 3 : The Vic Theatre(Chicago, IL)
8月31日(水)、3本目はイリノイ州のシカゴです。1912年にヴィクトリア・シアターとしてオープン。ここまで実に長い歴史のある会場ばかりです。日本にはそんな会場ほとんどないというのに……メインフロアはスタンディングのみで1400人収容、さらに椅子席が1000ある模様。
↑すみません、以前の画像は違う会場のものだったようで、こちらは正しいです。
過去の出演者は、こちらもDavid Bowie、Paul Simon、Pearl Jam(ロック)、King Crimson(プログレ)、Trent Reznor(ロック)、Phish(ジャム・バンド)、Emeli Sande(ポップス)などなど。
他のラインナップは、こちらもK-Pop勢のDynamic Duoがいますね。Adam Lambert(ポップス)、Pusha T(ヒップホップ)、St Germain(ハウス~テクノ)などなど、おもしろそうなアクトが目白押しです。Wilco(ロック)のJeff Tweedyも出ているな?と思ったら、彼らはシカゴのバンドでしたね。
Venue 4&5 : HAMMERSTEIN BALLROOM(New York, NY)
Perfume World Tour 3rdでもライヴを行った会場に凱旋。しかも今回は9月3日(土)、4日(日)の2DAYSです。1906年にオープンし、当初はオペラ劇場だったとか。マンハッタンを代表する多目的ホールのひとつで、収容人数は3500です。
過去にはGuns n' Roses、Beck、Swedish House Mafia(EDM)やJustin Timberlake(ポップス~R&B)、Ed SheeranにBABYMETALなどなど。直近だとFutureとTy Dolla $ignという注目ラッパーのツーマンがソールドアウトさせたみたいです。
3月時点での他のラインナップはMetric(ロック)、St. Germain、Santigold(R&B~ベース)、Macklemore & Ryan Lewis(ヒップホップ)、Walk The Moon(ロック)、そしてここにも初音ミク!!
と、ここまで見てきました。どれも伝統あるホールばかりですね。それにしても新しい会場は取れなかっ……いやいや邪推は止めましょうか。
これまでのPerfumeの海外ツアーは〈お披露目公演〉的な位置づけ&セットリストでしたが、あくまでも今回は「COSMIC EXPLORER」リリース・ツアーの一環という位置づけです。Perfumeが、地域に根差した(=地元住民に長く親しまれている)これらの会場でどのようなライヴをやるのか、どう受け止められるのか。またもや新しい挑戦が始まります。
なお個人的には「もし、せっかくアメリカまで行くのなら、Perfume以外のライヴも観たいな……」が本音ですので、そのテーマは引き続き調べて参ります。